◇ あらすじ
地峡によって南北に分けられているシーサス島。
数百年前に南部の国が竜脈の流れをせき止めた事によって南部は肥沃な土地となり繁栄していた。
たがその一方で北部の土地は荒廃していき、僅かな食料を巡って常に争いが絶えない国となってしまっていた。
そんな中、主人公「アルタス」は荒廃している北部の統一に成功して皇帝となる。
しかし慢性的な食料不足は如何ともし難く、アルタスは南部へ侵攻して竜脈を開放する決断を下したのだった。
それから間もなくアルタスは南部の要塞の一つを陥落させることに成功するが、肝心の竜脈を開放するには儀式を行う呪い巫女と触媒体となる南の皇族が必要になってくる。
運良く呪い巫女の「ソフィア」を捕らえることが出来たアルタスは彼女に協力を申し出るがソフィアはこれを拒否。
そこでアルタスは将来的にも利用価値のある呪い巫女を何としても従わせる為に性の快楽によって自分から離れられないようソフィアに調教を施す事になるのだった。
◇ ゲーム概要
セレンのお家芸である調教SLG。
呪い巫女のソフィアを調教し、その後も皇女である「エミリア」や第二皇女の「シェリル」を捕え、同時に調教していって最終的に竜脈の開放を行う…というのが物語の流れですが、ゲーム中の選択肢や調教結果次第では若干異なった展開にもなります。
調教パートは最初は一日一回。
エミリアの登場と共に一日に二回になり、各キャラ毎に「愛撫」「奉仕」といった調教コマンドを実行していくことで「快楽」や「従順度」等の各種パラメータが変動していきます。
調教コマンドはヒロインの体力が無くなれば実行できません。
調教コマンドを実行することによって調教シーンが展開していく訳ですが、この調教シーンは従順度とか調教内容の錬度によってヒロインの反応が大きく異なってきます。
現在どのくらいのレベルなのか…というのは各項目ごとにマトリクスで表示されるので、視覚的にも解り易くなっています。
ゲーム期間は最大で37日。
総エンド数は11となっていて難易度は少々高め。
エンディングや各種イベントも含めて全てマトリクスで表示されるので余計な行動はあまり取らなくて済みますけど全てのマトリクスを埋めるのは結構大変かと。
◇ システム
インストール容量は約280MBほど。
ゲーム起動時にCDチェックが入るのでプレイするにはDISC-2が必要。
初期設定としてマニュアルに記載されているID番号を入力し、認証されないとゲームができません(ちなみにプロテクトもかかってます)。
なんかビジネスアプリみたいですけど、これによって不正ユーザーが減るのなら個人的にはあっても良いと思います。
でも実際どうなんでしょうね。
画面サイズは640×480の窓とフルスクリーンの二通り。
メッセージは速度調整などは出来ませんでしたけど、強制スキップ、既読スキップ、更にその回のプレイ限定での既読スキップがスイッチ一つで設定可能になっているのは有り難い。
テキスト履歴の閲覧も可能です。
セーブやロードはゲーム中にいつでも可能。
セーブ毎に新たにファイルを作成していく仕様なので、HDD容量の許す限りセーブすることができます。
ただ、ファイル名の入力やフォルダ別けを上手くしておかないとプレイ再開時にとても苦労するので注意。
通常のセーブ&ロードの他にクイックセーブ&ロードも可能です。
ゲーム中からタイトル画面に戻る際に少々もたつくこともありますが、全体的に軽めですし、致命的な不具合もなく、イベントマトリクスを含めてなかなかに洗練されていてプレイし易いシステムでした。
◇ グラフィック
原画は「おおのつとむ」さん。
目が大きめで少し丸っこい顔のキャラですが個人的にはお気に入りです。
立ち絵の表情パターンも結構ありますけど、調教物だけにヒロインの笑顔が少ないのが残念なところ。
CGは背景も含めて全体的によく描き込まれてるし塗りも丁寧です。
特に人物絵の肌のグラデーションはなかなか質感があって良いかと。
ただ少々イベントなどで使い回しのCGが多いのが惜しいですね。
また特定のシーンでは動画になっているんですけど、同じ動作を延々と繰り返してるだけだし、動きもなんかヘンだし、塗りも通常のCGに比べて落ちるので個人的には不要だったかなぁと感じました。
