Rascal・改 − Game Impression
[メニュー枠OFF]

花暦
発売日:2000.11.30 / cyc

◇ あらすじ

 幼い頃に慣れ親しんだ祖父の庭園。 花の精霊たちが住むその思い出の庭園も、今では世話をしていた祖父が病で倒れ、入院してしまったために荒れ放題となっていた。
 主人公「桜庭直樹」はそんな祖父の代わりに庭園を世話するため、妹の絵里花と共に祖父の家へ泊まり込むことになるのだった。


◇ ゲーム概要

 ガーデニング恋愛シミュレーションということで、主人公は庭園の世話をしつつ、そこに住む精霊達と仲良くなっていこうというのがゲームの内容。 基本的に平日は庭園の世話をして、週末は精霊とのデート、もしくは他ヒロインに会いに行くことでゲームが進行していきます。 以下、このゲームでの主な特徴として…
 ・庭園内では花の成長が早く、大体2日で1季節、8日で一年分経過する
 ・庭園内の花壇や置物の配置は主人公が自由にレイアウトを設定できる
 ・花や置物の種類は月一の庭評価後や花屋に一人で行くことで増える
 ・庭評価のランクが上がると資金がより多く入ってくる
 ・ガーデニングパートでは「手入れ」と「水やり」の二通りを駆使する
 ・お邪魔キャラでネコが存在し、コイツが花壇に入ると手入れ度が減少
 ・精霊は「元気度」というパラメータが低いと遠くまで出かけられない
 ・精霊の元気度は庭園の「花エナジー」が高いほど上昇率が上がる
 ・花エナジーは花の種類や花壇の面積によって異なる
 ・イベントはデート先や時期が限定されているものが多く、難易度は高め
 ・ゲーム期間は6月上旬から10月下旬の約4ヶ月間
といったところでしょうかね。 こうして並べて見ると複雑そうですが、ホントに結構複雑です(笑)。


◇ システム

 インストールは標準で200MB、最大で700MBほど必要になってます。 最大インストールすればメディアレスで起動可能になるのはマル。
 画面サイズは640×480の窓とフルスクリーンの二通りから選択可。 メッセージは速度調整ができるしスキップも未読チェックしてくれるのであり難いかったです。

 セーブやロードはデート先の選択画面以外ならいつでも可能で、計84ヶ所まで登録できるようになってました。 しかもセーブした時の画面状態もそのまま保存してくれるので、再開時に非常に判り易くて良いです。


◇ グラフィック

 原画は「如月かん奈」さん。四角っぽく見える目が特徴的でした。 前作もそうでしたが個人的には結構気に入ってる絵柄です。

 CGに関しては、全体的に塗りは丁寧だし、各キャラの立ち絵は表情パターンが豊富だし、庭園のオブジェクトも細かく描き込まれていたし、一枚絵の枚数も(3人の精霊に限っては)豊富で満足行く出来でした。 逆にサブヒロイン達は少なすぎ…。
 CGモードはトップメニューのおまけから入れます。 キャラ毎にサムネイル表示され、達成度も表示してくれます。 エロシーンの回想モードもあり。


◇ サウンド

 MIDIで曲数は30曲。 各ヒロインのテーマ曲などは好感度やイベントによって別アレンジバージョンがあったりしてなかなか良かったと思います。 ただ「お気に入りは?」と聞かれても特に思い浮かばないんですけどね。

 音声は攻略可能なヒロインのみ入っています。 演技の方はどのキャラもなかなかレベルが高いのですが…各シナリオで攻略不可のヒロインがよく絡んでくるので、どうせなら女性キャラは全てに音声が欲しかったところですね。
 音楽モードはトップメニューのおまけより入れます。


◇ 感想まとめ

 ガーデニングパートはホント良く出来てます。 慣れるまで少々戸惑うかもしれませんけどガーデニングの知識がなくても作業的に「手入れ」と「水やり」だけなので直ぐにゲームのコツは掴めると思います。 庭園を彩るオブジェクトも洋風・和風・南国風…そして妖しい系と豊富に用意されていて、この辺りに結構凝ってしまう私なんかはかなり満足できましたよ。

 ただ繰り返しプレイしていると中盤あたりでほぼ完成形になってしまうので後半が少々ダレてしまうのが惜しいところですね。 画像をキャプチャしてメーカー主催で庭園コンテストとかあれば面白いかったかも…。 余談ですが、隠し的に某STGでお馴染みのスペシャルフラッグとかピラミッドなどがオブジェクトにあって、こういう遊び心は大歓迎でした。 できればナスカの地上絵も欲しかったところですな(存在するのかも知れませんけど)。

 メインを張る3人のヒロイン達は母性パワー全開のアルメリア、最初は無口だが中盤以降で元気少女になるミント、大和撫子風の更科…とほぼ3人ヒロイン時の典型で、イベントやストーリーの流れとかも各属性に合ったものになっているのですけど…逆に言うと意表を付かれるような展開がなく、各キャラの破壊力も少々弱めかなぁと感じられました。
 前作の『青の扉 白の鍵』でもキャラに対する思い入れや萌え度は低めだったので、今後このあたりの課題をクリアできればシステム・CGが文句無い出来なだけに大化けしそうな気もするんですけどね。

 エロシーンはメインの3人はエンディング直前に一回と、ゲーム中盤に一回(こちらは必須ではない)の計二回。 サブヒロインはエンド直前の一回でした。
 シーン自体は使用してるCGが多めだし声優さんも頑張ってるのでなかなか良い感じでした。 ただ…エロシーンに至るまでのゲーム期間が長いのが難ですね。

 そんな訳でまとめると「ゲームとしては非常に良い出来、ただキャラゲー(又はエロゲー)としては厳しい」と言ったところでしょうか。 この辺り、例えばガーデニングで最高ランクを取ると精霊たちが発情する…とかいう設定だったらガーデニング部にも気合が入ると思うんですけどね。エロゲとして出す以上、こっち方面の演出にもっと気を使って欲しかったです。


◇ お気に入りキャラ

 3人の精霊たちはどれも甲乙つけ難いです。 強いて挙げるなら夏の花の精「ミント」でしょうか。 サブヒロインも含めれば断然「絵里花」なんですけどね(笑)。 絵里花はシナリオ内容から言ってもメインを張れると思うんですけどねぇ…というかもっと「エリカ」絡みのイベントが欲しかったです(謎)。


◇ 備考

 所要時間: 1プレイ1.5〜3時間 × 6回


私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO