Rascal・改 − Game Impression
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〜しずく〜
発売日:1996.01.26 / Leaf

◇ あらすじ

 毎日代わり映えのないくだらない生活の連続。 「七瀬祐介」はそんなつまらない現実を離れ、徐々に狂気の世界へと踏み入れようとしていた。 そんな彼のクラスで授業中に一人の女生徒が発狂する。 彼女はいきなり立ち上がると、突然大きな声で淫猥な言葉を叫びだし、自らの爪でその顔を掻きむしって血だらけになっていた。 それから三日後、祐介は叔父である教師に呼び出され、彼女について囁かれている噂の真相を探って欲しいと依頼されるのであった。


◇ ゲーム概要

 リーフビジュアルノベルの第1弾は妄想癖のある主人公がクラスメイトの発狂した原因を探っていくといった内容のものです。 ゲームは2〜4の選択肢を選んで行く事によって進展し、選択した内容によって物語が大きく分岐します。 また全ての選択肢が最初からある訳ではなく、幾つかのエンディングを迎える事によってそれまで現れなかった選択肢が出て別のシナリオに進む事が出来るようになっています。


◇ システム

 栞(セーブデーター)は全部で3つありますが、それぞれの栞は完全に独立しています。 つまり栞の1番でゲームをやってる場合、栞の2番へは保存出来ないような作りになっています。 この辺りはちょっと面倒くさいですね。

 ゲームの動作は凄く軽いですし、一度読んだシナリオは次の選択肢までスキップ出来るようになっています(栞が同じ場合)。 おまけとしてCGモードと音楽モードがありますが、音楽モードは全てのエンディングを見ないと入り方を知る事ができないです。 逆に入り方さえ知ってれば全エンドを見てなくても音楽モードに入る事は出来ますけどね。


◇ グラフィック

 原画は「水無月 徹」さんです。 この頃の絵はなかなか癖が強くて私は当初なじめませんでした(現在では慣れた事もあり個性があって良いと思ってますが)。 CGは256色で、枚数もそれほど多くはないですね。


◇ サウンド

 BGMはCD-DA再生です。 全体的に暗めの曲が多いですが良い曲が揃ってますね。 個人的に特にお気に入りなのは「瑠璃子」。


◇ 感想まとめ

 18禁ゲームの世界に踏み入れたばかりで怖いもの知らずな頃「評判が良いらしい」ということで購入したゲームですが…プレイ開始直後のあらすじに書いた展開を目の当たりにした時は目が点になりましたよ。

 とにかくテキスト・CG・音楽が醸し出す「負のオーラ」の印象が強烈な上、登場キャラ達の精神構造が当時の私には理解し難く、話の展開に付いていけない場面が多々ありました。 特にバッドエンドやトゥルーエンドのインパクトは強烈で、プレイを再開するのに凄く時間と勇気が必要だったです(毒電波、ヤバすぎ)。
 主人公をはじめ、ほとんどの登場キャラが黄色い救急車を呼びたくなるヤツばかりな中、マトモな精神構造をしている沙織がこのゲームのオアシス的な位置付けになっていたのですけど、その沙織のBADENDを見た時は素で気分悪くなった。

 と、まあ以上のような不満点はあるものの1回のプレイ時間は短いですし、何らかのエンディングを迎える度に選択肢が増えてシナリオが幅広くなり、ノベルのくせに妙にゲーム性があるのは評価ポイントですね。 おまけのシナリオなんかは本編と違いギャグオンリーなので結構笑わせて頂きました。
 という訳で、ダーク系に抵抗が無い方は楽しめるんじゃないでしょうか。 私にとっては良くも悪くも衝撃的なタイトルでした。



私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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