CGモードはありませんが、タイトル画面で各キャラの調教シーンやイベント・エンディングのマトリクスが表示され、一度見たイベントは何度でも見れるようになっています。
◇ サウンド
PCM再生の全17曲という構成。
ファンタジー物の戦略SLGっぽいノリの良い激しい曲が結構耳に残ってます。
調教シーン意外の曲は概ね気に入ったかな。
またOPとEDはI'veの担当したボーカル曲となっていて計4曲再生されます。
この中では「Time rolls on -FISH TONE mix-」という曲がかなり気に入りました。
ボーカルは初起用(?)のYUCCOさんですが、またこの人の歌は聴いてみたいです。
音声はヒロイン3人がフルボイス。
どのキャラにも合っていたし演技も良好で満足。
BGM鑑賞モードはタイトル画面のメニューより入れるようになってました。
◇ 感想まとめ
セレンのゲームは同人サークルの「Escape Software」も含めていくつか購入はしているんですけど、マトモにプレイしたのはこれが初めてだったりします(汗)。
私は調教SLGというジャンルはそれほどプレイしていないので標準的なクオリティというのが今ひとつ分かりませんが、
このゲームに関して言えば調教によるパラメータの増減が非常にわかり易い上にイベントに必要な数値も決して難しいものではないので比較的ストレスなくプレイすることができました。
調教の方向性(愛情か従属か)もキャラ毎に予め決まってるのでプレイヤーはその辺りに悩まなくてもいいですし。
…ってこれは自由度が低いという事にもなりますけど、これ以上自由度が高かったら途中で投げてたでしょうから個人的には無問題。
それに全ての調教シーン・イベント・エンドがマトリクスで表示されるのも欠けてるイベントが容易に判って良いですね。
やっぱり抜けがあると悔しくてプレイ意欲に繋がり、結局ほとんどのイベントは見ることができましたから。
またこのゲームの主人公は侵略者でありながら野望や欲望の塊という訳ではなく、両国の領民の事を第一に考えた行動に基づいているのが好印象。
調教過程の合間にそういった主人公側の正義をヒロインに見せていくイベントが挿入されてるので、主人公に従うヒロイン達の心情の変化にそれほど無理を感じさせなかったのも上手い演出だったなぁと感じてます。
調教シーンは「愛撫」や「SEX」といった各コマンドで、それぞれその項目のレベル(熟練度?)と従順値(又は愛情値)によって変化していきます。
例えば「アナルSEX」という項目だけでもレベルと従順値によって以下のような反応の違いが存在します。
・レベル・従順度 共に低い場合……「痛い、酷い、嫌い」
・レベルが高く従順度が低い場合…「くっ、こんなヤツに…でも気持ちいいの」
・レベルが低く従順度が高い場合…「ご主人様の為なら痛くても平気」
・レベル・従順度 共に高い場合……「もうメチャクチャにしてぇ~」
当然一度のプレイで全てのパターンを見る事は絶対に出来ませんし、一つのシーン自体は決して長くはないんですけど…、なんていうか…痛がるシーンもヨガるシーンも蔑むシーンもそれぞれに持ち味があって大変美味しゅうございました(笑)。
まさか私がこんなに好みに幅があるとは自分自身でびっくりですよ。
卑語や淫語を言わせたりしてるんですが、コレも結構良い感じでしたし…う~ん。
難を言えばCGの使い回しが多いということでしょうかね。
パラメータがある程度変化するまでは同じシーンを延々と見ることになるのも味気ないんですが、これはメッセージスキップを駆使すればそれほど苦ではなかったです。
舞台がファンタジーの王国侵略物ってことでアリスの『ダークロウズ』と若干設定が被るところもありますけど、ゲーム性はあるし、実用性もあるし、ストーリーの流れもそれほど無理はなく、なかなかの良作だったと感じました。
◇ お気に入りキャラ
一人を挙げるなら第一皇女の「エミリア」です。
◇ 備考
所要時間: 1プレイ約1~2.5時間。下記の達成率まで約26時間
現在の達成率: END:[11/11] TOTAL:[371/381]
私的満足度: ★★★★★ ★★★☆☆
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