Rascal・改 − Game Impression
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恋ようび
発売日:2000.04.25 / ACTRESS

◇ あらすじ

 風紀委員を務める主人公は学校の寮で生活を送っていたが、ある日突然やってきた転校生「柊 真生」と相部屋で生活することとなった。 実はこの転校生、幼い頃に主人公に憧れていた幼なじみの女の子「柊 真穂」の変装した姿である。
 彼女は数日前に姉と「主人公が真穂のことを忘れているか」という賭けをしていた。 絶対に覚えているという自信があった真穂だったが、主人公は彼女のことを覚えておらず真穂は賭けに負けてしまう。 そして彼女の姉が出した罰ゲームとは「真穂が男として学園に転校し、男として主人公に接する」というものだった。
 裏切られた気持ちのヒロインは主人公好みの女の子に変装して自分に惚れさせた後に手ひどく振ってやるという復讐を思いつく。 そしてそんな事には全く気づかずに男として真穂に接する主人公。 一体この先どのような展開が二人を待っているのだろうか?


◇ ゲーム概要

 なかなか面白い設定で始まる話ですが、ゲーム自体は選択肢を選んでいく毎にシナリオが分岐するオーソドックスなタイプの恋愛ADVです。 エンディング総数は10種類と恋愛系にしては多めですが、選択肢は明らかに誰寄りのシナリオに分岐するかが判るものになっているので難易度はかなり低め。 1プレイも1時間前後と比較的お手軽系かも。


◇ システム

 インストール容量は本体とセーブデータで2.5MB、シナリオ4MB、画像135.8MB、サウンド466.9MBとなっていて本体データ以外は自由にカスタムインストールが可能。 フルインストールすれば起動時にCD-ROMが不要になります。

 ゲームシステムは個人的に激重という印象が強いMEGUで、実際重かったですけど『星のピアス』に比べるとかなり扱い易くなってると感じました (まあ私のPC環境が変わったせいもあるかも知れませんけど)。 メッセージスキップは既読・未読チェックをしてくれないのが惜しまれるものの、かなり高速で飛ばしてくれますし、メッセージ速度も3段階で調整可能となってました。

 セーブやロードは何時でも可能で計10ヶ所まで保存でき、コメントも付けられるのが有難いです。 まあ欲を言えば自動でコメントを付けて欲しかったし登録数も少し増やして欲しかったですけどね。 ちなみに画面サイズはGAの性能に合わせて好きなように設定できます。


◇ グラフィック

 原画は「CARNELIAN」さん。このゲームが発売した2000年春はこの他にもかなりの数の原画を手掛けていて 一体1枚をどのくらいの時間で描き上げてるんだろう?と密かに興味があったりしますが、原画・CGの塗り共にそれなりに満足のいくレベルでした。 個人的にはパッケージ絵のヒロインの目が黄色で怖いというのがあったりしますけど(苦笑)。

 枚数は少なめ。登場キャラが多いので余計にそう感じるのかもしれませんけどメインヒロインの真穂でさえ他の恋愛ゲーと比較するとやっぱり少ないですよ。 加えて重いエフェクト入ってるのが鬱陶しかった…。 マウスカーソルが花びらになってたりと凝ってはいるんですが、まずは枚数を増やして欲しいですね。
 CGモードや回想モードはトップメニューから入れて、ゲーム中に見たCGは随時登録されていくようになってました。


◇ サウンド

 BGMはMIDIで17曲。なかなか良い感じで満足してます。 特にお気に入りは「七香」のテーマですけど「セツナサ」あたりのしんみりした曲も良いですね。 他にOP「並木道の笑顔」とED「恋のハイライト」でそれぞれ主題歌が入って全19曲。 主題歌はたぶんWAV再生だと思いますが音質は悪くないし、OP・EDともゲームに合っている…かはともかく、明るい感じの歌で気に入ってます。 結構頭の中でリフレインしちゃってますしね(笑)。

 CVは主人公以外フルボイスなんですが、演技の方は全体的に低いと感じました。 特に七香。あんた小学校低学年の学芸会じゃないんだから…そんな演技で金貰っていいの?とか要らんこと考えてしまうくらい強烈でした。もしかしたらわざとかも。
 音楽モードは最初からトップメニューにあり、ゲーム中に鳴った曲が随時再生可能になっていくタイプのものでした。 ちなみに初回版は主題歌のフルコーラス版を収録した音楽CD付きです。


◇ 感想まとめ

 このゲームの設定を見たとき、私はてっきりメインヒロインである真穂の復讐がメインに展開するシナリオを予想していて、例え他のヒロインに走っても真穂の復讐が何らかの形で絡んでくると思っていたのですが…いざ蓋を開けてみると見事になんのフォローもされてなく、それどこか真穂に至ってもシナリオの幅が全く無いのには非常にガッカリさせられました。

 ゲームではヒロインの心理描写などがプレイヤーに判りやすいように偶にヒロイン側の視点になるんですけど、上手く描かれていると感じたのは2日目くらいまでかなぁ…。
 後半になり、複数のヒロインエンドへの分岐が多数出現するに従って最初の設定やそれまでの主人公の行動など無かったかの如く強引で無理やりな展開で、ゲーム中は何度も「なんでやねんヾ(--;」と画面に向かって突っ込んでました。 エンド数は多いけど納得のいく纏まりになってるエンディングなんて無かったです。 単にそのヒロインとHして強引に終わってるだけ…。 ゲーム中のテキストもまとまりが無く、同じ内容を短い文章で乱発してるんで読んでて疲れました。

 あとアクトレスということで、個人的にどうしても注目してしまうエロシーンですが…まぁ『星のピアス』よりは濃くてキャラの数も多いんですけど、全てエンディング直前にご褒美としてあるだけで必然性もエロ度も低いと感じました。 エロシーンも含めてこのゲームではメインヒロインの真穂と他2人くらいにまとめて、その分内容をもっと練りこんだものにしたほうが良かったと思います。

 う〜ん、なんか不満点しか出てこないですね…。 シナリオ以外はどれも少なくとも標準レベルはクリアしてると思うんですけど、肝心のシナリオがコレでは不満も爆発してしまうというものです。 …いえね、結構期待してたんですよ。前作の『星のピアス』はお互いに惹かれていくまでの過程がよく描かれていて「アクトレスは恋愛ゲーでも通用する」と思わせるに十分な出来でしたし、今回のこの設定も上手くツボにはまれば当たりかなと思ったので。 で、結論としてぶっちゃけちゃうと「期待はずれ」と言ったところです。残念。


◇ お気に入りキャラ

 どのキャラも見事に印象薄いんですが、設定的には保険医の「風霧 綾乃」でしょうかね。 ちなみに一番インパクトがあってウケたのが「三里 純」。


私的満足度: ★★★★☆ ☆☆☆☆☆

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