Rascal・改 − Game Impression
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ちょっと素直にどんぶり感情
発売日:2005.08.26 / ういんどみる
 全CGと回想を埋めてコンプリート。 所用時間は1stプレイで3時間半、コンプまでは10時間強といったところでしょうか。 このメーカーのゲームは全てプレイしていることと、丼(ハーレム)ものというのが購入動機。

 主人公「武藤 正太郎」はマンションの大家である神代母娘に気に入られ、家族ぐるみで仲良く暮らしていた。 そんな中、幼なじみの「牧村みのり」が「クリスマスプレゼントは私だよ」と主人公の部屋に居座ることになり、主人公を気に入っていた大家の「神代珠美」と主人公争奪戦を展開するのだった…というあらすじ。


 5人のヒロイン達が主人公争奪戦を繰り広げるラブコメADV。 ゲームは選択肢と移動場所(ヒロインアイコン有)を選んでいくことで進行・分岐するオーソドックスなタイプ。 エンディングは各ヒロイン個別のものと丼物の各組み合わせ3種の計8種類、あとは一応エピローグなしのノーマルエンドも存在しました。 難易度としては「並」と言ったところでしょうか…個人的には一部のCG回収とエンド補完で少々手こずった程度でした。

 ゲーム序盤はラブコメADVと言う割にはかなり退屈な展開です。 可愛いヒロイン達が主人公を取り合うという美味しいシチュエーションなのに、読んでるこっちは欠伸が出そうなくらいテキスト描写が淡々としていた事はある意味意表を付かれました。
 主人公争奪を家事全般で競う…という展開なのですが、掃除や洗濯のコツなどの薀蓄をだらだらと語られても正直言って鬱陶しいだけ。 こういう薀蓄は話の流れの中でさりげなく入れた方がプレイヤーの印象にも残り易いと思うんですけどね。

 更にヒロインの掘り下げ描写も驚くほど少ない。 ヒロイン達は設定としての性格や立場に沿った言動をしているだけという感じで、ぶっちゃけエンディングを迎えてもマニュアルに記述されているキャラ紹介文以上の印象は無く、個人的なキャラ萌え度はかなり低くなったことは萌えエロ物としてはかなりのマイナス。 せめて美奈と主人公の傷に纏わる出来事くらいはもう少し描いて欲しかった。

 シナリオ的にも特に印象に残るような展開は無し。 まぁこちらは嫌な言い方をすると最初から期待していなかったので大したダメージは無いのですけど、それでもエロシーンへの導入部分などは唐突感を感じてしまいました。
 一応ヒロイン毎のイベントの流れを順に見ていく分にはそれなりにステップを踏んでいるのですが、このゲームのシステムではイベント発生の日付が固定なので、ずっと放置していたヒロインでも日付さえ合っていれば処女喪失イベントをすっ飛ばしていきなり公園での青姦プレイが発生したりするのが難点。 別に初体験が青姦でも構いませんが、テキストが既に処女喪失済みの時と同じなのが萎えるので、せめて破瓜描写の差分くらいは入れておいて欲しかったところです。
 上と同様の事は主人公にも言えます。 既に別ヒロインとHしてるのに「女の子のアソコってこうなってるんだ」とか書かれていると萎えますし、一度ノーマルHを体験したくらいで3Pシーンでヒロインを逝かせるタイミングを制御するほど主導権を握ってるのが凄く不自然に感じました。 つか、この主人公も言動が不自然というか終始淡々としていて面白みがありません。

 エロシーンはヒロイン個別のものは3〜4種類。 丼物は各ルート毎に2種類ほどと数的にはまずまずで不満はありません。 シチュエーションはヒロイン毎に割と分かれていますね。 フェラとノーマル(正常位or側位)はどのヒロインにも実装されていますが、風呂・コスプレ・青姦などは1〜2人ずつと言ったところでした。
 丼プレイは神代姉妹が2、牧村姉妹が2、神代母娘が1で牧村姉妹にコスプレがある程度で後はノーマル(…という表現も微妙ですが)。 穴を並べたCG1枚を用意して交互に…というシーンもありましたけど、キャラ毎に挿入シーンを描いたものもあり、多人数プレイものとしては及第点は行っていると思います。
 声優さんは定番どころで安定感があり、安心して聴いていられます。 ただし尺はやや短めで、長めのシーンなども回想モードでは分割されたりするので遅漏の人は実用に苦労するかも。

 また、このゲームの売りになっている射精場所をマウスで指定できるACFS(アクティブ クリック フィニッシュ システム)は結局射精できる場所は限定されているので有難みは薄いですね…アイデアは良いと思いますが「髪の毛に出す」などもっと自由度が欲しかった。 それと回想シーンでこのシステムは邪魔だと思います。 同日発売の『つよきす』(きゃんでぃそふと)のように回想モード導入部で射精場所を予め決めさせてからの方が良いのではないかと。

 まとめとしてはシナリオ展開やヒロインの掘り下げ描写が弱く、キャラ萌え度が低いことが悔やまれるが御都合主義ハーレムエロものとしては及第点。 キャラ描写に関しては上で愚痴ってはいますけど、未亡人の珠美さんが詐欺的に童顔なのを始め、全体的にヒロイン達は子供っぽい仕草や体形をしている可愛い系のキャラだし、声優さんの演技力のおかげで個人的な満足度は「それなり」…と言ったところでした。


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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