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冬虫夏草
発売日:1998.07.17 / ぷち

◇ あらすじ

 とある地方の町ではここ最近、猟奇的な連続殺人事件が発生していた。 その手口はまるで何者かによって食いちぎられたように体の一部が失われているというものだった。 そんな町に10年前に引っ越してきた主人公「檜山 俊夫」は極端なまでの内向的な性格が災いしてか学校でも言われ無き暴力を受け続けていた。 しかし俊夫自身はまだ気付いていない。自分の中に潜むもう一つの意志の存在に…。


◇ ゲーム概要

 ゲームはマルチシナリオ、マルチエンドのADVです。 ゲーム中の選択肢によって幾つかのシナリオに分岐していきます。 そして各シナリオ内でも選択内容によってエンディングが別れます。

 メインとなるキャラクター(ヒロイン)は4人でそれぞれにシナリオが用意されています。 サブキャラも4人いますがルートによってはほとんど登場しません。 しかも、サブキャラ達はほとんど陵辱要員として存在してる感じなのがなんとなく不憫でした。


◇ システム

 アセンブラージュ系のゲームで既にお馴染みの「ArchAngel Ver.3」で動作しています。 画面サイズは640×480の窓モードとフルスクリーンモードがありますが、窓モードでも640×480の領域以外は全て塗りつぶされてしまいます。

 セーブは全部で10ヶ所に登録可能でメッセージスキップ等の必要な機能は一通り揃っていると思います。 おまけとして、CGモードと音楽モードがあります。


◇ グラフィック

 キャラクターデザイン、原画は「てんざる」さん。 個人的にはツボにはまった絵という訳ではありませんでしたが、キャラの立ち絵などは感情によってコロコロと表情が変化したりとなかなか良かったです。
 CGは全てフルカラーで描かれていて枚数も200枚以上と結構多くて満足出来たと思います。


◇ サウンド

 MIDI音源のみで全部で12曲です。 曲自体はゲームの雰囲気が良く出ていて良いのですが、もうちょっと曲数があった方がよかったかな? 特にOPタイトル曲とED曲が同じというのが少し残念でした。
 音声は主人公以外フルボイスで、演技の方はかなりレベルが高くて良かったです。


◇ 感想まとめ

 私が今までプレイしたアセンブラージュのゲームは今のとこバグの発生率100%を誇ってまして、今回も何かあるだろうと思ってましたが…やっぱり有りました。 ヒロインの一人「タキ」のシナリオの最後の方でテキストと音声が違うというお約束の物から、セーブするとその次のセーブデーターを破壊してしまうという凶悪なものまで色々と。 特に後者の場合は破壊されたデータをロードしてしまうとゲームが強制終了してしまうので始末が悪いです。

 肝心のゲーム内容ですが、雰囲気や展開はリーフの『痕』に似ていると感じましたが、結構良かったと思います。 選択肢によって複数の物語に分岐するマルチシナリオADVで「タキ」のシナリオがちょっと番外編っぽいなぁと感じるものの、どのシナリオも物語の本筋から外れる事なく、特にこれといった矛盾点もなく良くまとまっていると思いました。 キャラも「幼なじみ」「妹」「巫女さん」とツボを押させたラインナップで魅力も良く出ています。 それだけにバグの存在が非常に残念ですね。

 感動という点ではちょっと弱いですが、1Play時間が1〜2時間程度とプレイしやすいので『痕』が気に入った方やシナリオ重視のゲームを求めてる方にお薦めかと。


私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

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