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プリンセスうぃっちぃず - .....a princess ,which is? -
発売日:2005.05.27 / PAJAMAS SOFT
 全CGが埋まったのでコンプ…かな。コンプまでの所用時間は約30時間と言ったところ。 ただバトルを攻略記事参考してプレイすることで所用時間は大幅に減らす事は可能です。

 ヒーローに憧れ目指している主人公「御堂真樹」。 そんな彼の学園では夜に女学生が何者かに襲われるという事件が発生していた。 自称ヒーローである主人公は当然事件を解決するべく夜のパトロールに出かけるが、そこで彼が見たものは巨大なドラゴンと、それと主人公との間に割って戦った一人の少女「クルル」の姿だった。 クルルに運命的なものを感じた主人公は即告白、しかもそのときに誤ってキスしてしまったことでクルルの魔力が失われてしまった。 主人公は魔力を失ったクルルをサポートするべく共に戦い、見事ドラゴンを倒すのだった…という出だしで始まる魔女っ娘ADV。

 ゲームはオーソドックスな選択肢と物語中に発生するモンスター(マジモン)や敵キャラとのカードバトルを行っていくことで進行します。 選択肢によるシナリオ分岐はごく一部のみで、ほとんどはヒロインの「ごきげん度」をアップさせる為のものでした。 ごきげん度の高いキャラは戦闘でそのキャラ固有の技が出易くなる…というもの。 従ってシナリオ展開はほぼ一本道であり、ごく一部で派生エンドやヒロイン分岐がある程度です。 ちなみに物語は章立てになっていて各話の合間に予告とOPムービーが流れます。

 カードバトルは「火」「水」「雷」の三竦み属性を使ったカードジャンケンが基本で、それに「闇」と主人公の「反射」を取り入れたもの。 先に敵のカード属性がわかるので少し後出しジャンケン風味ですが、大魔法と小魔法、それとコンボによるダメージ上乗せ効果などもあり、なかなかに楽しめるものになってると思いました。 こういうのって簡単すぎるとすぐ飽きがきてバトルそのものが鬱陶しくなるし、難し過ぎてもプレイ意欲が衰退する恐れがあるのでバランス配分が難しいと思うんですが、このゲームに限っては上手く難易度を調整して絶妙なバランスだったんじゃないかと思いますよ。 パーフェクトを目指そうとするとメモ書きや攻略記事が必須になりますけど。

 物語の序盤は学園での「魔女っ娘委員会」設立やその後の活動内容など、コメディタッチで非常にノリとテンポの良い展開になっていてプレイ感は良好。 主人公を含め、各キャラクターの個性が強く出ていて、会話一つ見てもそれぞれの持ち味を上手く活かしたやり取りが多くて楽しめました。 特に委員長の不運っぷりが良い味出してます。
 それと演出面も素晴らしいものがありました。 単純に立ち絵パターンが多いだけでなく、ウインクした目から☆がこぼれたり、ごまかし口笛を吹くときに♪が浮いてたりと立ち絵に動きがあるし会話に合わせてSE挿入やテキストウインドウを変化させたりと言った効果が上手く使われていて好印象。
 更に放課後や寮での生活などの雰囲気作りも良かった。 放課後の委員会活動で主人公と委員長が話してる後ろで「放課後休みはウキウキウッチィズ♪」とか延々とクルルが歌ってるのが放課後の開放感を上手く演出してたと思うし、寮でのおひつ当番やティッシュによるサインなど物語の本筋とは関係ないやり取りが鬱陶しさを感じさせずに楽しい寮生活を描ききっていたと感じました。
 スタッフ達が楽しんで作ったのか、それともプロデューサが妥協をせずに細かく指示を出したのかは判りませんがプレイヤー的には細かい演出まで凝っていて居心地は良好。

 ただ…これは『パティシエなにゃんこ』でも感じたことなのですが…魔女っ娘ものということで変身シーンが随所にあり、個人的にはこれを見るのがめちゃくちゃ恥ずかしかった(苦笑)。 そんな買う前から予想がつきそうな事を買ってから何言っての?って感じですけど…恥ずかしいものは恥ずかしいんじゃい!(逆ギレ)
 客観的に見れば変身シーンは鬱陶しくないくらいの長さだしキャラごとにBGMが異なっていて凝っていると思うんですけど、変身シーンが流れる度に「あ゛あ゛ああぁぁぁぁ…」と深夜の自室にて恥ずかしさの余りにのたうち回るエロゲヲタが一人…というアホすぎる図が出来上がっていました。 好きな人には萌えなシーンなのかも知れませんが、私には試練でしたわ。 普通の甘ったるいラブコメ展開なんかは全然平気なのに、自分でも不思議ですよ(まぁ思い当たる原因はあるのですがここで書くことは控えます)。

