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IZUMO
発売日:2001.12.21 / Studio e・go!
 全CGとエンドを見てコンプリート。 …とは言ってもこの感想を書いてるのはプレイしてから結構な日数が経過しているので、いくつか曖昧な箇所があるかも知れません。 これの続編のあたる『IZUMO2』、そして『IZUMO零』とプレイして、どうも今ひとつな感触だったのですが、この初代に関しては続編の出来からは考えられないくらい好印象を抱いているのです。 そんな訳で続編との差異も含めて改めて回顧してみようと思った次第です。
 余談ですがオリジナル版に「IZUMO infomation-book」同梱のパッチを当てることで追加イベント(美由紀エロシーン)が見れるようになっています。 『IZUMO2』に同梱されている完全版には最初から適用されているので当てる必要はありません。

 出雲学園に通う主人公「塔馬ヒカル」はある晩に自分を救世主と呼ぶ不思議な女性の夢を見る。 それから数日後、主人公は学園の地下室で祭壇のようなものを発見し、その直後に学園ごと見慣れぬ異世界へと転送されてしまった。 偶然学園内に居合わせた昔馴染みやクラスメイトの少女達と共に元の世界へ戻るために奮闘していくことになる…というあらすじ。


 ゲームはオーソドックスなフィールドタイプRPG。 フィールドマップは3Dポリゴンで描かれており自由に視点の変更が可能です。 このあたりは後のシリーズでも同様だし、マップ自体もなかなか綺麗に描かれていて個人的には満足。 特に中盤から後半にかけて訪れる朱雀神殿は朱塗りの柱や廊下が水面に映し出される様まで描いていて壮観でした。 ただ、グラフィックの性能が貧弱だと目も当てられない状態になりますけどね(苦笑)。

 戦闘は敵/味方含めて素早さ順に行動していくタイプ。 特徴としては主人公達はそれぞれ五行属性の一つを持っていて、例えば主人公の“火”、アマテラスの“土”、渚の“金”と言うふうに五行相性の順に攻撃することでコンボが発生します。 ただし間に敵の攻撃が入るとコンボが繋がらないので、敵と味方の攻撃順をよく見定めて上手く繋がるよう作戦を練る…という戦略要素がなかなか楽しめました。

 それと主人公達はそれぞれ通常攻撃より大ダメージを与えられる「技」を持っていて、これの使いどころを吟味するのも楽しかった。 大技を繰り出したときの攻撃アクションが派手で爽快感があり、敵に乱打を浴びせてる最中は少しずつ敵キャラが後ろに退がっていく演出が良い味を出していたのです。 これの続編にあたる『IZUMO2』では技の派手さは遜色ないものの、後ろに退がる演出が無くなっていたのでかなり味気ない印象を受けました。 なんでわざわざ退化させちゃうんだろう…。

 ただ主人公達が攻撃を行う前に対象の敵キャラが倒されたときは、攻撃そのものがキャンセルされてしまう仕様はマイナス。 『IZUMO2』では残ってる敵に対して攻撃を行うよう改善されていたので、この点だけは後シリーズのほうが上でした。

 ストーリ面ではとにかく先が気になる構成になっていて吸引力が高め。 元の世界に戻るために四聖獣(朱雀・青龍・白虎・玄武)の祠を訪れるステージでは各ヒロイン達の設定に深く関わる展開が用意されていて、そこでのイベントを通じてヒロイン達への思い入れ度が大幅に増した事がとにもかくにも好評価ポイント。 後のシリーズではこういったヒロイン達の掘り下げ描写がほとんど無かったのが大きな不満になりました。

 そして終盤の学園ライフでは主人公達の戦力アップとヒロイン達の萌えイベントが同時に味わえるという構成が素晴らしかったです。 このゲームでは学園ごと異世界に飛ばされたという設定なので、飛鳥時代のような世界に現代学園校舎がどーんと建っている(しかも電気ガス水道が使える)割とシュールな状態なのですが…学園内部に巣食ってる怪物を駆逐することでその施設が使えるようになり、関連イベントが発生する…という流れが結構プレイ意欲を掻き立ててくれました。 例えば放送室を開放すればカラオケ大会が発生したり、プールを開放すれば当然プールイベントが発生する…という具合ですね。 このファンタジーRPGの世界観と学園恋愛物を上手くミックスしたような構成が実に見事で、当時は時間を忘れてプレイしていました。

