Rascal・改 − Game Impression
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Really?Really! リアリ→?リアリ→!
発売日:2006.11.24 / Navel
 全CGを埋めてコンプ。所要時間は12〜13時間ほどだったと思います。

 主人公「土見稟」と芙蓉楓が結ばれてからしばらくの後、プリムラの魔力暴走により楓の記憶が改変され、いつ目覚めるかも分からない眠りに付いてしまった。 楓を救うためには楓の精神世界に入り込んで改変された記憶を修正しなければならない。 主人公達は楓を救うため楓の精神世界へと潜り込むのだった…というあらすじ。


 『SHUFFLE!』の楓エンド後日談にあたる話。 ほぼ一本道シナリオのADVですが、楓の記憶を修正するには正しい記憶へと導くためのキーワードが必要となり、そのキーワードは別の記憶の中で取得できるものがほとんどなので複数の記憶世界をほぼ同時に進行させていく必要があります。 例えば付属校時代の記憶修正に必要なキーワードがガーベナ学園時代で取得できる…という具合。 そして楓との会話の中で事実と異なる箇所があると「Reallyゾーン」へと突入するので、その間違った箇所を取得したキーワードの中から選んで指摘することによって記憶が修正されていきます。
 ただし指摘できる回数は決まっていて一定回数キーワードや指摘箇所を間違えるとバッドエンド。 まぁバッドエンド後でもCG・回想モードは開放されるしバッドのみで見れるCGもあるので早めに見ておいた方が良いかも知れません。 難易度的には『SHUFFLE!』プレイ済ならそう難しくは無いと思われます。


 本作の構成的には楓の「ショートエピソード集」といった感じで、各エピソード間にはストーリーとしての連続性はほとんどありません。 もちろん同一キャラの記憶なので各記憶ごとの関連性はありますけど、感覚的にはいくつものショートエピソードをぶつ切りで見せられていくのでSHUFFLE未プレイだと流れに付いていけない可能性大。 逆にプレイ済なら楓シナリオで出てきた過去のエピソードが詳しく語られていく本作は一見の価値があると思います。 まぁ要するに『SHUFFLE!』プレイは必須ですな。 あとセージさんも出てくるので『Tick!Tack!』の方もプレイしておくに越したことは無いでしょう。

 んで、本作の見どころは楓の過去…というものありますが、それ以上に今回は“改変された”記憶世界ということで楓エンド後ではありえない展開が目白押しなのですよ。 具体的には亜沙先輩・撫子先生・真弓=タイムらと主人公が付き合っていたり、新キャラ幼馴染の八重桜やプリムラとのエロシーンがあったりするのです。 亜沙先輩はロングヘアになってるし、撫子先生は処女だったりするし、真弓は前作ではイベントCGが一枚も無いという無念を晴らせたし、桜の健気さもなかなかに強烈です。
御都合主義万歳!
 更に今回はSHUFFLEのレギュラーキャラ全員で精神世界へ入り込んでいるため、改変された記憶内でHして戻ってきた時もその行為を覚えていて、気まずそうに顔を赤らめつつ「りんちゃんのってホントにあの大きさなの?」とか聞いてくる仕草が何とも可愛いです。
 ただし先に挙げたキャラ以外…要はネリネとシアの二大プリンセスは今回完全に脇役。 ネリネはまぁ前作のメインヒロインだから仕方ないとしてもシアは不憫ですね。 これは「待て次回」というヤツでしょうか。まだこのシリーズで毟り取るつもりなのか


 脇キャラメインのご都合主義展開の事ばかり書いちゃってますが楓メインの話としてもなかなか良かったです。 跳び跳びではありますが主人公と楓との出会い、楽しい幼少期、例の事故から始まる空白期間、そしてその空白期間の終わり…と要所での見せ場とその時の楓自身の心情がしっかり描かれていたと思います。 とりあえず楓の信者な人は「りんなんて死んじゃえばいいんだ!」のイベントCGを壁紙にすべし。
 まぁホントはSHUFFLE本編でこれを描いてくれるのが一番良かったんですけどね。 一応今回は脇役や新キャラにも結構な見せ場が用意されていたので個人的には好印象を抱いています。


 エロシーンは各キャラ2〜4回程度。内訳は以下。 全体的に主人公が早漏なので今ひとつ実用性は低く感じられました。 一部では2回戦にも突入するしキャラへの思い入れが高ければ使えるかも知れません。
芙蓉楓:回想数3
 春夏秋の各季節ごとの私服からはじまる普通の恋人同士のHという印象。
八重桜:回想数2
 光陽学園(中学)セーラー服と女子校制服でのH。 前者は破瓜描写、後者は屋上からのしぃしー描写あり。
時雨亜沙:回想数4
 ひとつはフェラのみ。学園祭ネコミミ喫茶コス、制服、風呂。 最後のは亜麻さんも加わるが亜麻さんへの挿入は無いし、中の人の都合でエロシーンでは喋らないw。 ちなみに全てロングヘアでのH。破瓜描写もあり。
プリムラ:回想数3
 ひとつはスマタでひとつは自慰。 スマタ時のプリムラは髪をストレートに下ろした状態。 挿入時のコスはスク水。破瓜描写あり。
真弓=タイム:回想数2
 私服での公園内青姦、学園祭コスでの指導室という2パターン。 前者は破瓜描写、後者は足コキあり。 ペタ胸を売りにしているキャラだが洗濯板というほどでは無かった。 がっかりだよっ!(桜塚やっくん風に)
紅薔薇撫子:回想数2
 体操服姿で保健室、スーツ姿で指導室の2パターン。 前者は破瓜描写あり…っていうか性格が違いすぎてなんか笑ってしまったのですが…。


 システムまわりはスキップが遅かったりメニューを出すときに多少もたつくのが気になりましたがコレといった問題もなく安定してました。
 CGは差分抜きで114枚ほどとそれなり。 塗り的にも問題なく立ち絵にも新パターンがいくつかあって割と満足。
 音楽も相変わらず良好ですね。前作や前々作からの使い回しもありますが楓のテーマ曲はやっぱり「雨上がりの朝に」じゃないとしっくりこないので無問題。 主題歌・挿入歌・エンド曲も気に入ってます。 OPムービーも相変わらず矢印が飛びまくってました。


 とりあえず『SHUFFLE!』をプレイ(またはアニメを視聴)している事…という前提条件が付きますが、『Tick!Tack!』のようにシナリオが崩壊しておらず、前二作を含めて一番上手く纏まっていたと感じました。 また楓だけでなくサブキャラや新キャラ目当てでもそれなりに楽しめる作品に仕上がっていて満足度は結構高め。 ぶっちゃけ個人的には桜だけで元取れましたよ。


私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

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