Rascal・改 − Game Impression
[メニュー枠OFF]

夏少女
発売日:2003.05.30 / PULLTOP
 全CGと回想を埋めてコンプ。 所要時間は1stプレイで4時間弱、コンプまでは大体8〜9時間くらいでしょうか…思ってたより短めでした。

 天文部に所属する主人公「瀬川真人」は夏休みを利用して親友の実家がある上郷町へ天体観測の合宿に訪れた。 ところが友人は用事で2〜3日遅れる事となり、主人公は彼の実家が経営している旅館「みやこ」へ一人で居候することになってしまう。 だが主人公はこの土地で三人の少女達との出会い、少女らを含めた住人達と次第に打ち解けていく…というあらすじ。


 三部構成になっている選択肢分岐型のADV。 一年目の夏が第一部、二年目の夏が第二部というように上郷町で過ごすひと夏の出来事を章単位で描いていく構成です。
 ヒロインは三人。 選択肢の数は少なく難易度も低めでしたが、第一部の最初の選択肢でいきなりヒロイン別のイベントが発生するので2ndプレイ以降も最初からプレイする必要がありそう。 まぁ既読スキップを使えばかなり時間短縮できるので個人的には無問題でしたが…。 あとヒロイン三人のエンドを全て見るとおまけシナリオが開放されます。


 んで、実際にプレイしてみての印象は「かなり雰囲気の良い癒しゲー」と言ったところ。 登場人物がレギュラーキャラしか居ないので田舎特有の雰囲気としては今ひとつではあるのですけど、ヒロインである三人の少女達が醸し出す人懐っこい雰囲気がかなり良い感じでした。
 中でも元気娘な明希の無邪気さは、もし高校生程度の年代だったら池沼っぽく感じられたかも知れませんが、一年目で出会う彼女らは小学六年なので凄く微笑ましさを感じるのですよ。 勿論リアルの小六はもっと落ち着いているでしょうけどその辺は気にしない方向で(笑)。
 まぁそんな訳でヒロイン達は皆ロリキャラな訳ですが、そんな精神的にも身体的にも発展途上な少女達に慕われたり懐かれたりで過ごしていく上郷町でのひと時に凄く癒されます。 二年目、三年目と段々とヒロインが成長していく過程を目で確認でき、章毎に新鮮さと寂しさを感じられるのもグッド。 「このペド野郎が!」と言いたい人は言うがいいさ(開き直り)。 またヒロイン達の母親も非常に良い味を出していて雰囲気の良さに貢献していたんじゃないかと思います。

 物語的には大体二年目から個別ルートに入っていく感じで、ヒロインの抱えてる悩みに主人公が協力していく流れ。 割と重い設定を抱えてるヒロインも居ましたけど、それほど鬱系の展開にはならず、主人公も割と好感の持てる行動を取ってくれるので気分を害することもなく最後まで物語を楽しめました。
 不満点を挙げるとすれば全体的に話が短すぎる事と、ヒロインと主人公が互いに好意や恋心を抱くようになる描写が弱いこと。 まぁ前者に関しては話自体はちゃんと纏まってると思いますけど、なまじテキストや雰囲気が良かっただけにもっとこのゲームの世界に浸っていたかった…という気持ちが強く残ってる故の不満です。


 エロシーンは各ヒロインともエロイッカイズツ。 どのヒロインも三年目に発生しますが約一名を除いてまだまだ発展途上なロリキャラとのエロシーンになります。 尺はやや短めな上にあっさり風味でしたけど、前戯→フェラor手コキ→挿入という流れの各シーンごとにCGが用意されているのはマル。 とは言え、藤原々々氏のエロ絵だけで逝ける人でない限り実用性は低めですね。


 まとめとしてはヒロインとの恋愛描写不足や全体的な話の短さに物足りなさを感じましたが、少女達と過ごすほのぼのとした日常の雰囲気が心地よく、仕事などでストレスが溜まった身にはかなりの癒し効果があった事がプラス補正になり、個人的な満足度は結構高めです。


以下、ヒロイン毎の雑感(ネタバレあり)。


芹沢 明希
 喫茶「こかげ」の一人娘。 元気系少女で「『夏少女』と言えばこのヒロイン」と思えるくらいイメージに合ってました。 まぁ実際エンディングでのカクテル「夏少女」やおまけシナリオでの麦藁帽子の扱いなどを考慮すると一応真ヒロインなんでしょうね。
 ただシナリオ展開はこれと言った山場が無く少々勿体無かったかな。 主人公に会いたくて一年間文通の後に念願の再会…という流れは結構好きですが、もう少しドラマ性があっても良かった気がします。 それと母親の麻理奈さんがかなり萌える(笑)。 サマーディスクでは一応母娘丼がありましたがスマタなのが悲しい…。 まぁオヤジさんも良い人だし仕方ないか。

結城 京
 旅館「みやこ」の娘で、主人公の親友「樹一郎」の妹。 黒髪ロングの大和撫子系で体格は一番発達してたキャラでした。 兄のDQNぶりが鬱陶しく、その分割食ってる気がします。
 シナリオ展開は自身の夢である歌と家業の旅館を継ぐ事との板挟みで悩む流れ。 兄がヘタレたり京の喉が壊れたりと色々と山場がありましたけど、それぞれ主人公の行動はなかなか好感触だったのが救いでした。 ラストはちょっと強引にハッピーエンドに持って行ってしまった感がありますけど、まぁスッキリ出来たのでこれはこれで良かったのかも知れません。

東 絢水
 母親が有名な陶芸家。 クール系で序盤は棘のある言動をしていたのに何時の間にか主人公に懐いてしまいましたね…。 家までストーカーして帰りに傘を届けて貰うまでの間に何があったんだろう(苦笑)。 素っ気無い言動の中にも主人公に懐いてる様子が感じられてかなりお気に入りなキャラです。 北都南さんの演技力も多分に影響してると思いますけど。
 シナリオ展開は絢水の父親が既に他界していることに関して雪江さんとひと悶着する流れ。 絢水も雪江も互いを思い遣っての事だけになかなか切ない展開ですな。 あと、どーでもいいけど絢水と河で一緒に泳いだのに主人公が脚の傷に気付かないのはちょっと無理がある気がしました。


お気に入り順は
 絢水 > 明希 > 京


私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO