IZUMO2−学園狂想曲− |
発売日:2006.04.28 / Studio e・go! |
全CGと回想を埋めてコンプしました。
所要時間は1stプレイで大体6〜7時間、コンプまでは攻略記事を参考にしつつ15〜16時間くらいだったと思います。
悪霊達との闘いも終わりネノクニから帰還した主人公「八岐 猛」ら一行は平和な学園生活を送っていた。
そんな折に再びネノクニとの扉が開かれ、先の冒険で知り合ったサクヤが主人公達の世界に現れる。
更にサクヤの婚約者と名乗る男やネノクニに残ったはずの親友「大斗 剛」、そして大量の悪霊達まで跋扈するようになってしまい、波乱万丈な生活を余技なくされるのだった…というあらすじ。
『IZUMO2』の続編にあたるADV。
主要キャラのほとんどが前作から引き続き登場していて今回新規に登場するキャラはヒロイン2人と精霊1人だけ。
やはり過去作を踏まえた上での展開がいくつかあるので最低でも『IZUMO2』のプレイは必須かなと感じました。
あとは新キャラ二人が何気に初代と関わりがあったので可能なら初代もプレイしておいた方が良いでしょうね。
一応『IZUMO零』絡みの話も少しだけ存在しましたが、こちらは特にプレイ必須という程では無かったと思います。
ゲームシステムは主に街や校舎の簡易MAP上から移動先を指定していく方式。
移動先にはSDキャラが表示される上、未見イベントの場合は「!」マークも表示される親切設計。
ただしいくつか発生条件が厳しいイベントがあり、考え無しに未見イベントだけを潰していくようなプレイスタイルだと見逃しイベントが多数…という状況に陥りますので注意が必要。
というか、実際に私がそんな状況に陥ってしまって結局攻略サイトのお世話になりました(苦笑)。
シナリオ構成も少々複雑。
大別するとサクヤを含む『IZUMO2』ヒロイン達5人のルートと新ヒロイン二人(凪と汀)のルートに分けられます。
ちなみにサクヤのTrueエンドは他ヒロインのエンドを一通り見る事が条件となるエンディングフラグ方式。
サクヤを除く前作ヒロイン達のシナリオはメインルートの並列世界(パラレルワールド)という位置付けのようで、前作の個別エンド後の世界へ移行することになります。
つまり今回のメインルートは前作で誰とも結ばれてない世界だが、途中で前作ヒロインの誰かと結ばれてる世界へ移行するか否かを選べる訳です。
で、個別ルートの終盤では精霊の勾玉を入手できるのですが、その勾玉を持った状態でメインルートをプレイすることで新たな展開が開かれる…という割と凝った構成になっていて驚きました。
ここ最近のエゴは短い開発期間での粗製濫造メーカーというイメージを抱いていたものですから本気で「エゴってこんな凝った構成で作れるんだ」とか失礼な事を思ってしまいましたよ…いや申し訳ない。
また新ヒロインルートでも途中で猛のライバル兼親友キャラである「大斗剛」の視点で物語が進み、猛側の凪シナリオと剛側の汀シナリオで密接に繋がりのある構成になっていてたのも良い感じですね。
まぁこちらはかなり強引さを感じましたが、それまでのイベントで伏線はしっかりと張られていたので唐突感は無かったですし、前作キャラ達の見せ場も多くて楽しめました。
多視点構成ということで一瞬『IZUMO零』の悪夢がフラッシュバックしたものの、今回は視点変更後の展開が長めだった事もあってか割と感情移入できました。
正直「エゴってやれば出来る子だったんだ…」とか失礼な事を思ってしまいましたよ…いや申し訳ない。
雰囲気はドタバタ学園ラブコメ風味の明るいノリが印象的。
ネノクニの住人だったヤクヤ・ニニギ・ヒミコや精霊達と言った面々がこっちの世界にすっかり順応していてる様や、それを律儀に突っ込む主人公とのテンポの良い掛け合いが笑えます。
後半に学園祭という大イベントがある為、その準備期間でのドタバタ劇やネノクニから出てきた悪霊退治などイベント内容もバラエティに富んでいて良い感じ。
加えてサクヤやヒミコのメイド服や水着姿など、過去作ではお目に掛かれなかったヒロイン達の豊富な衣装パターンと言った見所も多く、先に書いたシナリオ構成も含めて『IZUMO2』の続編というよりファンディスクだよなぁと言った印象を強く抱きました。
個人的には前作でのキャライベントの量には不満だったので今回の仕様は歓迎しています。
エロシーンは人間ヒロイン達は各2回、精霊達は各1回ずつ発生します。
場所やコスチュームは各キャラ毎に嬉しい組み合わせのものが存在しましたが、シーン自体は普通に愛撫→挿入(2回目はフェラあり)という従来のエゴゲーと大差無い感じですね。
なお、ヒロインキャラの中でもヒミコと汀の二人は剛の恋人と許婚という設定なのでエロシーンは剛視点の時に発生します。
汀とのエロシーン中にヒミコが乱入…という展開もありましたが所謂3Pシーンは無し。
まぁエゴにハーレムプレイは期待していないので良いけどね…ちくしょう。
