Rascal・改 − Game Impression
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BIN★CANダーリン
発売日:2005.10.28 / Digital-supplement・ACTRESS
 全CGと回想を埋めてコンプリート。 所用時間は1stプレイ2時間、コンプまでは7〜8時間と言ったところです。

 内向的な性格をしている主人公「佐々木 裕也」。 進学校での勉強漬けの日々に見切りを付け、転校を期に学生らしい生活を求めて再スタートを決意する…というあらすじ。


 転校先で知り合った女の子達に誘われて美術部に入った主人公がその部員達と仲良くなっていく恋愛ADV。 ゲームは選択肢によって進行・分岐するオーソドックスなタイプ。 選択肢の数は少なく、基本的にお目当てのヒロインを贔屓していけば良いだけなので難易度は非常に低め。 ヒロインは5人でそれぞれのエンドの他に3Pエンドが3つの計8つのエンディングが存在します。


 主人公はヒロインと会話するだけでも緊張して声が裏返るほど女の子に免疫が無く、元々の内向的な性格もあって会話テンポは少々悪く感じますね。 そのくせ妙に女の子を意識して胸や体操着姿などを見る度に妄想で股間を勃起させるというBIN・CANボーイ…というか唯のムッツリスケベ…いや、一歩間違えば変質者の域ですなコレは(苦笑)。
 ただこの主人公は顔が良いようで、並の男なら変質者扱いされそうな万年勃起野郎でもヒロイン達はそんな主人公を見て「からかいがいがあって可愛い」とか言う展開になります。 所詮この世は不条理で出来てるんですよチクショウ…。

 そんな訳でヒロイン達は最初から主人公に対して好意的。 加えて口下手な主人公故に飾り気の無いストレートな褒め言葉や口説き文句が偶に飛び出し、ほぼ一撃でヒロインを陥落させる…という「いいのか、そんなんで?」という展開がほとんどなので、恋愛描写云々は期待しない方が良いでしょう。


 各ヒロイン毎のストーリー展開はぶっちゃけ薄っぺらいです。 主人公とは中盤あたりで恋人同士となりますが、ほとんどエロシーンしか印象に残ってませんでしたし、先の展開も非常に解りやす過ぎ。 それに登場人物はヒロイン達だけなので舞台の奥行きは全くありませんし、美術部という設定もほとんど活かされてませんでした。
 ヒロイン達も設定的な性格のみが前面に出ている感じで深みが無いんですよね…。 例えば千鶴なんかは常に無関心を装っていて素直になれない性格という設定ですが、ゲーム中はその設定に沿った言動をしているだけって感じで、設定がキャラの魅力に貢献しているとは言い難いのが私的には結構マイナスでした。


 エロシーンはヒロインあたり4〜5回発生します。 こずえ先生以外は処女ですけど、皆最初から感じまくり。 まぁ個人的にそのへんは良いのですがHシーンへの導入はほとんどヒロイン側からのアプローチになるのが若干不満かな。 主人公がそういう性格なので仕方無いのかも知れませんが、やっぱりキメるときにはビシッと決めてくれないとね。
 シチュエーション的には主人公の自室が一番多いけど、学園内や風呂場、青姦などもいくつかあって割と豊富な方かな。 二回戦突入頻度も比較的高めで、フェラから始るものはフェラで射精後に挿入する流れになっているのはマル。 体位も全ヒロイン合わせれば結構豊富にあったし、ほとんど半脱ぎ状態なのも良かったと思います。
 エロ描写は割とあっさり目ながら一部ヒロインは卑語を乱発してくれるし、ヒロインの嬌声がメインのテキストなので声優さんの演技を延々と聞いてる分には不満はなかった。 ただ、環の声がなんか個人的には合わなかったのが無念と言ったところです。
 3Pシーンは母娘丼、姉妹丼、同級生ヒロインの組み合わせで私的には結構満足。 できれば音声同時再生を実装して欲しかったですね。 ハーレム展開はありませんでしたが、この主人公でハーレムというのは合わない気がするのでまぁ良いかな…と。


