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はぷにんぐJOURNEY
発売日:1998.02.20 / EuphonyProduction

◇ あらすじ

 冬休み間近の12月、主人公「甲斐 正晴」は悪友の「高木 一巳」から北海道へスキーへ行こうと持ち掛けられる。 正晴はスキーには良い思い出がなく乗り気では無かったが、ずっと想いを寄せていた幼なじみ「七瀬 夕季」とテニス部のパートナー「清水 美紀」もスキーへ誘うことを提案された為、OKすることになった。 さらにその話を聞きつけた「和乃」「麻衣」と担任の「深谷 理香」まで旅行に加わることになる。 それぞれが皆、秘めた想いを胸に抱きつつ旅行までの期間を過ごしはじめる。


◇ ゲーム概要

 恋愛SLGとのことですが、ほぼ完全にADVです。 12月8日〜27日の旅行までの間にお目当ての女の子の好感度を上げることによって旅行中はその女の子とのイベントが進んでいくことになります。
 『はぷにんぐJOURNEY』というタイトルの割りには旅行中がメインでは無く、旅行までの期間の学校生活がメインとなっており、旅行に突入すると後はエンディングまで一本道です。

 ゲームの難易度はかなり低く、OnlyPlayをすれば攻略出来ないキャラはいません。 但しキャラによっては一度の攻略では全てのCGを見れませんでした。


◇ システム

 アセンブラージュ系の新ブランドで、同系列のゲーム同様「ArchAngel Ver.3」というシステム上で動作しています。

 セーブ個所は6ヶ所でセーブ/ロードは決められた時しか出来ませんが、それほど苦痛には感じませんでした。 メッセージスキップもサウンドエフェクトもありシステム面では過去のアセンブラージュ系ゲームに比べかなり良くなっています。 おまけ機能としてCGモードとHシーン回想モード、そしてCGモードでBGMが自由に選択出来る為、音楽モードも含まれてました。


◇ グラフィック

 フルカラーCGのためハイカラーで見ると少々グラデーションが粗く見えます。 原画は『SweeperS!』と同じ「沢杜いつむ」さんが原画担当という事で結構好みでした。 背景が実写取り込みなのは、まぁ私は良いと思います。 ただCGの枚数が結構少ないのと画面の切り替わり時に結構もたついたような気がしました。


◇ サウンド

 MIDIでGM音源とXG音源が選択出来ます。 それとこのゲームCD2枚組ですが1枚は完全に音楽CDとなっています。 曲自体も概ね良いものばかりですのでこういうサービスは個人的に非常に嬉しいです。 挿入歌とED曲でそれぞれボーカル曲があり、EDの「ミスホワイトに口付けを」は結構お気に入りです。
 音声も主人公以外フルボイスで演技も全員かなり上手いと思いました。


◇ 感想まとめ

 このゲームが出た当時、多くのエロゲはコマンド総当りで進行させたり、エンディングを見る条件が厳しいものがほとんどでした(まぁ少ない容量でプレイボリュームを出そうとすると、そうするしか無かったのかも知れませんが…)。 そんな中、1プレイ1〜2時間でハッピーエンドを見れるこのゲームは個人的にかなり新鮮に感じたものです(笑)。

 物語的には主人公に好意を持っている女の子達が他のヒロインに遠慮したり劣等感を感じて気持ちを抑えていたが、主人公と多く接していくうちに段々と気持ちが抑えられなくなっていく…という恋愛もの。 主人公を奪い合うような修羅場は無く、誰と結ばれても他ヒロイン達は皆祝福してくれるという…良く言えば「まったり」悪く言えば「起伏が無く退屈」な展開と言えますな。
 シナリオ分量に関してはやはりボリューム不足を感じはしましたが、ストレスなく進行していくストーリーは心地よいものがあって好感触でした。

 登場するヒロインは5人と少な目ではあるものの、面倒見の良くて控えめなメインヒロインの「夕季」をはじめ、どのキャラもなかなか魅力的に描かれていてキャラ萌え度も高め。

 ただ、主人公はかなりのモテっぷりで登場するヒロインのほぼ全員が初期状態から主人公を好いてるのですが、「美紀」のシナリオ以外ではヒロインが主人公を好きになった経緯が描かれて無かったのはちょっと不満かなぁ。
 それと『SweeperS!』の時も書いたような気がしますが、テキストに辻褄が合わない事が相変わらずありました。 毎日部活に行ってたのに「ずっと部活に来ないんだもん」とか言われた時は「おいおい…」と突っ込みたくなりましたし…。 他にもテキストとCVが違ってたのもありました。

 相変わらず粗は結構ありますし、先にも書いたように山場のないストーリー展開は、シナリオも萌え度も高水準なゲームが多数出ている今となっては物足りないものがあると思います。 ですが肩肘張らずに魅力的なヒロインとのまったりとした展開は、当時はかなり新鮮に感じて楽しめたことは事実。 プレイ時期や精神状態によってかなり評価が別れそうではありますが、個人的にはシナリオボリューム以外で高い満足感を得られたタイトルでした。


私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

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