まぁ主人公の音声がエロシーンのみカットできたり、CGの使いまわしが無かったのは高評価ポイントですけど、折角シナリオ構成的に良い感じだったのだから、エロ描写の方ももっと頑張って欲しかったと言うのが正直なところです。
システムまわりでは一度見たイベントを丸ごと飛ばせるようになったのが有難かった。
メッセージスキップは若干遅いのですけどイベントスキップ機能のおかげでストレスを感じずプレイできました。
ただ…相変わらずセーブ可能領域が少ないですねぇ。
私は攻略記事を見ながらプレイしたので不足感はなかったですけど自力コンプの場合はこのセーブ領域の少なさがネックになりそうな気がします。
イベントCGは相変わらず綺麗でしたし枚数的にも特に不満は無し。
ただ立ち絵はちょっと危うい物があった…というか、ぶっちゃけ芹が危うかった。
BGMは前作からの使いまわしが多かったですね。
もっとも個人的にはIZUMOらしさを感じられたので下手に新規の曲を持ってこられるよりは良かったと感じています。
とりあえずシリーズ一通りプレイ済みの自分的にはシナリオの“展開”はともかく“構成”の巧さは好印象でしたし、イベントも数が多いだけでなく一見ブツ切りに見えて実はしっかりと伏線が張られていたし、キャラ同士のノリツッコミ会話も楽しめました。
ファンサービス的な要素も多くて“ファンディスクとして”満足度は高めです。
ただしこれはあくまで既存シリーズを一通りプレイしてるという前提での話なので、未プレイで興味を持った人は初代と2が同梱された「特別版」を入手することを勧めます。
キャラ毎の雑感は軽く(ネタバレあり)。
サクヤ
初代主人公ヒカルとアマテラスの娘。
ニニギの求婚から逃げる為にアシハラノクニに来て猛の婚約者と偽る。
ニニギの正体も割と早くに判明するのですが、まさかヒカルとツクヨミの子とは思わなんだ。
アマテラスとツクヨミの姉妹修羅場対決見たかったなぁ(笑)。
サクヤは今回もメインヒロインのようで、終盤でサクヤを賭けてのニニギとの対決が見所なんでしょうかね。
元々がRPGだったので個人的にはやっぱり今回のようなテキストオンリーだと物足りなさを感じます。
白鳥 琴乃
初代ヒロイン「橘 綾香」の娘。
猛の幼なじみで毎日猛の家まで食事を作りに来る。
個別ルートでは学園祭で琴乃のクラスで催す劇の主役を剛の代役で猛が勤める流れ。
容姿端麗・品行方正な正統派ヒロインの典型だが故に今ひとつ個性が無いのが難点。
白鳥 明日香
琴乃の妹。主人公を「お兄ちゃん」と呼び慕う。
個別ルートでは朱雀が店長代理を務める料理屋でのバイトと学園祭でのメイド喫茶が見所か。
キャラ的には天真爛漫な妹系ですが、前作から引き続きあまり萌え転がるようなイベントは無かったかな。
逢須 芹
初代ヒロイン「塔馬 美由紀」の娘で主人公の幼なじみ。
過去に結婚の約束をしたという幼なじみ定番イベント保有。
個別ルートでは白虎に弟子入りして学園祭の格闘大会で優勝を目指す流れ。
キャラ的には個別ルートはともかく、共通ルートでは主人公の元祖許婚という立場がほとんど感じられないのが残念。
モテまくりな猛に対して嫉妬するような描写が欲しかった。
北河 麻衣
北河神社の巫女さんで学生会会長。
ネノクニの生まれで前作の敵だったオオナムジに育てられる。
個別ルートでは学園祭の準備に奮闘する流れと学園祭当日にやってきた台風(天目一箇)を止める展開。
キャラ的にはクールビューティーな物腰とヤタロウの存在が個性か(笑)。
個人的には結構好きなキャラなんですけど今回は唯の苦労人という感じでした。
冬木 凪
超方向音痴な猛のクラスの副担任。初代で登場した精霊「楓」の転生体。
つかこの設定はちょっと驚きました。
顔は確かに似ているので気付く要素はあったのですが…この原画さんは他のキャラの顔も似て(以下自粛)。
全体的な流れはご都合主義と言うか強引でしたけど楓の悪夢の原因を探るために記憶を探る流れはファンサービス的な意味も含めて楽しめました。
ヒミコ
前作の悪霊の棟梁で現在は剛の恋人。
炉体系キャラだが年齢は数百歳。
色々な意味で見せ場が多く、今回一番美味しいキャラだったかも。
炉キャラとしても明日香よりずっとお気に入り。
倉島 汀
初代ヒロイン「倉島 渚」の娘。剛の幼なじみで許婚…という設定。
剛とヒミコの二人がかりでも適わないという最強キャラだが彼女はヤマタノオロチの転生体で最近は力の制御が不能になりつつある状態。
流石にこの設定はどうよ?とは思いますが、凪との話の繋げ方は悪くなく、ラストバトルも良い感じに盛り上がったんじゃないでしょうかね。
お気に入り順は
ヒミコ > 凪 > サクヤ > 琴乃 > 麻衣 > 汀 > 芹 > 明日香
H可能な精霊では
八房 > 青龍 > 白虎 > 天目一箇 > 朱雀 > 玄武
…あ、青龍と白虎の順番が入れ替わった(笑)。
私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆
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