Rascal・改 − Game Impression
[メニュー枠OFF]

秋色恋華
発売日:2005.02.25 / Purple Software
 全CGとイベントを見てコンプリート。 所用時間は1stプレイで約6時間。コンプまでに約15時間と言ったところでしょうか。

 両親は海外赴任で不在、義妹の葵は芸能活動(グラビアアイドル)で別居中のため一人暮らしをしている主人公。 だが幼馴染みのお姉さん兼担任教師である英里子が世話を焼いてくれるし葵もオフの時は帰ってくるので主人公は特に不自由のない生活を送っていた。
 そんな折に世界的に活躍しているプロテニスプレイヤーの伊吹が主人公達の学園へ通うようになり、主人公や葵と親しくなっていく…というあらすじの恋愛ADV。

 ヒロインは5人でエンディングも各ヒロイン毎の5種類。
選択肢の数が少なく、難易度はかなり低い部類だと思います。

 プレイ後の印象としては「王道だが丁寧な作りの萌えゲー」と言ったところ。
ストーリーの流れは普通の学園物と言った感じで特にギャグで笑い転げたり意表を付くような展開があるわけでもない全体的にまったりとした雰囲気。 さらに主人公が帰宅部でこれと言った目標も特技も持ち合わせていないという恋愛物エロゲでは良く見るタイプ。
 こうまで特徴らしい特徴がないと退屈なだけの日常シーンがだらだらと続くだけ…になりがちですが、どのヒロインもキャラ立てが非常に良く、ぶっちゃけヒロインキャラの魅力だけで途中ダレること無くプレイヤー(私)をゲーム内に引き込ませてくれたことには素直に高評価…すると同時に意外でもありました(笑)。

 まぁ相変わらず「プレイヤーうけ」を狙った設定やら口癖やらは目に付きますが、これは萌えゲーである以上、ある程度は仕方ないと思うことにします。 変にオリジナル色を出そうとして失敗するよりは手堅い作りの方を選んだのでしょうし。

 そんな訳でキャラ設定だけを見ると割とありがちなヒロイン達なのですけど、共通ルートでのイベント配分がなかなかにバランスが取れており、これがプレイヤーを飽きさせないことに貢献してるのではないかと。
 例えば朝は英里子先生に起こしてもらい、登校時には葵や伊吹と雑談イベント、昼は真由とイベントがあり放課後は香澄とエンカウント…と言った感じで割と均等にイベントが発生し、それぞれのイベント毎にヒロインの魅力を上手く引き出せていたのはもちろんですが、ヒロイン同士の横の繋がりもそれなりにあって話の繋がり方が自然に感じられたのが非常に良かった(パーティーへの参加キャラが増えていく流れとかね)。
 もしこれが目的のヒロインだけを選択するタイプのゲームだったらキャラ設定に新鮮さを感じない分ダレるのも早かったんじゃないかなぁと思う訳です。

 各ヒロインの個別シナリオに入ってからも他ヒロイン達はそれぞれの魅力を保ったまま、シナリオに絡んできたりするのが良い感じです。 ただヒロインによってシナリオ分量に差を感じたことと終盤の転機にあたる部分が総じて強引に感じられたのが少々残念なところですね。

 エロシーンは一人あたり2〜3回。処女率は100%(笑)。
最初のシーンはどのキャラも主人公の自室というのがちょっと芸が無い気もしますが、エロシーン導入時の気分的な盛り上げ方はなかなか良かった。 愛撫や挿入時のヒロインの反応はエロさよりも萌えの方が強い感じかな。
 2回目以降のエロシーンは青姦の比率が高いけど、初回Hより総じてエロ度は高くなります。 更にコスチューム的な演出もあって個人的にはスタッフに「良くやった」と言ってあげたい(笑)。
 1枚のCGを拡大加工したりスクロールさせたりと演出的に頑張ってたし声優さんの演技も良好、更にヒロインの普段の魅力も手伝ってオカズ度は結構高いんじゃないかなと感じました。

 CGは質・量共に特に不満は感じず。 これは立ち絵のパターンが多いというのもありますが、各イベントでのシーン演出が凝っていて視覚的に飽きることが無かったというのもあると思います。 それとオープニングムービーがなかなか秀逸で満足しました。

一応キャラごとの雑感もさくっと書いておきます。

南条伊吹
 プロテニスプレイヤーだけどネジが外れてる天然風味なキャラ。 語尾に「だよ」が付く口癖に少々抵抗がありましたが…声優さんの演技のおかげか途中から全く気にならなくなったし純粋にキャラ萌えという点では一番萌えたキャラかも。 シナリオ展開的に終盤の主人公がややヘタレますが…まぁ高校生くらいだったら許容できる程度のヘタレっぷりですね。 個人的にエロシーンも伊吹が一番良かった。 初Hで髪型が選べたり、2回目の普段ぽけぽけ〜なキャラがエロエロに喘ぐ様とかかなりハァハァできましたよ。テニスウエアで後ろからもイイ。

世良香澄
 牛丼好きなお嬢様。 個別シナリオは恋愛物としては主人公に惹かれた経緯などよく判らんかったり展開が急だったりで今ひとつと言った印象ですが、香澄のキャラは結構好きだったりします。 割と計算高くて主人公を振り回す様が良かった。

戸倉真由
 妹と二人暮らしの苦学生。 妹の翼が非常に良い感じで絡んでくるし、主人公を意識しだしてからの照れっぷりとかもうラブコメ物として一番気に入ったシナリオです。 特に主人公の公園での告白…になってしまったシーンの演出は素晴らしかった。

佐川英里子
 幼なじみのお姉さん兼担任教師。 甲斐甲斐しく主人公の世話を焼いてくれるんですけど、悲しいくらい印象の薄いヒロインになってしまった気がする。 パーティーも誰からも誘われずセルフ参加だし、もしかしたらサブキャラの翼より影が薄いんじゃなかろうか(笑)。 つーか、葵のかませ(ry

新山葵
 グラビアアイドルをやってる義妹。 全ての行動は主人公の為に…というこのゲームの真のヒロイン。 個別ルートでは香澄以外のキャラが良い感じで絡んでくるし(当て馬っぽいけど)ラストの演出は素直に良かったと感じられて満足。

 PurpleSoftwareと言うとどうしてもキャラ萌えを意識してる割にストーリー展開やエロがスカスカな絵だけゲーを出すメーカーという印象が強かったのですが、今回は見事にそんな私の印象を払拭してくれた感じです。 まぁ最初に期待してなかった分満足度が上がってる感は否定できませんが、今後もこのゲームかそれ以上のクオリティで行って欲しいものです。

私的満足度: ★★★★★ ★★+☆☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO