Rascal・改 − Game Impression
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暁の岩礁
発売日:1999.05.28 / U・Me SOFT

◇ あらすじ

 私立のお嬢様学園で教師をしている主人公「石原俊介」は修学旅行の引率者として横浜港へやって来た。 目的地である香港までは豪華客船「イングリーブ」に乗船し、快適な船旅となるはずだった。 ところが出港間際になって彼とその生徒達は何者かが仕掛けた罠に陥ってしまう。はたして彼らは無事生還できるだろうか?


◇ ゲーム概要

 パラレルアドベンチャーってことでヒロイン9人のシナリオでストーリーや最終目的がそれぞれ独立しており、一部でキャラの設定までもが異なっているのが特長。 各シナリオに入るまでのプロローグは全て共通なのでオムニバス形式とはちょっと違うかな。
 ゲームは主に場所移動によって進行するサスペンス風ADVで、シナリオによっては制限時間内にイベントをこなさないとBatEndという展開もありますが全体的に難易度は低め。 それとシナリオによってはミニゲームとしてシューティングとポーカーが遊べる場合があります。


◇ システム

 DirectX3以上が必要で画面サイズがフルスクリーン固定なのですが、キーレスポンスや画面書き換えがスムーズで操作感はかなり快適。 「CTRL」キーによるメッセージスキップと「SHIFT」キーによるテキストウインドウ消去のほか、移動もすべてキーボード上で操作できるのでマウスよりキーボードのみの方がプレーしやすいかも知れませんね。 セーブやロードは移動画面のときのみ可能になっていて計14個所まで登録できます。
 おまけの「付録」ではゲーム中に出てきたミニゲームをプレイすることができるほか、全員のハッピーエンドを迎えるとさらにおまけでミニゲームが遊べます。


◇ グラフィック

 原画は「しらとりれいこ」さんという方で、キャラデザインのほうは人によって好みが別れそう。 個人的には主人公だけがどうしても受け付けなかったです。教師なのにCGによっては小、中学生に見えたりしてセリフとのギャップが凄かった。
 CGは256色ということを考慮すれば妥当なところ(同時期に発売された某同人誌SLGと比較すると辛いですが)でしょうかね。 枚数的にも109枚(一人あたり約10枚)とまずまずの数なので特に不満はなかったです。 CGモードは最初から付録メニュー内にあり、他にもHシーンやエンディングの回想モードも付いてました。


◇ サウンド

 曲数は全36曲…だけどこの中にはヘリの音や時計の音なんかも含まれるのでちゃんとした(?)BGMはこれより若干減ります。 曲自体は結構いい感じなんですがゲームプレイ中でしか聴けないのが残念。 音声は主人公以外フルヴォイスで演技のレベルもなかなか高くて満足しました。


◇ 感想まとめ

 開発が同社の『いまじねいしょんLOVE』と同じボルボ本部長ということで興味を持ったこのゲーム。 …なるほど会話のノリやギャグのセンス(30代推奨)そしてシステムまわりの快適さは通じるものがありますね(笑)。

 ゲームの雰囲気や展開は各シナリオによってかなり異なるので、どのシナリオからやっても常に新展開で楽しめます。 ヒロインの数は9人と比較的多いのですが1プレー約1時間と短いので気軽に遊べるのも個人的に好印象でした。

 ただ内容がシージャックからファンタジーまで色々あり、難易度も低いので純粋な推理物とかを期待すると厳しいかも知れません。 あとは、かなりギャンブル的要素が含まれているのも善し悪しかな。 例えば時限爆弾を解除する際にノーヒントでどのコードを切断するかの選択があり、間違えると当然GameOver…。 他にもポーカーとかあって運の要素も必要になってきます。 『いまじLOVE』のおまけの時といい、開発者がギャンブル好きなのか?

 それと各シナリオ共通で感じた不満点としてエロシーンへの流れがかなり強引な気がしました。 はっきり言って流れが自然だなぁと私が感じたヒロインは居ません。 主人公の性格が良くも悪くも普通っぽいのに対し、あっさりと教え子とのエロシーンに突入しちゃうのでもうちょっと背徳感なり葛藤なり欲しかったところ。 思いっきりスケベで陽気な性格にするとか、やたらモテる設定にして他ヒロインと主人公を巡るやりとりの末に想いを押さえられなくなったヒロインと…だったらまだ良かったんですが(笑)。

 とまあ、いろいろと不満点も書きましたが、総合して見ると結構楽しめました。 サスペンス物は好きだけど長いゲームに付き合うだけの時間が無い…という方には息抜きに良いかも?


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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