 中盤以降はクルルの生まれ故郷である「魔女界」へ行く流れになるのですが、こちらは前半の学園パートと異なりシリアス調な展開。 前半のノリツッコミな流れに慣れたところでのシリアスパートなので少々戸惑いはしましたが、「正義と悪」「真実と嘘り」「過去と未来」など、このパートで描かれている話の展開やテーマなどは割と惹かれるものがありました。
 少々ネタバレになりますが、このゲームは実質3回「はじめから」プレイすることになります(もちろん共通パートはスキップできますが)。 この辺の構成がちょっと賛否別れそうかなと思いました。 個人的には「失敗したからもう一度」で、「やることがあらかた判ったから、じゃあ改めて」はヒーローとしてどうかなぁと言ったところでしょうか。 見せ方としては面白いと思うし、“失敗”時の展開も衝撃的で見ごたえがありましたが…ぶっちゃけ「反則」じゃないかなぁ…と思う訳です(苦笑)。 実際、最後のハッピーエンドに至る流れは先の展開がわかっているだけに退屈に感じてしまいました。 3周する構成を割り切って、最終ルートを「長いエピローグ」と考えればまぁ良いかな(笑)。

 エロシーンは一人あたり3〜4回と言ったところ。 割と序盤から中盤の学園パートのほうで集中して発生します。 逆に言えば後半になると全く発生しなくなるのでバランスが悪く感じますね。 後半のシリアスパートでエロシーンが発生しても特に不自然に感じることはないと思うので前半だけに偏ってることは残念ではあります。
 シーン自体は私の予想より遥かに良く、濃厚で使えるシーンが多かったのが嬉しい誤算。 最初にクルルと風呂場での素股は普段の無邪気な言動とのギャップや性知識の無い無垢さに加え、声優さんの喘ぎ声演技が素晴らしかったこともあって下手な抜きゲーよりもよっぽどエロく感じてグッド。 個人的には他にかれんのフェラ描写が「いつまでしゃぶってるか!」と言うくらい圧倒的な唾液音の波に飲み込まれて良い感じでした。

 一応最後にまとめておくと「細かい不満点もあるが全体的に高いクオリティを保っている良作」と言ったところ。 魔女っ娘もののノリに合う・合わないと言った個人的な趣味嗜好はさておき、このクオリティの高さは他のメーカーも是非見習って欲しいところですね。 ややプレイヤー置き去りな展開の上に少々スケールが大きくなりすぎてしまったかなぁと感じはしますが、アニメや漫画を楽しむ感覚でプレイする分には満足できる流れになってると思うし個人的な満足度も割りと高めです。


以下、キャラごとの雑感(ネタバレ無し)。


クルル
 魔女界のプリンセス。 魔女っ娘委員会のボケ担当で無邪気で元気な言動はなかなか癒されました。 終盤でヒロイン確定したあたりでもエロシーンが欲しかった。

委員長
 ハッピーエンド迎えても名前が出てこなかった(笑)。 魔女っ娘委員会のオチ担当で何かと割を食う流れが不憫といえば不憫ですが、そこが良いところ。 使い魔との契約時のセリフ「第一印象から決めてました。私の使い魔になってください!」は笑った。

雀宮 林檎
 主人公の幼なじみ。 魔女っ娘委員会のツッコミ担当でノリの良いやりとりが印象に残るのはこのキャラの功績に寄るところが大きいです。 個別エンドは一応ありますが、本筋と外れる流れなのが、仕方ないとは言え少々不憫。 どうせなら妹の一恋とのエンドも欲しかったかな(笑)。

春日 かれん
 クルルの後に転入してきた怪しい生徒。 「どがーん」が妙に耳に残ってます(笑)。 おまけシナリオがあるものの、個別エンドが無いのが残念。

私的満足度: ★★★★★ ★★★☆☆

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