尽くしてあげちゃう |
発売日:2000.02.25 / TRABULANCE |
◇ あらすじ
自称“硬派”の主人公「矢島辰也」はとある理由から怪我をし、入院するはめになった。
そんな主人公に密かな想いを抱く何人かの女の子達は彼の見舞いに訪れるが、そこで同じように主人公に想いを寄せる娘達と鉢合わせて大焦り。
なんとか主人公を自分に振り向かせようと女の子達は様々な手を使って誘惑してきます。
「私にしかできないことをしてあげる!」
「恥ずかしいけど何だってしてあげちゃうんだから!?」
…果して主人公の運命や如何に?
◇ ゲーム概要
ゲーム構成は幾つかの選択肢を選んでいくと5人のヒロインの誰か一人のイベントが発生し、出会ったヒロインとのイベントを消化すると1日が終了。
という事を5〜6回繰り返す感じになるのですが、基本的にオンリープレイに徹しないとバッドエンドとなってしまうようですね(例外もありますが)。
また、1日単位で話は進みますが間隔はまちまちで、あるイベントの後は一週間経過といった感じで特に日付や期間は無いようです。
イベントはほとんどエロシーンです。
選択肢の内容はその前に発生したヒロインのイベントによって若干変わる事もありますが難易度は低め。
1プレイ時間は1時間くらいでしょうか。
◇ システム
インストール容量は約230MBで他の選択は出来ません。
後はOPムービーを見るのにDirectX Mediaが必要になるようです。
画面サイズはデフォルトでフルスクリーンですがメニューから何時でもウインドウモードに変更可能。
メッセージは表示速度を好みで調整できる他「TE-BURAモード」という文字通り手ぶら状態でもメッセージを勝手に送ってくれる機能が備わっているので ゲーム中に両手を空けたい人でも安心(?)もちろんメッセージスキップもあります。
ただ既読チェックは無しですし、バックスキップもありませんでした。
セーブやロードはゲーム中なら何時でも計30ヶ所まで登録可能。
その時のイベント内容も簡単に表示してくれるのは有り難いですね。
でも共通イベントの場合は誰を狙ってる時のイベントかは判らないので、その辺はプレイヤーが各自で管理する必要がありますけど。
◇ グラフィック
原画は「志水直隆」さん。
トラヴュランスの前作『魔女っ娘シルク』と同じ方ですね。
キャラは結構可愛く描かれていて好みなんですけど、なんか髪型意外は似通ってる気がしないでもないですね。
でも表情なんかは数パターンあって良い感じでした。
CGとしてはなかなかレベル高いと思います。
背景なんかもよく描かれていて、特にガラスとか(色々な)液体とかは上手いと感じました。
枚数は若干少な目な気はしましたが、まあ概ね満足してます。
ちなみにOPではムービーが再生されますが、これが画像と曲の演出が合っていて良かった。
ただ…私の環境ではBGMが再生されませんでしたけど(苦笑)。
一応CD内のファイルを直接再生できるのでまあ良いかな…と。
CGモードは各キャラ毎にサムネイル表示で一度何らかのエンディングを迎えればトップメニューから入れます。
他にもエロシーンやエンディングの回想モードもありました。
◇ サウンド
CD-DA再生の全15曲。
ただし1日の終了時にかかるアイキャッチを除くと14曲です。
…予想外…と言っては「黄昏の夢」さん(音楽スタッフ)に失礼ですけど、思ったより良い感じで満足。
OPでかかる「POWERFUL GIRL'S」やキスシーンなんかでかかる「あなたの為に」あたりは特に気に入ってますが、主題歌の「尽くしてあげちゃう」もなかなかです。
ただ出来ればEDあたりは違った曲にした方が良かったかなぁと思います。
CVは無しですがアイキャッチの時に「尽くしてあげちゃう!」って声が入ってました(笑)。
音楽モードはCGと同じ条件で入れます。
◇ 感想まとめ
ゲームを構成するパーツのうち、システム、CG、BGMはなかなかのクオリティだったと思います。
デビュー作の頃に比べると素晴らしい進歩なんじゃないかと(苦笑)。
中でも特に目を引いたのが画面構成のセンスの良さですね。
私は一応Webページなんてものを立ち上げてる関係上からか、デザインやレイアウトといったものを結構気にしてしまうんですけど、ゲーム本編の構成はともかく(ぉぃ)おまけメニューやその他もろもろの画面構成は秀逸だと感じました。
ちょっと参考にしようかな…。
…ってこんな事を書いてるとゲーム本編は駄目駄目みたいですけど、そんなに酷いって事は無いですよ。
但し序盤はバカゲー、終盤は恋愛ゲーとして見ると…という条件が付きますけど。
序盤の展開はヒロイン達が主人公の気を引こうと色々と色仕掛け(?)を仕掛けて来るんですが、やってることはバカなので「なんでそういう展
開になるの?」とか疑問に思ったり考え込んでしまうと思いっきり外すと思います。
なお、この序盤の段階だと本番はお預け状態な上に二股プレイなど複数ヒロインに手を出すと一部を除いてバッドエンド直行なのでつまみ食い(入れ食い)ゲームを期待するとちょっと肩透かしを食らうと思います。
ええ…もちろん私は肩透かし食らいましたよ…(遠い目)。
作品タイトルやあらすじから、大勢の女の子に囲まれてウハウハ…な展開を期待していた身としてはこれが一番の不満点だったりします。
肝心のエロシーンもテキスト描写に難ありと感じました。
弁当イベントの時など主人公のナニを差してウインナーとかフランクフルトとか言うなよ…。
なんか萎えるというか…センス無いなと感じました。
終盤はなかなか王道通りの恋愛ゲーといった展開で、特別ドキドキするようなドラマがある訳じゃないけど結構純愛していて良いんじゃないかと。
特にエンディング後に出るヒロイン視点から見た本編イベントはヒロインの心理描写を良い感じにプレイヤーに伝えることができてたんじゃないかなぁと感じました。
ただ、序盤とのギャップが少々気になった…というかどちらも中途半端に感じられるのでバカゲー方面か青春純愛物かのどちらかに絞った方が良かったのではないかと。
個人的にはバカ方面よりも恋愛系の方が良く感じたので、次回は恋愛系で行ってみて欲しいところ。
まぁぶっちゃけ抜きゲーとしてもバカゲーとしても恋愛ゲーとしても見事に中途半端な印象って所ですな。
あと、この手のゲームで音声無しはかなりマイナスでした。
素材は良いけど何か色々と足りなかったりズレたりしている…ってとこでしょうかね。
◇ お気に入りキャラ
約1名ほど属性外のキャラが居ましたが(私はゲームではメガネ属性が無いので)他キャラは皆それなりに気に入りました。
敢えて一人を挙げると主人公に惹かれた経緯がちゃんと描かれている「国府田 薫子」でしょうか。
設定的には幼なじみの「三津邑 愛里」も気に入ってます。
私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆
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