夕焼け 〜November〜 |
発売日:2000.01.14 / Tactics |
◇ あらすじ
両親が他界して妹との二人暮らしな上に自分がバイトしながら生計を立てているという特殊な環境から普通の生活にあこがれる「津原 流」。
毎日の代わり映えしない日常に退屈している「一条 俊哉」。
今の生活、今の状態はずっと続かないと信じ、やや人間不信な感のある「小林 京平」。
そして気が弱く、他人との関わりを極力避けている「羽崎 正宏」。
同じ学校、同じクラスの4人の主人公達はそれぞれ悩みを抱えつつも平凡な学園生活を送っていたが…。
◇ ゲーム概要
4人の主人公それぞれのストーリーが独立しているタイプのノベルゲーで、開始時にどの主人公のシナリオをプレイするかを選択することから始めます。
ただし最初に選べるのは2人だけで3人目は1度なんらかのエンドを見た後、そして4人目は3人のHappyEndを全て見た後に入れるようになってました。
4つのシナリオはいずれも同じ舞台の同じ期間で、複数のシナリオに登場する脇役キャラが居るのはもちろんですが、他の主人公の同時系列のイベントを見かける事もあります。
◇ システム
インストールに必要な容量は約56MB。
『ONE』や『鈴がうたう日』などTacticsお馴染みのシステムで軽くて快適にプレイできました。
メッセージは「CTRL」キーでスキップ可能で未読判別もしてくれるので有り難いです。
ただバックログ閲覧機能が無いのが残念。
その変わり…という訳では無いでしょうけど「前の選択肢まで戻る」機能があって個人的には結構お世話になりました(苦笑)。
セーブやロードはゲーム中いつでもでき、全30ヶ所まで登録できます。
◇ グラフィック
原画は「桐沢しんじ」さん。
今までのTacticsと違い癖の無い絵柄となっていて絵的には受け入れ易くなってると思います。
ただしそのイベントCGの多くが所謂「陵辱シーン」だったりするので、ソレ系が苦手な方には受け入れ難いかも。
CG枚数は若干少な目ですが、どれも綺麗に仕上がってて良かったです。
背景は写真をモノクロにしてぼかしたような感じでリーフの『雫』『痕』に近いかな。
キャラの立ち絵は表情パターンが幾つかありますが、あまり変化しませんね(苦笑)。
CGモードは誰かのHapyEndを見たあとでタイトル画面におまけメニューが追加され、そこから入れるようになってます。
回想モードはありませんでした。
◇ サウンド
CD-DA再生の全21曲。
どの曲もなかなか良い感で使い所もシーンに合った曲になってますし、曲調もバラエティーに富んでて聴き応えありました。
キャラボイスは無し。
音楽モードは2人目のHappyEnd後に追加されます。
ちなみにCD-ROM内のomake.exeの中に音楽スタッフらによるLinerNotesがありました。
他にも「夕焼け#2」のmp3やスタッフコメント、おまけ画像も有り。
◇ 感想まとめ
誰もが何かしら抱えているであろう「悩み」、それをギャグやコメディで包まず直球ストレートに表現されている事に加え、かなり哲学入ってるシナリオ等はプレイしていて非常に疲れるものがありました。
と言っても物語それ自体が訳わからんという感じは無く、エンドやCG補完の為に何度か繰り返しやってくうちに少なくともプレイヤーに訴えかけたいことは「なんとなく理解できたかな」というレベルまで行くことは容易だと思います。
内容を自分(プレイヤー)なりに理解させるだけの素材は鏤められているので、色々と考察してみるという楽しみ方もありでしょう。
トゥルーエンド後には「最後に作品を完成させるのは貴方」とか言ってますしね。
エロは後半に陵辱シーンのオンパレードなので、この辺りからも結構プレイする人を選びそうです。
鬼畜耐性があればシーン自体は悪く無いとは思いますが…実用性はちょっと低めかな。
まあ良くも悪くもタクティクスらしいと感じたゲームでした。
◇ お気に入りキャラ
「川嶋 涼香」ですね。
従妹で同じ歳だけど何故か主人公(小林 京平)の事を「おにいちゃん」と呼んでいるから…という訳ではなく、健気で良い娘ですから。
脇役キャラでは「月形 唯」がお気に入り。
全キャラで一番キャラが立っててインパクトあった気がしますし、なかなか美味しい役どころでした。
私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆
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