 システムはアクトレスお馴染みのACTGS。 少々重く感じましたけどスキップは快適だし一度見たテキストを色違いで表示してくれたり、オートモードも細かく設定できて不満はありませんでした。 次の選択肢までジャンプする機能なども結構重宝しましたしね。
 CGはキャラクターデザインや枚数的に不満はありませんでしたけど、塗りにやや難あり。 肌がのっぺりとした感じで下書き原画にさくっと着色した感じだし、荒めの淵線も妙に気になりました。
 音楽は特に不満はなし。OP主題歌は結構耳に残って個人的にはお気に入りです。


 アクトレス最後のゲームということで、過去に抜きゲーでお世話になった身としては寂しい限りですが、そういう私情を抜きで言わせて貰えば…千葉千夏さんの描いたキャラとそのエロシーンのみが目的なら及第点。 シナリオ的な深みやキャラ萌えにも期待すると微妙…と言ったところかな。 私は結構萌え方面も期待してしまったので物足りなさを感じてしまいました。 せめて千鶴だけでも美術に対する思い入れとか語ってくれたら良かったんですけどね。


以下、キャラごとの雑感(ネタバレあり)。


橘 千鶴
 主人公のクラスメイト。 先にも書いたように意地っ張りな性格などがほとんど活かされて居なかったので唯の天邪鬼キャラという印象を受けてしまうのが残念ですね。 主人公を好きになった経緯も全く解らんし…。 そのくせ主人公に対しては「気のあるような態度はするくせに肝心なことは言わない」とか文句言ってきますが…出会って2〜3日で告白するほうがどうかと思う。
 あと設定では成績優秀との事ですが、これもゲーム中ではほとんど語られず、終盤に主人公のテストの点数を見て不機嫌になるという描写しかないので、このあたりも話しに絡めてくれれば主人公に惹かれる経緯ももっとスムーズに描けたんじゃないかと思うんですけどね。 ラストの留学の件も全く盛り上がらず、絵に対する思い入れ等を出して主人公への想いとの間で葛藤する様とか描いて欲しかったところです。

日高 菜穂
 隣のクラスで千鶴の友人。 主人公に自らの巨乳を押し付け反応を楽しむノリの良さが個人的に好印象。 告白シーンで思いっきり先の展開が読めてしまうのが難ですが明るい性格は寂しさの裏返しといったキャラの内面が最も良く描けてたヒロインだと思います。 なんで美術部に入っているのかは全くの謎ですけどね(笑)。
 あと個別ルートだけでなく、何気に3Pルートも二種類あってどちらでもキャラの性格が良く出ているし、北都南さんの演技もあって個人的には一番のお気に入りキャラでした。

日高 環
 菜穂の妹。運命的なことに憧れるデンp夢見る少女。 いや〜なかなか凄いキャラでした。 先にも書いたように声が合わないというのもありましたが、デートなどで自分の思い通り…というか妄想通りに主人公が行動してくれないことに逆ギレして「詰まんない。別れる」とか言い出したときはキャラ攻略を止めようかと思った。 まぁ二次元でこういう我が侭キャラは珍しいので結構新鮮でしたけどね。

朝倉 香澄
 美術部部長の三年。 ツインテールで子供っぽい言動のキャラですが、主人公に対する接し方は一番マトモだったような。 膝枕イベントなどの年上らしさは外見とのギャップが結構良い感じでしたし、最後の髪を解いて大人っぽく見えるシーンなども個人的には気に入ってますけど、こういった普段見れない側面的な演出をもっと見たかったかな。 あと全ヒロイン中、唯一3Pシーンが無いのもなんか不憫です。

橘 こずえ
 主人公のクラスの担任で美術部顧問で千鶴の義母。 主人公の包容力の欠片もないガキっぽさが見ていて痛々しかったけど、そんな主人公を好きになるこのヒロインはもっと痛いと思った。 千鶴の義母という設定はそれなりに活かされてましたが、教師としてはかなり問題のある展開ですね。 「付き合ってもいいかなぁ」ってアンタ自分の立場忘れてるだろとしか感じられなかった。 3Pシーンもちょっと無理があるかなと。


キャラのお気に入り順は
 菜穂 > 香澄 > 千鶴 > (超えられない壁) > こずえ > 環


私的満足度: ★★★★★+ ☆☆☆☆☆

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