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Tick!Tack!
発売日:2005.09.16 / Navel
 CG枠は全て埋まったので一応コンプ。 いくつか差分が埋まっていないので100%ではありませんが、まぁこれは攻略情報が出揃った頃に再プレイすることにします。 プレイ時間は1stプレイで約4時間。トータル10時間前後かと。

 魔界のプリンセスである「ネリネ」と付き合い始めて半年になる主人公「土見 稟」。 ある日、ネリネの要望でお泊り会をすることになったが、友人の麻弓が魔法道具である鏡に触れてしまったことで一行は20年前の魔界へと飛ばされてしまう。 そして辿り着いた先の屋敷で若かりし頃のネリネの両親と出会うが主人公達がやってきた事で本来あるべき歴史が変わってしまい、その影響がネリネに出てしまった。 主人公達は歴史を正しい方向へ修復するため、暫く魔界に滞在することになるのだった…というあらすじ。


 前作『SHUFFLE!』のネリネEndから半年後の話で、時間移動の影響によって変わってしまった歴史を修復するために奔走するラブコメADV。 屋敷内の場所移動と選択肢によって進行するタイプですが、選択肢によってネリネの状態が以下のタイプに変化する場合があります。
 ・本来の母親(セージ)の婚期が遅れることによる幼女化(炉ネリネ)
 ・本来の母親が異なってしまうこと(アイ)による性格変化(赤ネリネ)
これらの発現タイミングは「ネリネメーター」によって視覚的に確認可能。

 ヒロインはネリネを含めて3人と少なめ。 ちなみに麻弓=タイムは今回も攻略不可で、しかもイベントCGすら存在しません…このあたりは原画の人が違うという事情があるのかも知れませんが、何らかのイベントくらいはあるだろうと淡い期待を抱いていただけに残念。
 エンディングは一応5種類…かな。 各種エンドを見るだけなら簡単ですが、先述した炉ネリネや赤ネリネを絡めたイベントが結構ある上に一部のイベントは発生条件がかなりシビアなのでイベントコンプする場合は難易度高め。

 シナリオ展開は…何とも突っ込みどころが満載。 それも時間移動で歴史に干渉することによる両時代の関連性とか理論とかではなく、それ以前の話の構成とかキャラの言動が不自然で違和感ありすぎなのです。
 まず前提として主人公はネリネと付き合っていて、かなりのバカップル同士だということは登場キャラ全員そのことを認識している。 そして恋人のネリネは本来の母親であるセージが魔殿下フォーベシィとくっ付かなければ存在が危険だということも主人公達は認識しているのだが、これらの前提条件がストーリー展開上でほとんど活かされていないのは流石に萎えた…。
 セージやアイに手を出せるのは個人的に歓迎ですが、ネリネという恋人がいる以上、他のヒロインに手を出す際はそれなりの大義名分なり葛藤なり後ろめたさのような描写があって然るべきだと思いますが、そのような描写はほとんど無し。 しかもセージとHしたら今のネリネがどうなるかなんて1秒でも考えれば解りそうなことも見事にスルーですよ。 そして赤ネリネが出現してしまった事に動揺する主人公…って100%お前のせいだろうが。 つか足枷になるような設定なら最初から用意するなっての。
 散々に過去を引っ掻き回してネリネが赤化や炉化しても動揺するのは最初だけで次のシーンでは「こっちのネリネもイイ」みたいな感じでHしてるし、挙句の果てにネリネがそんな状態で元の世界に戻ろうという話が出た時でも「仕方ないか」で済ましてしまう主人公はある意味大物なのかもしれませんが…全てが“行き当たりばったり”なその場のノリだけで構成されている感じで全体的なストーリ展開はボロボロでした。

