To Heart |
発売日:1997.05.23 / Leaf |
◇ あらすじ
高校に入学してもうじき1年が経とうとしていた。
この春、主人公は一体どんな出会いをし、どのように過ごしていくことになるのだろうか。
◇ ゲーム概要
リーフのビジュアルノベルシリーズ第3弾。
とはいえ前作までの『雫』や『痕』とは異なり恋愛ADVの色が濃くなっています。
ゲーム期間は3月3日から5月2日までの2ヶ月。
その間、主に平日の放課後に登場キャラ(8人+α)とのコミュニケーションを行っていきます。
大体は決められた日付までに好感度を上げていくことでイベントが発生したり個別シナリオに入れるようになる構成のため、1プレイで1人のキャラしか攻略できません。
難易度はそれほど高くないです。
◇ システム
まず他のVNSと異なる点は名前とあだ名をユーザーが好きに決められることですね。
それと栞(セーブ領域)が5ヶ所と増えていて、ゲーム中に自由にセーブ/ロードが出来ます。
とりあえずゲームをプレイする上で特に不満な点はありませんでした。
おまけとしてCGモードとミュージックモードがあり、CGモードはキャラ毎の達成率が表示されます。
◇ グラフィック
CGの質はかなり高め。
桜の花びらが舞ってたり、雨が降る処理なども良く出来てました。
立ち絵も表情やポーズのパターンが多く、会話中にコロコロ変化してくれるのが見ていて楽しかったですよ。
◇ サウンド
はっきり言って私がプレイした18禁ゲームの中では最高レベルのBGMでした。
単純に曲が良いというだけでなく各シーンに本当によく合っているんですよ。
しかもCD-DAという事でプレイヤーで何時でも手軽に聴けるのもポイント高い。
車載プレイヤーが暫くの間「あなたの横顔」「エターナルラブ」「新しい予感」でリピートしっぱなしになりました(笑)。
◇ 感想まとめ
ダークだった前作の『痕』から一転して明るい学園恋愛物ということで発表当初は少し不安だったのですが…杞憂に終わりましたね。
とにかく作中への没入度が半端じゃなかったです。
この作品を好印象と感じる要素として先ず個性的なヒロイン達の存在は外せませんね。
私自身もあかりに萌え転がった訳ですし、実際このタイトルの後に雨後の筍のごとく湧出た学園物のヒロイン達を見れば、その影響力の大きさを伺い知ることが出来ます。
これらヒロイン達の魅力はもちろんこの作品を語る上で外せない要素ではあるのですが、それよりも私にとっては作品世界内の居心地の良さがかなり大きかったと思っています。
個性的なヒロイン達に比べて主人公は平凡とも言える高校生で、その彼の日々の生活…中でも特に学校生活において私自身の高校時代と雰囲気的に重なる場面があってゲームの中なのにあまり違和感を感じなかったんですよ。
もちろん私の高校時代にはメイドロボもオカルト好きなお嬢様も居ませんでしたが、放課後の開放感など「場の空気」のようなものが凄く身近なものに感じられたのです。
当時は学園恋愛物をストーリー仕立てで描いていく18禁ゲームをほとんどプレイした事は無く、これ以降にプレイした同ジャンルの作品ではこれほど高校生活を感じさせてくれる物も無かったので、単に物珍しさから来た錯覚だったのかも知れませんけどね(苦笑)。
これ以降の「学園恋愛物」というジャンルをプレイするにあたり個人的な比較対象となったタイトルであることは間違い無く、良くも悪くも色々と思い入れのある作品となりました。
私的満足度: ★★★★★ ★★★★☆
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