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ゆのはな A heart-warming tairy tale of winter
発売日:2005.03.25 / PULL TOP
 全エンドを見てコンプ。 個人的に気になってたブランドの作品ということで注目していたところ、体験版をプレイした人の評判が軒並み良かったので購入と相成りました。 外しても藤原々々氏の絵とノーブランドサウンズの曲なら補えるかな…という思いもあったし(笑)。
 なおプレイ時間は初回時で7時間前後、2nd以降は5〜6時間ほどでコンプまでの所用時間は20時間と言ったところです。

 冬休みを利用してバイクでの気ままな一人旅をしていた主人公は片田舎の「ゆのはな町」に差し掛かったところで道端に建っていた祠を巻き込み盛大に事故ってしまう。 瀕死の重症を負った主人公だが少女の姿をした町の守り神「ゆのは」が現れ一命を取りとめる。 そして壊れた祠の修理費を稼ぐため一ヶ月の間ゆのはな町で労働に勤しむことになるのだった…というあらすじ。


 ゆのはな町を舞台にしたコメディタッチの恋愛ADV。 ヒロインはゆのはな町で知り合う3人の娘とゆのはの計4人。 ただしゆのはのシナリオには他3人のエンディングを見るまで入ることはできません。
 序盤はバイト先を毎日選択していくことになるのですが、このバイト先の選択がそのまま各ヒロインルートへの分岐になるので難易度は低め。 その他のゲーム中に出る選択肢はそれほど重要ではない…と思います。

 祠の修理費を稼ぐ為、強制的に労働に明け暮れる日々を送る…という流れではありますが悲壮感が漂うことは無く、田舎特有のほのぼのとした雰囲気と各キャラとのコメディ調のノリでなかなかに楽しい気分にさせてくれるので居心地は割と良かった。
 何より主人公がお調子者だけど非常にまっすぐな(言い換えれば単純馬鹿っぽい)性格で好感の持てるヤツだったのが好印象。常に「自分に出来る精一杯のことをする」感じで、嫌味がないのでヒロインや町人達に打ち解けていく様子が自然に感じられますし、ヒロインが主人公に惹かれるのもわかります。

 それと登場キャラの役割というのがハッキリしていて、ほのぼの系のキャラ(わかば・みつ枝婆さんなど)とドタバタ系のキャラ(ゆのは・由真・渋蔵爺さんなど)がそれぞれの担当分野で活き活きと描かれていたのも好印象です。
 これは立ち絵のパターンが非常に豊富でシーンごとに合った表情をしてたり音楽的な演出(ファンファーレ等)が上手かったのも大きな要因と思います。

 テキストや会話内容のセンスなども良くて各キャラとのやり取りは結構楽しいのですが、同じネタを何度も繰り返すのがちょっと鬱陶しいかも。 由真のユリ妄想など最初の1・2回は単純に楽しいけど3〜4回目あたりでは「またかよ(苦笑)」となり、5〜6回目あたりになると「いや、もういいから…」とド○フのコントのように食傷ぎみになるので同じネタの乱発は避けて欲しかったところ。

 また、ゆのはとのやり取りに関しても少々ゆのはの強欲さや腹黒さが目に付いてしまうのが残念。 強欲面に関しては「強欲にならざるを得ない何らかの訳がある」のだと推測したり必要なことと割り切ることは出来るのですけど、堂々と犯罪行為(万引き)を正当化する言動は避けて欲しかった。 主人公の実直さが好感を抱けるのにヒロインの言動で良い気分がぶち壊しになるのは勿体無い気がしますので。

 本編のシナリオは穂波と他二人(わかば・椿)でちょっと毛色が違う印象を受けます。 基本的にどのヒロインもバイト先の女の子から気になる異性へと気持ちが変化して、各ヒロインが抱えてる悩みや問題を共に乗り越えて結ばれる…という流れなのですけど、穂波の場合は更にゆのはの問題も加わってなかなかに引き込まれました。

 エロシーンはヒロインによってかなりの差がありますね。 ここでも穂波が他ヒロインを圧倒してかなりエロいです。 行為自体もかなりの尺があって感じまくりで呂律の回らない喘ぎ方とか凄くハァハァものなのに主人公を誘惑する仕草がまたエロ可愛いんですわ(笑)。 特に風呂での胸チラは下手に素っ裸で迫られるよりクルものがありますし、ロリ体系なのがまた色々と背徳感を刺激してくれて良い感じなのです。
 反面、他ヒロインはどうしても物足りなさを感じてしまいますね。 特にわかばに関してはほえほえ〜な性格のキャラがエロエロに喘ぐギャップをもっと楽しみたかったのに無念です。



最後に軽くヒロイン別の雑感。


伊東わかば
 ほえほえ〜な銭湯の娘。 最初は裸を見られても軽く流していたのがやがて羞恥を感じるようになったりと主人公のことを「困ってた人」から「気になる異性」に変化していく過程の描写は割と好みです。 全体的にほのぼの感が一番強くて居心地は良いのですけど…、それだけに由真や ゆのは のノリが強く印象に残る…というかこの二人にほのぼの感をぶち壊されて鬱陶しかった(苦笑)。 でも卓球大会の由真はちょっと可哀想な気も…。わかばの応援は萌えでしたけどね。

高尾椿
 姐御気質な酒屋の娘。 お互いに意識する切っ掛けが強引な上に中盤はやたらとストーリー進行を引っ張ってテンポが悪かったのが残念。 終盤でのヤキモチを焼いて不機嫌になるところとかは割とお気に入り。 あとこのシナリオでも ゆのは は単に鬱陶しいチビキャラという印象でしたが、由真が予想以上に活躍してたのは良かったかな。

桂沢穂波
 不思議系な喫茶店の娘。 思った事を即実行に移す主人公とすぐに諦めが入る穂波との正反対な性格故の描写はなかなか良かった。 加えて母親の榛名、電気屋の尚樹、そして依姫としての ゆのは との関係など、このシナリオで関わる問題とキャラも他を圧倒している印象を受けました。 そして先にも書きましたがエロシーンで主人公の誘惑の仕方などはそのロリ体形とのミスマッチが非常にそそるし、白濁した愛液があふれ出る様などのエロ描写がしっかりと書かれてるし、声優さんの演技も良好で実用度はかなり高めなのが最高です。 ほなみんエロ可愛いよほなみん。

ゆのは
 土地神。 他のシナリオで見せていた小生意気さは影を潜め、主人公のことを大好きな異性として接してくる様は素直に可愛いと思いますけど、そうなるまでの過程がちょっと急ぎ足に感じられますね。 問題解決やエンディングへの流れでも主人公は雪掻きとH以外ほとんど何もしていないというのが影響して達成感も薄いのが残念。

 と、まぁ色々書いてしまいましたが個人的にはシナリオ・絵・音楽・システム・エロと全て標準以上な丁寧な作りのゲームになっているのではないかと。 もちろん細かい不満はちらほらありますけど最後はどのエンドも良かったと感じることができて満足しました。


私的満足度: ★★★★★ ★★★☆☆

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