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天藍の夏
発売日:2000.03.31 / U・Me SOFT

◇ あらすじ

 東京で大学生活を送っている主人公「薬院 海里」は夏休みをバイトで過そうと考えてたが、事故で入院した父親のかわりに実家の温泉旅館を切り盛りするする羽目になってしまう。 仕方なく帰郷してきた主人公だが、実家に付いてみると宿泊客は一組だけで しかも主人公の初恋の娘とその友人達たっだ。 更に高校時代に付き合っていた元恋人の巫女さんも実家に戻っていて主人公の周りは意外にも女の子ばかりの状態に…。 この夏、はたして主人公は彼女達といい思い出が作れるのだろうか。


◇ ゲーム概要

 場所移動と選択肢によってシナリオが分岐するADV。 ゲーム期間は夏休みの約一ヶ月で主人公は一日に最大3ヶ所まで移動先を選択できるのですが、移動先に誰かが居た場合は3回に満たなくてもイベント後に強制的に1日経過してしまう場合があります…というか基本的には誰かに会えば1日消費すると考えていいかと。

 登場するヒロインは6人。一応各キャラが移動先に居る期間に幅があるので途中までなら同時攻略可能なんですが、あまり本命キャラ以外のフラグを立てると本命キャラのエロシーンCGが幾つか見れなくなるのでオンリープレイ推奨。 あと何故か3人のキャラだけ移動先に顔アイコンが出ていますが他キャラは自力で探す必要あり。 でも難易度は比較的低めかな。1回のプレイ時間は約2時間くらいでした。


◇ システム

 画面サイズはフルスクリーンのみ。メッセージは表示速度の変更はできませんが元々快適に流れてくれるので個人的にはOKかな。 スキップは未読のチェックをしておらず、バックログ閲覧も不可なのが残念。
 セーブは1日の終了時にセーブするか否かを聞かれるので、その時に計12ヶ所まで登録できます。 これもちょっと不便なので出来ればいつでもセーブ対応にして欲しかったと感じました。ロードはゲーム中にいつでもできます。

 それとこのゲームを進行していくうちに懐かしの『倉庫番』を彷彿とさせるパズル型のミニゲームをプレイする事になるんですが、これはTopメニューの付録から好きなときにプレイ可能で全5レベル制覇に結構熱くなってしまいました。 ちなみにゲーム本編の方はクリアできなくても大丈夫だと思います。 けど簡単なので失敗する事も少ないと思いますけどね。


◇ グラフィック

 原画は「まるごと林檎」さん。 いまじねぃしょんLOVE』と同じ方でちょっと癖のある丸っこいデザインとタレれ目が特徴かな。 絵柄が気になる人もプレイしていくうちに気にならなくなると思いますし、立ち絵の表情パターンが豊富で個人的にはよさげだと思います。
 CGは綺麗というよりも水彩画っぽくほんわかしていて田舎ののんびりした雰囲気は出ていたと思います。 枚数もまあ満足いく数がありました。
 CGモード及びHシーン回想モードはトップメニューより入れます。


◇ サウンド

 曲数は28曲。雰囲気はでているのですが…なんと言うか音質が寂しい感じがしました。
 CVは主人公以外フルボイス。これははっきり言ってかなり良いです。 どれもそのキャラの特徴や魅力を最大限引き出してる感じですが、中でも「矢加部 茜」と「朝倉 稚葉」のそれぞれの声優さんの演技がノリが良くって最高でした。
 音楽モードはトップメニューから入れるのですが、曲番号だけずら〜っと並べてあるだけで寂しいので曲名くらい付けて欲しかったです。


◇ 感想まとめ

 田舎ののんびりとした雰囲気とキャラ達の愉快な会話と軽快なシナリオ展開で途中ダレることもなく、プレイしていて純粋に楽しかったゲームです。 個人的に気に入ったコミカルなノリもギャグ系のゲームにありがちなパロディとかの いわゆる濃いネタでウケを狙たものでは無いし、プレイする人によっては「訳わからん」というものも一切無くて純粋に会話の内容とノリで楽しめる感じだったのが好印象。 開発チームが同じということもあってか同社の『いまじねぃしょんLOVE』のノリを思い出しました。

 シナリオの方もある意味直球で非常にわかり易く、テキストも読み易くてサクサクと気持ち良く進めることができましたし、更に一部を除いて意外にも(失礼(^^;)先が全く読めないというのもダレずに遊べた要因だと思います。 特に稚葉シナリオのアレなんかは暫く主人公と一緒に「……。」と固まってしまったくらいで(苦笑)。
 ただ…先にも書いた通りシナリオがわかり易いのは良いのですが、後半の山場でもなんとなく淡々と進んでいくような感じで印象度という点では若干弱めかもしれません。

 他に不満点を挙げるとすれば場所移動などでお目当てのキャラが居ない場合に行動を持て余すことがあることと、エロシーンで主人公の性格が変わってしまうということでしょうかね。 最も前者は適当な場所で「この場所で過す」を選べば良いだけだし、後者もこの手の恋愛ゲーで濃い目のシーンを見せるためのお約束になりつつあるので、どちらも致命的欠陥というほどじゃなく殆ど揚げ足取りみたいなものかもしれませんけど。

 ま、感動の泣きゲーといった物ではなく、ほのぼのと楽しいゲームという点でかなり満足いった作品でした。 キャラも魅力的だし私的には結構おすすめです。


◇ お気に入りキャラ

 全体的にどのキャラもかなり魅力的に描かれていると思います。脇役でも某めぞんを思い出させるばぁさんが凄く良い味出してましたし。
 そんな中、幼なじみ+巫女+元恋人という美味しいとこどりの「犬塚 風音」が設定的にストライクだったのですが…最終的には初恋の娘でメインヒロインでもある「渡瀬 夏生」に転びました。 この娘、普段の髪型がヒロインらしくストレートロングなんですが、Hシーンの時に浴衣姿のポニーテールになるんですよ(笑)。 いや、これがまた新鮮で…ってもちろんこれだけが理由ではないんですけど。 あとはノリが気に入った「矢加部 茜」と「朝倉 稚葉」もお気に入り。でも稚葉って年齢いくつなんだろ?


私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

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