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風の継承者 -Successor of Wind-
発売日:2004.11.26 / Studio e・go!
 全エンドと全CG・回想埋めてコンプしました。購入動機はメインヒロイン目当て。 まきいづみさんの炉キャラは『シンシア』でも嵌まってましたしね。

 幽霊とか物の怪の類を見ることの出来る主人公はその特技を生かして学生生活の傍らで探偵業を営んでいたが、とある依頼の最中にサキと名乗る女の子の精霊と出会い、それを機に大きな事件に関わっていくことになる…というあらすじ。

 全6章で合間にいくつかのタクティクスバトルが発生するオーソドックスな構成。 1stプレイでは10時間かからないくらいでエンディングに行けたのでエゴのゲームとしては割と短い方だと思います。エンド数は4+1コ。

 各登場キャラクターは事件の黒幕との因縁繋がりや立場的な設定がなかなか良く、1stプレイではそれらが明かされていく過程は楽しめました。 ただ、お目当てのヒロイン以外の設定も一度のプレイで大体明かされてしまう為、2ndプレイ以降は終盤までが退屈になってしまうのが残念。 一応山南姉妹ルートでは他ルートで明かされてない設定などもありましたけど…。

 それと主人公が「探偵」という設定の割には行動が短絡的で冷静さにも欠け、注意力も不足(わざわざ調べ物したくせにその内容を忘却してたり、会話の内容に出てきた人物名を覚えてなかったり)していてイライラします。 普通の学生で偶然事件に巻き込まれたという設定なら全て許容範囲なんですが、それなりに経験を積んで実績もある…と自分で言っておきながら行動が伴ってないじゃん…と。 探偵というと『EVE』の小次郎とか『野々村病院の人々』の琢麻呂とかが思い浮ぶ自分としてはこのゲームの主人公はどうしても役者不足を感じてしまいます。 性格そのものは悪くないんですけど。

 そんな訳で物語的には各設定が明かされていく過程は良いが、探偵物・サスペンス物としての盛り上がりには欠けるなぁという印象ですね。

 ヒロインキャラに関しては「悪くはない」という程度で、萌え度はそれほど高くは感じませんでした。 個人的に期待していたサキに限っては他ヒロインと仲良くした時のヤキモチっぷりとか裸エプロンとか局所的に満足できたので、まぁ良いかなって感じですけどね(笑)。

 エロシーンは1ヒロインあたり2回発生します。 CG枚数はそれなりに使用してますけど、尺は短め。 師匠以外は処女で沙織や晶などは初めて同士の初々しいやり取りが結構良い感じでした(と言っても皆最初からいきまくりなので痛がる仕草が萌えな人には物足りないものがあるかも知れません)。 師匠のほうは…受け属性の方には良いかもね(笑)。

 バトルは精霊を「勧誘」することで最大16体まで仲間にでき、基本的にはそれらを召喚して経験値を稼がせることによって成長させていく…という流れになります。 この精霊を使った育成とバトルシステムは個人的に結構期待していたんですが…結論から書くと激しく期待外れと言わざるを得ないです。

 育成面では例えばヘビ→大蛇→ナーガと一定レベルに達するとクラスアップできるのは良いのですが、同一ユニットの個性がほとんど無いんです。 同じ種類、同じレベルならステータスの値も全て一緒で、違いといえば取得スキル程度。 個人的にはレベルアップ時のステータスはポイント振り分け制にして欲しかったですよ。
 精霊同士の合成は、私は烏と蛇を合成して飛行可能な蛇を作るようなシステムだと思っていたので同じ種類同士のみだと知ったときはがっかりしました。 先に書いた通り同一ユニットだとステータスの値が同じなので合成しても両方が持ってるスキルの統合以外は全く意味ないし。
 異種族間の合成が無理なら、やっぱりユニット毎の個性を持たせ、片方は攻撃力重視で育て、もう片方を防御力重視で育てたものを合成させて攻撃・防御ともに高いユニットを作成することが可能なようにして欲しかった。

 バトル面での一番の不満はゲームバランスでしょうか。 序盤はストーリー進行の合間に訓練という“作業”を行わないとほとんど敵にダメージ与えられません。 反面、終盤でレベル上限に達すると敵が弱すぎて緊張感に欠けるわ退屈だわで、もうちょっと何とかして欲しかったですね。 攻撃アクションがすごく地味なのも微妙に不満。

 まぁ不満点ばかり書いてしまいましたけど、個人的にはもうちょっと開発工数を設けてじっくり作りこめばそれなりの良作になったんじゃないかなぁという印象で、 「外した」というより「惜しい」という感じが強いタイトルでした。

私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO