Rascal・改 − Game Impression
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Castle Fantasia
発売日:1998.05.22 / Studio e・go!

◇ あらすじ

 聖魔の大戦から五百年…エレンシア王国ミストラル城の近衛隊長ヴァリア=ラセルは恋人であるエノア=ロンドと幸せな日々を送っていた。 そんなある日、突然隣国の兵が攻め込んできた。 ヴァルをはじめ、王国の騎士達の活躍により何とか撃退するものの、その戦で恋人エノアの両親が惨殺されてしまう。
 それからまもなく「混沌への回帰」という宗教集団が街を訪れる。 その教えは両親を失ったエノアの心に響き、教団への入信を決意させるのだった。 ヴァルは止めたがエノアの決意は固く、遂にヴァルの元を離れていってしまう。
 それからしばらくして、恋人を失い荒れたヴァルの耳に「混沌への回帰」の悪い噂が飛び込んでくる。 エノアの身を案じたヴァルは真実を自分の眼で確かめる為、そして恋人エノアを連れ戻す為に旅に出るのだった。


◇ ゲーム概要

 ゲームはノベル形式のADVとタクティクスSLGを組み合わせた感じです。 物語は14の章で構成されていて各章毎に1〜3回の戦闘を行いますが、話自体は比較的短くサクサクと進みます。

 仲間になるキャラクターは8人で当然全て女の子(笑)。 物語序盤は彼女らとの出会いがメインで進んでいきます。 一応ヒロイン達には好感度というものが存在し、戦闘シーンで敵キャラを倒した時に出現するハートを取らせる事で上がっていくようです。 最終的に最もハートを取らせた好感度の高いキャラとエンディングを迎える事になります。 ちなみに好感度によって物語が分岐するような事はありません。完全に一本道シナリオでした。


◇ システム

 悪名高きADMです。バージョンは3.2で全体的に重め。 セーブは物語の節目毎に20ヶ所に登録出来ますが、セーブファイルではなくレジストリに記録されるようです。 おまけとしては、CGモードとエロシーンの回想モードがありました。


◇ グラフィック

 原画はファーランドシリーズで有名な「山本和枝」さん。 CGは256色で描かれているようですが、フルカラー並に綺麗。 枚数もそれなりに多いようで、一度エンディングを迎えた時に未見CGが27枚もあったのには驚きました。


◇ サウンド

 BGMは全てCD-DAです。 全20曲でノリの良い曲が揃っていてゲームを盛り上げてくれたので個人的には満足。 ただ…1ループが少し短めな上、曲がループする際のSeekでゲーム中の処理が引っ張られるのが難点。
 音声はありませんでした。


◇ 感想まとめ

 ゲームを終えた時の第一声が「やっと終わったかぁ…」でした(笑)。 話が長すぎで辟易したという訳では無く、もうとにかく戦闘シーンが激重なんですよコレ…。 特に最終章に出てくる敵キャラ数の多さとラスボスのタフさで最終章だけで1時間半もかかりました。 そのうち対ラスボスに掛かった時間は45分…「お前はテラリンか?」とか毒付きたくもなるってなもんです。 戦闘自体は凄く簡単なのに、あの鈍重さでかなり損してると思います。

 シナリオの方は一言で書けば無難…かなぁ。 話のテンポは悪くなく、優しいけどスケベなタイプの主人公とヒロイン達とのギャグ混じりの掛け合いはそれなりに笑えて楽しめましたが、エンド後に印象に残るようなものが無いんですよね…。
 それと…テキストは変なところで改頁が入るので、できれば1ページに納まるように工夫して欲しかった。

 とりあえず全てのエンディングを見るには根性が必要ですが、SLGが好きでシナリオ的な期待はせず、ハイスペックなPCをお持ちの方はそれなりに楽しめるゲームかも知れません(苦笑)。


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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