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とらいあんぐるハート2 〜さざなみ女子寮〜
発売日:1999.07.30 / JANISivory

◇ あらすじ

 実家の洋食屋でコックとして働いている主人公「槙原耕介」の元に、ひょんな事から従姉妹が経営する女子寮の管理人代理という変わったバイトが舞い込んできた。 現管理人である叔母の「神奈」が旅行で空ける二週間だけとの事だったので耕介は了承し、「さざなみ女子寮」へやってきた…が、そこの住人達はそのとき初めて代理が男だと知って大騒ぎに…。
 はたして耕介は管理人に相応しい信頼を住人達から得ることができるだろうか。 そしてその先に待っている「さざなみ女子寮」での生活で耕介はどのような日々を送ることになるのだろうか。


◇ ゲーム概要

 98年末に発売された『とらいあんぐるハート』の続編…とは言っても時間的には約1年半くらい“前”のお話です。 前作の主人公も含めて何人かのキャラがサービス的な要員として登場するので前作をプレーした後のほうが120%楽しめると思います。

 今回の期間は約1年。エンディング到達可能なヒロインは…10人以上とだけ書いておきます。 基本的に場所移動と会話中の選択肢によって進行しますが、前作同様に移動先にどのキャラが居るかがすぐわかる作りになっているので有り難いです。

 ゲームの構成は3つのパートに別れてますが、第一部がプロローグ、第二、第三部が本編と大雑把に捉えていいかと。 第二部の最初ではシミュレーションパートがあって好感度が若干上昇したり主人公にパラメータがあったりしますが、あまり意味無い気もします(苦笑)。


◇ システム

 インストールは最小(50MB)と標準(430M)から選べますが、最小だとCVが聴けないので個人的には標準をお薦めします。

 画面サイズは640×480の窓とフルスクリーンから選択可能。 セーブとロードはゲーム中にいつでも16ヶ所まで登録できるようになってます。
 メッセージはスキップだけでなく、バックログ閲覧まであるので有り難いのですが、スキップは未読のテキストまで飛ばしてしまったり、バックログは一画面に表示可能なテキスト量しか確認できない等、やや不満が残りました。 他にも選択肢が表示される直前にクリックすると、その座標にある意図しない選択肢を選んでしまう事が多々ありました。 もっともこれは私のせいなのですけどね。

 ただマニュアルには記載されていませんが、キーボードでも一通りの操作は可能なので慣れればこちらの方がプレーし易いかもしれません。 それと発売前の大方の予想通りivoryのサイトに修正ファイルがアップされてますので忘れずにDLしときましょう。 メーカーさんもいい加減にバグ付きのゲームを売るのは止めてほしいですね。 全てのユーザーがインターネットに接続できるわけじゃない事も理解しておいて欲しいです。


◇ グラフィック

 前作同様に原画は「都築真紀」さん。 デザイン的に気に入ってますし、キャラは可愛いしCGも奇麗なことは確かなんですけど何となく立ち絵の時とイベントCGとで雰囲気が違うキャラがいるような…。 枚数的にはゲーム期間の割に少な目でちょっと残念でした。 CGモードは最初からトップメニューにあります。


◇ サウンド

 OP、ED以外はMIDIで全17曲です。 嬉しい誤算…と言ったら失礼ですが、思いのほか良かったです。 お気に入りは「You're my only star」「Yes!」でしょうか。
 OPの「風に負けないハートのかたち」と特定キャラのED曲「Nameless Melodies 〜だけどきみにおくるうた〜」はヴォーカル曲。 「風に〜」のほうはともかく「Nameless〜」は短い曲ながらもかなり気に入ってます。 どちらの曲もDisk1にCD-DAで収録されていました。

 CVはメインの女性キャラがフルヴォイスで喋ってくれますし、演技の方も望ちゃん以外はかなり良い線いっていると思います。 前作の唯子ほどのインパクトはどのキャラにもありませんでしたけどね。
 音楽モードは最初からトップメニューより入ることが可能です。


◇ 感想まとめ

 個人的には前作ほど強烈なインパクトはないものの、どのキャラも開始からEDまで通した物語(シナリオ)は結構良かったです。 全体的な雰囲気として「ほのぼの〜」としてるのに所々にジーンとくるイベントや、しょうもないギャグなんかが上手くミックスされて流石だなぁと感じました。 特に感動系のイベントは最近流行(?)の「痛い系」ではなく、じんわりとくるハートフルな感じです。なんか上手く表現できませんが(苦笑)。特に仁村姉妹が良い感じでした。

 他にもヒロインと仲良くなったときには他のヒロイン達も寮の住人としての脇役ぶりがいい感じです。 加えて各シナリオともクライマックスはかなりに盛り上がった展開になって満足しました。

 残念なのがゲーム期間が1年ということもあってか、やはりゲーム開始〜中盤あたりまでが結構かったるくて垂れることでしょうか。 エルフの『下級生』でも同じゲーム期間で同じように中だるみを感じましたが、こっちは『下級生』と違い、開始時からほぼオンリープレイに徹する必要があるので同時進行は不可能だし、シミュレーションパート(の残骸)なんかは快適な進行を妨げてる以外の何物でもなかったです。
 先に全体的に物語は良いと書きましたが、それもトータルで繋げて見ればの話で、ゲームでは結構イベントの間隔が開いているので集中力の持続と時間的余裕がないとちょっと辛いです。 個人的には「プレーし易さ」が前作で好印象だったので、やっぱり変に凝らないで欲しかったかなぁ…と。

 1プレイ時間が約4〜5時間、この時間を内容と比較して多いと感じるかどうかは人それぞれでしょうが、前作が気に入っていて且つ過剰な期待をしなければ楽しめるかな…。 あとは個人的に前作未プレイの方は先に前作をやってからプレイすることを薦めます。


私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

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