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Fresh! 〜Teens Memory〜
発売日:1999.06.17 / BELL-DA

◇ あらすじ

 新学期が始まった四月。 主人公「成沢 大輔」は両親が海外赴任することになったため、五才の弟「大樹」と共に誠心道という道場を営む祖父の元へやってきた。 その新天地で大輔は誰とどのような出会いをし、そして恋をしていくのだろうか?


◇ ゲーム概要

 「リエゾン・システム」採用のマルチシナリオADV。 ってことでBELL-DAの人気ゲーム『リエゾン』で使われていた「シーン毎に主人公以外の人物に視点が切り替わりヒロインやサブキャラの心理描写がわかり易いシステム(長い)」を継承しています。

 登場するヒロインは6人でゲーム期間はシナリオによって異なりますが主に夏まで。 選択肢の数は少なく、ヒントもあるので難易度も低く、ストーリーに集中できる作りになってます。


◇ システム

 画面サイズは640×480の窓とフルスクリーンの二通りですが、デフォルトでウインドウモードになっていて一度フルスクリーンにしても次回起動時にはデフォルトに戻ってしまいます。 セーブは20個所まで可能でメッセージスキップも付いているのですが、ゲーム中にシステムメニューを出せるタイミングがキー入力待ち状態の時のみなので少々鬱陶しさを感じるかもしれません。
 でも一番の不満点はゲーム中や回想モードでCD入れ替えが頻繁に発生する事でしょう。 今回も含めて私が今までプレーしたBELL-DAのゲームはHDDへのインストールは殆ど行なわず、万年容量不足の私には有り難かったのですが…このゲームの場合はCD2枚組なので、そのことが裏目に出た気がします。


◇ グラフィック

 原画は『リエゾン』と同じく「菊地政治」さん。今回も奇麗なキャラを描いてくれて満足してます。 原画集とか出してくれないかなぁ。(原画集は出ました。もちろん買いました(笑))。

 CGの方も原画の雰囲気を損ねず枚数もそれなりにあり、なかなか良い出来だと感じました。 そんな訳でCGそのものには不満が無いのですが…BMPファイルをそのまんま使っているようで、しかもその数がかなり多いので、なんとなく容量の無駄使いのような気がします。 上手く圧縮すればCD一枚で出せたと思うとちょっと残念かな。

 CGモードは「イベントCG」「エロシーンCG」と別れていて、他にエロシーンの回想モードがありますが、見るためにはCDを逐一入れ替えてやる必要があり、超面倒。


◇ サウンド

 PCM再生の全16曲。他にもOPとEDでボーカル曲がかかります。 主題歌も含めて結構良い曲が揃ってるのですがCD-DAじゃないのが悲しい…。

 CVは主人公以外フルヴォイスで、演技の方もなかなかでした。 サウンドモードは主題歌以外なら聴けるようになってます。


◇ 感想まとめ

 ちょっとファンタジー入ってる場面がありましたが、題名通り十代の爽やかさと切なさが入り交じった純愛系のゲームでした。

 シナリオ自体は正直言ってしまうとインパクト弱いと思います。 しかしヒロイン達のキャラ立ては…やっぱりちょっと弱いんですけど(ぉぃ)小刻みにツボを刺激され続け、気が付けばすっかりゲームに引き込まれていたって感覚でした。 この手の恋愛ゲームにしては珍しくヒロイン全員お気に入りでしたしね。 やっぱりこれは概要で述べた「リエゾン・システム」の効果だと思います。
 ややネタバレになりますが、例えば「せせり」のシナリオでは顔見知りとは知らずにメールのやり取りをして、お互いに惹かれていく様がわかり易かったですし、「ゆずか」や「舞」は素晴らしく鈍い主人公にヤキモキする様が微笑ましかったのですよ。
 それに今回はヒロインだけでなく、サブキャラに至るまで視点が切り替わり、キャラの心理描写や恋敵に対する憎悪(男が皆、最低野郎ばかりなので)を感じる事ができて良かったです。

 不満点は…致命的なバグは無いものの作りの荒さが目立ったり、いきなりデバッグモードが起動したりしで少々萎えたことかな(苦笑)。 いかにも大急ぎで作りましたという雑な感じなので、もう少し丁寧に仕上げて欲しかったです。

 巫女さんの「京香」シナリオを除いて特に感動系というものでは無いし、いわゆるシナリオ重視な方には物足りない展開だとは思いますけど、恋愛系のゲームが好きなら楽しめると思います。


私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

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