| すいすいSweet |
| 発売日：2000.10.27 / Tactics |
◇ あらすじ
季節は初夏。
親が蒸発し義妹の「真琴」と二人暮しという環境ではあるが、いつもと変わらぬ日常を過ごしていく主人公「常盤 達弘」。
その何気ない日常がふとしたきっかけで少しづつ変化していく…。
◇ ゲーム概要
もうこの手のゲームではごくありふれた出だしで始まる恋愛ADV。
あまりに特徴がなくてゲームの目的も女の子と仲良くなるという事以外は特にないんで、あらすじ書くのに非常に苦労します(苦笑)。
ゲームは一応13章に別れていて、2〜3択の選択肢を選んでいくことでストーリーが分岐し、攻略できるヒロインが変化するというマルチシナリオになってます。
エンディングのあるヒロインは全部で5人+α。
選択肢の内容自体は特に捻ったものはないのですけど、単純にオンリープレイに徹すればエンディングが見れるという訳では無さそうなんで難易度はある程度高めなのかも知れません。
◇ システム
インストール容量は約181MB。
インストールサイズの指定は出来ず、ゲームはCD-ROMがなくても起動しますけどBGMは再生されません。
画面サイズは640×480の窓とフルスクリーンから選択可能。
メッセージはウエイトのON/OFFとスキップが備わってました。
ただ、マニュアルには一度読んだ文章のスキップとありますが、実際は未読の文章もしっかりとスキップされますのでご注意ください。
テキストのバックログ機能もあって、このあたりは良いですね。
セーブやロードはゲーム中にいつでも計30ヶ所まで登録できます。
ヒロイン数を考えるととりあえず十分な数だと感じました。
◇ グラフィック
原画は「橘あかり」さん。
目が若干大きめの可愛い感じのキャラを描く方ですね。
ゲーム中の立ち絵も表情パターンが豊富でキャラデザインと合わせてなかなか気に入りました。
CGはイベント等の一枚絵はかなり質が高くて満足しています。
ただ…通常会話時などの背景が舞台となってる街のMAPで、自宅と思われる建物近辺、学校と思われる建物近辺など、主人公達の居る地点のMAPが表示されてるだけで、あとは「自室」とか「リビング」という文字が画面左上に表示されるだけ…というお粗末なものになってました。
しかもMAP画面の塗りもかなり手抜きっぽい…。
CGモードは一度エンディングを迎えるとトップメニューに「おまけ」メニューが追加され、そこから入れるようになります。
回想モードはありませんでした。
◇ サウンド
CD-DA再生の全20曲。
曲自体はなかなか良い感じですね。
ただ一部でイベントシーンと合っていないかなぁと感じるBGMがあったのが残念なところ。
あとTacticsとしては珍しくOPとEDでボーカル曲が再生されます。
ED曲の方は2種類あって、「I want to...」の方は結構気に入ってます。
OPはアニソンっぽいけどノリのいい曲で、こちらも悪くないですね。パパパヤパパパヤ♪
ちなみにOP主題歌は初回版に同梱されてる「オマケシーデー（仮）」の方にフルコーラス版が入っています。
音声はなし、最近は音声入りのゲームが多いためか、やっぱり少し物足りなく感じてしまいますね。
音楽モードは一度エンディングを迎えた後にトップメニューより入れるようになります。
◇ 感想まとめ
疲れた…なんで恋愛ゲームでここまで疲れるかなぁ…ってくらい疲れました。
このゲームは会話形式のみで進行していくことが多くて、章の始めなどは状況を把握するのにまず一苦労…。
中には状況把握が済んでないうちに選択肢とか出されるんで戸惑うこともしばしばありました。
まるで某『ドラ○エ』で街の住人に話し掛けた直後の「知ってますか？（はい／いいえ）」という選択をさせるノリに似ている(苦笑)。
会話の内容も妙に大人びているというか、主人公もヒロインも我が強くてお互いの意見の押し付け合いのような感じがしつこいくらいに続いてテンポが悪いです。
加えてぽんぽんと話が飛ぶので先にも書いたように状況把握が困難。
はっきり言って会話が脱線せずに進むことの方が稀なので、もっとテンポ良く進めて欲しかったですよ。
誤字脱字が多かったのもマイナスでした。
シナリオは終盤からクライマックスにかけての展開がどのキャラシナリオでもなかなか良い感じだったと思います。
ただ、お互いの気持ちを確認しあうシーン（いわゆる告白にあたる部分）は、普段の会話のノリからさりげなく行っていて、恋愛ゲームならではの初々しさとかをあまり感じず、少々スレてる印象を受けますね。
個人的にはこれがマイナスという訳では無く、友達から恋人へ至るステップとしては悪くはなかったと思います。
告白後からクライマックスにかけては所謂「恋の障害」を乗り越えていく展開になるんですけど…ここでの他ヒロインとのシナリオの絡ませ方がなかなか良い感じでした。
どのキャラも最後まで忘れられてなかったですから。
エロシーンは終盤に1回のみ。
それほど濃いわけではありませんし、そのエロシーンへの入り方が告白と同様にさり気ない流れでイマイチ“若さ”が感じられません。
例えばメインの京香なんかは甘味屋の制服（袴）姿での会話から…
達弘：「でも袴ってのも着るのが面倒そうだよな」
京香：「そんなにじろじろ見るものでもないでしょう？」
達弘：「それにさ、どうゆう構造になってるのか気になる」
京香：「構造って…」
達弘：「拒否するのは認めるぜ」
京香：「…して欲しいのかしら」
達弘：「できるなら、して欲しくない」
京香：「……仕方ないわね」
…とまぁ一応コイツら初めて同士なんですけど、このドライな会話はナニ？って感じです(笑)。
もっとも、個人的には告白と同様にこれはこれで悪くなかな？とも思っていますけどね。
個人的にはテキストが回りくどくて疲れるという欠点があったのが残念なんですけど、物語の構成とか展開に関してはそれなりに気に入ったゲームです。
言ってしまえば変にプレイヤーに媚びてないのが長所でもあり短所でもある…と。
またBGMやCG（イベントのみ）の出来も高水準なので買って損したということは無かったです。
◇ お気に入りキャラ
主人公の義妹「常盤 真琴」かな。
普段はしっかりしていて「お兄ちゃんにべったり」というキャラでは無いんですけど、だからこそご偶に甘えられたり本音を知ったりすると轟沈します。
キャラデザインも可愛いでしすしね。
◇ 備考
所要時間： コンプリートまで11時間
私的満足度： ★★★★★ ★☆☆☆☆
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