Rascal・改 − Game Impression
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微笑みをもういちど
発売日:2000.08.04 / U・Me SOFT

◇ あらすじ

 親が海外へ転勤のため半年の間だけ一人暮しをすることになった主人公。 幼馴染みの3人と平凡な学園生活を送っていたが、ある日突然に親の転任期間が延びてしまい、主人公自身も親元のベルギーへ引っ越すはめになってしまう。 引越しの時期を半年間だけ延ばしてもらった主人公は日本での最後の学園生活で、悔いの残らない思い出を築いていくことができるだろうか。


◇ ゲーム概要

 「学生編」と「社会人編」の二部構成になっている恋愛ADV。 基本的に学生編でお目当てのヒロインと仲良くなり、そこから5年後の社会人編で再開を果たす…という流れになっています。 中には学生編でエンディングになったり社会人編で初登場する娘も居たりと例外はありますけど…。 ちなみに学生編の期間は半年ありますが、特定のイベント以外はすっ飛ばして進行するので中弛みは起きません。

 第一部・二部ともに場所移動と選択肢によって進行します。 場所移動では移動先で誰に会えるかは不明ですが、保健室(二部では女子寮)の羽鳥先生に占ってもらうことでお目当ての娘を追いかけることは苦労しません。 選択肢も判り易いものが殆どなのでADV部の攻略は容易です。
 ただ、このゲームの特徴の一つにミニゲームというのがあり、これが各シナリオで随所に挿入されていて、しかもこれを上手くクリアしないとCG補完やエンディングに到達できないものが多数なので、慣れないうちは結構苦労すると思います。 ミニゲームは一度ゲーム本編でプレイすると、トップメニューにある「ほのたんの穴」からいつでもプレイ可能になります。

 攻略対象ヒロインは8人でエンディング総数はエンド一覧に無い物も合わせると結構な数がありました。


◇ システム

 インストールは標準180MB、フルサイズ560MB、コンパクトサイズ2MBから選んでインストールします。 フルインストールするとゲーム起動時にはCD-ROMが不要です。
 画面サイズは640×480とフルスクリーン。デフォルトではフルスクリーンになってます。 メッセージは速度調整ができませんけど表示は比較的高速。スキップはCtrlキーで可能で既読・未読のチェックは無し。 セーブやロードはミニゲーム中以外なら何時でも可能。 保存領域は一応10ヶ所用意されてますけどセーブリストの「その他」を選ぶことで好きな名前のセーブファイルを無限に作成でき、なかなか良い作りだと感じました。


◇ グラフィック

 原画は「水城たくや」さん。 キャラデザインに関しては個人的には可もなく不可もなくなんですが、CGの塗りとかはなかなか良かったですね。 枚数も内容と比較すれば十分…とまでは行かなくとも八分目くらいの数はあったので不満は感じてません。 でも意外な選択肢で意外なCGが表示されたりもするのでCG補完は結構大変かも。
 CGモードはトップメニューにある「ほのたんの穴」から入れます。他にHシーン回想モードとエンディング回想モードもあり。


◇ サウンド

 PCM再生の計14曲。明るい感じの曲が多く、悪くは無かったです。 私が今までやったU・MeSoft販売のゲームでは一番良かったかも(笑)。 お気に入りを挙げると「元気な魑魅魍魎」になるかな…。
 音声は女性キャラのみフルボイス。演技はかなり良いし、主人公を呼ぶときは「キミ」とか「あなた」とか「ふたりとも」とかに換えて喋ってくれるのが好印象でした。
 音楽モードはトップメニューにある「ほのたんの穴」から入れます。


◇ 感想まとめ

 今では物語りが二部に別れているADVゲームは珍しくありませんけど、5年という長期に及ぶ物は珍しく、学生編と社会人編の各キャラの変貌ぶりは新鮮で見ていて楽しいものがありました。

 そのキャラ達はメインヒロイン格の幼なじみ二人を除くと、雑技団出身の中国娘とか、羊を連れたモンゴル系の国の王女とか○○とか、終いには朝鮮人参(笑)まで出てきたりと所謂イロモノ揃いで、口調とかも語尾に「〜アル」、「〜まろ」、「〜にょ」など癖のあるキャラが多くて個人的には少し引きました。 もっと普通でも良いような気ががしますけど、客観的に見ればこれはこれで一つの個性になってて良いのではないでしょうかね。

 ただ…シナリオを通して見ると、もう少し練り込んで欲しかった点も結構ありました。 特に第一部の学生編でどのヒロインと仲良くなっても、第二部の社会人編では各キャラ達の設定が全く同じになっているというのが凄く残念ですし勿体無い気がします。 学生編の終了時の状況によって5年後の社会人編の設定…例えば主人公の職業とかヒロインの交友関係とか…が変化するような作りを予想(期待)していたので少々肩透かしを食らった感がありました。 あと学生編終了時からの5年間が、な〜んも描写されていないのも不満ですね。 仲の良い親友や好きな娘と離れて暮らす苦悩とか日本からの手紙を見て想いを馳せるとかいった描写くらいはあってもよかったのではないでしょうか。

 学生編などは期間が半年の割にイベントを絞って物語が展開するので、話のテンポは割と良い感じです。 社会人編も同様にADVパートのみに絞ればサクサクと進みますが、同時に登場キャラ達とのやり取りとか心理描写とかもサクサクと進んでしまう為、見せ場となるシーン(例えば由佳の花嫁強奪や春香の逃避行など)が安っぽく感じてしまいます。

 そしてこのゲームで一番の評価の分かれ目になりそうなミニゲーム。 これは実に10種類のミニゲームがそれぞれのシナリオの随所に挿入されていて、エンディングを迎える為に必須になっているものが殆どなので人によっては煩わしいと感じてしまいそう。 結論から言うと私自身は結構楽しんでプレイできた方です。 ミニゲームに出るチビキャラが色々と楽しませてくれるし、何度もリトライしてGOOD判定になった時などは思わずガッツポーズ取ってしまうくらい熱くなってしまいましたし(笑)。

 エロシーンは基本的には学生編と社会人編で一回ずつ存在します。 中には片方しかないキャラとかも居ますけどね。で、シーン自体はめちゃ薄いです。 テキスト量も少なくあっと言う間に終わるので少々物足りないかも知れません。

 総合的に見て、やや展開が急すぎる感がありますが、ミニゲームとか出現条件の厳しいCGイベントとかあってゲーム性は結構高めです。 そのため自力コンプを身上としてる人にはそれなりに遊べる要素があると思われます。 反面、攻略記事みてシナリオのみを流し読みして楽しむ人には向かないゲームだと思いました。


◇ お気に入りキャラ

 病院で知り合うことになる「沖芽アユミ」ですね。 第一部の終盤で思いっきり落ちが判ってしまうのが難ですけど、私はこの手のキャラに弱いんですよね。 エロシーンCGでのアユミが『アトラク=ナクア』の奏子と似ているってのもポイント高いかも(笑)。


◇ 備考

 所要時間: 1'st Play 3時間、2nd以降は1〜2時間(ミニゲームによって差があり)


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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