 エロシーンはヒロイン一人あたり3〜4回発生します。 ゲーム開始直後がいきなりネリネとのエロシーン(巫女衣装)だったり、ゲーム期間が短いこともあってエロ発生率は割と高めに感じました。 個人的に3Pシーンが2つほど存在したことにかなり驚きましたが、大筋のストーリー展開から見ればかなり無理のあるシチュエーションなので人によっては萎えそう…、もし前作のような設定だったら私も大喜びしていたでしょうが今回のは使いどころを激しく間違えた好例と言えるかと。
 尺は萌えゲーとすれば標準的でテキスト描写などはエロさよりも主人公を立てようとするいじらしさとか健気さなどを感じるほうが強いので、萌えイベントの一つと捕らえた方が良いかもしれません。
 CGは構図の使い回しが多いのがかなり気になりましたが、中には炉ネリネなど個人的にヒットしたCGがいくつかあったのでまぁ良し(人としてはかなりアレだが…)。 声優さんの演技はネリネのフェラ時の唾液音とか悪くなかったので実用可、もしくはお気に入りのシーンの一つや二つは見つかるんじゃないかと思います。

 システムまわりは充実。ちょっとテキスト履歴の保持領域が小さいんじゃないかと感じたのが気になった程度。 CGは枠数で言えば55枠と少な目で、更にいくつかは構図が同じなのに別枠登録となっているので実際にはもっと少なく感じるでしょう。 ただまぁゲーム期間が短いので個人的にはこんなものかな…という感じですけど。
 BGMは『SHUFFLE!』の使い回しが多いです。だからちょっと価格が安めなのかな? もちろん新規の曲もあってOPやED、挿入歌などのボーカル曲はなかなか良かったですし、BGMではポップス系の曲がわりと印象に残ってます。 このメーカーさんって何気に良い曲多いんですよね。

 そんな訳でゲーム構成要素のうちキャラデザイン・音楽・音声・システムは良かったが設定とシナリオ展開が互いを相殺しあって凡作以下になってしまった印象を受けるゲームでした。 私自身が期待していたのは正直言って萌えのみで、シナリオは正直どうでも良いかなとすら思っていたのですが、キャラ造形は良いものの萌え方面もシナリオ同様に単発系のものが多く、継続してキャラに萌えるにも一定以上のシナリオや設定による下地が必要なんだなぁと感じました。 まぁ前作をそれなりに楽しめてヒロインキャラへの思い入れも最初からあったのである程度は楽しめましたが、前作のネリネルート未プレイだとちょっと厳しい内容かも知れません。


以下、キャラごとの雑感。


ネリネ
 前作からのヒロインで魔王フォーベシィとセージの娘。 学園では親衛隊がいるほどだが主人公への一途さは信仰に近いものがあって男としては非常に優越感に浸れるヒロイン。 故に主人公の感覚が麻痺したのかも知れんが(笑)。
 今回はほとんどエロ要員という感じですね。 リコリス絡みのイベントがあったけど、かなり強引に感じました。 炉ネリネ・赤ネリネ状態での主人公との関係をもう少し描いて欲しかったです。

セージ
 魔王邸のメイドで後のネリネの母親となる女性。娘と違って胸は小さい。 鈴平絵効果もあって膝枕などのちょっとした仕草で可愛らしさを感じたりもするが、やっぱりフォーベシィのおっさんとくっ付けるのが一番安心できる展開かな。 つか主人公とHした展開だとエピローグでもその後が不明なのが凄く不満なんですけど…。 バッドエンド扱いってことなのでしょうかね。

アイ
 魔殿下フォーベシィの婚約者。 おっとり系だがフォーベシィの気持ちがセージに向いていることに気付いている。 アイと主人公がHする分には設定を考えれば有り得る流れですけど、その際のお互いの心理描写があまりにも無さすぎなのがマイナス。 ただ、エンドは一番良かったんじゃないかな。 もしこれの続編が出るようなら是非アイEnd後の設定でお願いします。 もちろんシアや楓や亜沙先輩やカレハ先輩も再登場させたハーレム展開を希望(笑)。


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO