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パンドラの森
発売日:1994.04.16 / フォアナイン

◇ あらすじ

 西暦2xxx年、某国のとある研究所でバイオハザード(生態汚染)が発生した。 その研究所の事故で外界に広まったウイルスは人が感染すると人間とは別の生態へと変化してしまうという悪性のものだった。 人々はそのウイルスから逃れる為に都市をドームで覆い外界とは完全に隔離した生活を送っていた。
 それから数十年後、ドーム都市の外に広がる樹海の中に築かれた研究所で、その研究所に住む一家が獣に襲われる事件が発生。 奇跡的に難を逃れた2人の子供はそれぞれ別々に親戚に預けられ、事故から13年の月日が流れた。
 テレスシティに住む少年「ジャッキー」は幼い頃に別々に住む事になった2歳上の少女「ルシア」と再会する為に彼女の住むアリストシティへ向かっていた。 これから巻き込まれる事件の事など知る由もないまま。


◇ ゲーム概要

 10年ぶりに再会した2人はひょんな事から樹海の外へ放り出され、森をさ迷う事になります。 その森で動物の耳と尻尾を持った不思議な少女「リア」と出会い、彼女の案内でドーム都市に戻った所で事件に巻き込まれていく…といった感じの内容で、ゲーム自体はコマンド選択によって進んでいくオーソドックスなADVになっています。
 物語は全部で8つの章に別れていて、シナリオ&エンディングは1つだけという完全に1本道ストーリーです。

 この『パンドラの森』はGAOGAOシリーズの第2弾となっています。 GAOGAOシリーズは『ラジカルシークエンス』『パンドラの森』『ワイルドフォース』の3作で、同じ世界の違う時代をそれぞれ描いたもののようです。 完結編として『カナン』もあります。 私は1作目の『ラジカルシークエンス』をプレイしていませんが、すんなり物語に入る事が出来ました。 ただ…やっぱり第1弾からやった方が良いのでしょうね。


◇ システム

 3.5”2HD 6枚組。 セーブは7ヶ所に登録可能で何時でもセーブ/ロードが出来ます。 メッセージスキップ等はありませんでした。 ゲームのインストール時に問題がありましたが、これは後述します。 おまけ機能として、CGモード、音楽モード、回想モードがあります。


◇ グラフィック

 メイン原画は「御野眠」さん。 キャラデザインは特徴が掴み難い感じがしますが、CGはこのゲームの発売時期が1994年という事を考えると凄く綺麗に描かれていると思います。 特に2章でリアが水浴びしてる800ラインのスクロールCGなんてキラキラと水面がゆれてる様が上手くてお気に入りです。 最近のゲームのCGを見慣れてるのでちょっとジャギが目立つかな?という感じがしましたが、枚数的にも満足しました。 キャラ同士の会話の時は表情が変化するフェイスCGも表示されます。


◇ サウンド

 最初にこのゲームをプレーした時はBGMが再生されず、感想にも「QvisionのWaveStar、NECの86ボード共に音源を認識せずに固まった」と書いた所、これを見た方から「カナンのファイルをコピーすれば鳴ります」というメールを頂いたので試したところ、見事に再生されました。 どうもドライバが古く、マシンが高速だと駄目だったみたいです(メールをくれた方、ホントにありがとうございます)。
 まだ再プレーはしていませんが、音楽モードに入った所、かなり良い感じの曲が多かったです。 そんな訳で今回の感想はBGM無しでプレイしたときのままですが、BGM付きで遊ぶ為に暇を見つけて再プレーしたいと思います。


◇ 感想まとめ

 まずこのゲーム、私の環境が悪いのかインストーラーが悪いのかわかりませんが、まともにインストール出来ませんでした。 したがってFDのファイルを全て手作業でHDDにコピーするなど、ゲームを起動するまでに四苦八苦したことが印象深いです(苦笑)。

 肝心の内容ですが…ストーリー展開はテンポが良く、常に「先の展開が気になって仕方ない」という気にさせてくれてかなり楽しめました。 特に2章の後半から最後までの展開や、次々に明らかになっていく新事実はプレーしていて全く飽きが来ませんでしたから…。

 キャラも魅力的で良い感じですね。 なんか主人公とメインヒロインは「バスタード」という漫画のルーシェとヨーコに性格や立場関係がそっくりです(笑)。 他にも「リア」「ライラ」「ナギ」といったヒロイン格の娘達から悪役に至るまで味があって物語を盛り上げるのに貢献していました。 個人的には「リア」がお気に入りで「みゅ〜みゅ〜」と言いながら尻尾をパタパタする仕草に萌え転がってました。

 エロシーンはなかなか濃いです。 4Pとかやり出した時はどうしようかと思ったけど、皆主人公を好いていてエロシーンなどでも微笑ましさのようなものを感じました(笑)。
 ちなみにエンディングは特定のヒロインと結ばれるというものではないので、複数のヒロインを気に入っていた自分としては嬉しい結末となってたのも高評価ポイント(謎)。

 難点を挙げるとすればコマンドによるフラグ立てが少々かったるい点でしょうか。 結局コマンド総当たりになってしまうので長時間プレイには向かないかもしれません。

 現在ではこのゲームの入手は困難(というかプレイ環境を持っている人が稀)になってるのでWindows版への早期移植を希望したいところですね。


私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

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