 学園内に巣食っているモンスター達は結構強さの幅が広く、強い敵は洒落にならないくらい強いのですけど他のイベントを消化していくうちに何時の間にか勝てるくらいのレベルに達していたりして、このあたりのバランス感覚も素晴らしいと思いました。 これを見れば続編の劣悪なゲームバランスがとても信じられなくなります。

 エロシーンはヒロイン1人あたり2パターンほどあったような気がします(←うろ覚え)。 先に書いた学園ライフでのイベント発生順で攻略対象ヒロインが決定されるのですが、エロシーンが発生するのはヒロイン確定後になります。 ただ、セーブ&ロードを駆使すれば1プレイで全てのシーンを回収することは可能。
 シーン自体は普通の恋愛物っぽいというか、セオリー通り普通に愛撫→挿入という感じ。 ただシチュエーションはキャラ毎に幅があったと思います。 つか、個人的にはアマテラスの青姦が一番印象に残っているのですが。
 ヒロインキャラ以外にも精霊との契約時にHが必須なため、全精霊を食えます。 タマモが可愛くってなかなかよさげでした。

 Studio e・go!の代表作と言えば『キャッスルファンタジア』シリーズで、中でも聖魔大戦が根強い人気を得ていますが、該当作品を積んでいる身としてはこの『IZUMO』がまさにエゴで一番の良作と言えるくらいに気に入ったタイトルです。 それ故に後のシリーズの不甲斐なさが泣けてくるので、メーカーさんにはもう一度このゲームのような新鮮かつ嵌れるゲームを期待したいところです。


キャラ毎の雑感は軽く(ネタバレあり)。


永瀬 七海
 弓使い。主人公の後輩で幼なじみ。 弓道部に在籍し、その容姿からファンは多いとのこと。 飢えで理性を無くした渚に「ぷっくりころころ美味しそう」と言われてショックを受ける様がなかなかよさげでした。 担当シナリオでは自殺した友人との再会(?)などそれなりの見所はありましたが、個人的にはちょっと青臭かったかな(苦笑)。

橘 綾香
 薬品使い。化学の教師と保険医を兼任していて主人公とは昔馴染みのお姉さん。 甘やかしオーラが漂っているのでお姉ちゃん好きな方にはポイント高いかも。 私はメガネキャラというだけで駄目でしたけどね。 担当シナリオでは綾香の過去が描かれますが…なかなかキツい展開ですな。 ちょっと『Only You』のあやめを思い出した。

倉島 渚
 レイピア使い。良家の令嬢でフェンシングの腕は高いが料理の腕と成績が悪い。 主人公とはクラスメイト兼ケンカ友達。 担当シナリオではやはり渚の過去…というか家庭の事情が描かれる流れ。 ちょっとご都合主義かとも思いましたが、展開としては悪くないかと。

アマテラス
 薙刀使い。夢の中や異世界で出会う巫女さん。 巫女らしい純朴さが個人的にかなりヒットして今回の最萌えキャラでした。 プールでの水着イベントはなかなか破壊力があって良さげ。 担当シナリオでは他のヒロイン達と信頼関係が瓦解して…という流れ。 個人的にはもっとドロドロしても良かったかなとは思いますが、あまりやると修復不能になり兼ねないので、まぁ妥当だったかも知れませんね。

塔馬 美由紀
 格闘家。 主人公の義妹で主人公に宛てられたラブレターを渡さずに放置したり、それを咎められると逆ギレして主人公を打ちのめしたり…とキモウト素質十分なキャラでした。 ゲーム中でも他ヒロインと異なりどうにも報われない展開が多く、ちょっと不憫ではありますな。 攻撃時の「うりゃ」って掛け声がなんか可愛かったです(笑)。


キャラのお気に入り順としては
 アマテラス > 七海 > 美由紀 > 渚 > 綾香

精霊では
 タマモ > 桃花 > 白虎 > 青龍 > 楓 > 朱雀 > ツクヨミ > 玄武


私的満足度: ★★★★★ ★★★☆☆

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