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らぶ2・ナビゲーション 〜恋の免許講習〜
発売日:2000.08.11 / COCKTAIL SOFT

◇ あらすじ

夏休みを利用し、リゾート満載の南の島に免許を取りに来た主人公。
そこで素敵な女の子達に出会う。
みんな魅力的な女の子ばかりで…。
一緒に授業を受けたり、遊びに出掛けたりと、楽しい毎日を過ごしてゆく。
少し気の弱い主人公だけど、女の子に囲まれて…。


(らぶ2 ナビゲーション パッケージ裏より抜粋)


◇ ゲーム概要

 基本的には2〜4択の選択肢を選んでいくことで分岐・進行するラブコメADV。 ゲームの期間は8月上旬から下旬までの約1ヵ月で、大体10日目くらいまでに誰のシナリオに分岐するかが決まるような感じでした。

 攻略対象ヒロインは5人+α。 選択肢の数は多いですが難易度は低めで、オンリープレイに徹すればコンプリートは容易だと思います。 ただシナリオによっては誤った選択肢を選ぶと即バッドエンドになる娘もいました。


◇ システム

 インストールは問答無用で715MBの容量が必要になります。 主題歌がCD-DA再生のためか、ゲーム起動時にはCD-ROMが必要。

 画面は640×480の窓とフルスクリーン。デフォルトでは窓モードになってます。 メッセージは速度調整不可。 スキップはテキストウインドウの右上にあるスキップスイッチで可能ですが、既読・未読のチェックは無しで画像変化時にも多少もたつく感じがしました。 あと、音声再生と同時にメッセージを送ってくれる「ドラマティックモード」があります。

 セーブやロードはゲーム中にいつでも可能。 セーブ領域は10ヶ所で、この他にもクイックセーブや選択肢、朝、月曜の各ポイントでオートセーブもしてくれますので、うっかりセーブし忘れてかなり前からやり直しという事態にはならず、なかなか良い仕様だと感じました。


◇ グラフィック

 原画は「大田 武志」さん。 『晴れのち』シリーズでお馴染みの方で、個人的にキャラデザインは主人公以外は気に入りました。 あとギャグマンガ調のフェイスCGも良い感じだと思います。 できれば『晴れのちときどき胸さわぎ』のように動きとか効果的な演出があると嬉しかったですけど。

 CG塗りは流石に綺麗です。 イベントの一枚絵などは背景まで凄く丁寧に描き込まれてると感じました。 枚数もキャラによって少々の差がありますけど少ないってことはないです。
 CGモードは最初からトップメニューにあり、キャラ毎にサムネイル表示され随時登録されていきます。 回想モードはありませんでした。


◇ サウンド

 音源はMIDI(GM、XG、SC-55、SC-88)かFM音源から選択。 主題歌はCD-DA再生になってます。 主題歌を除いた曲数は12曲とやや少なめですがゲームの雰囲気や各イベントシーンに合っていて悪くはなかったですね。 特にお気に入りや印象に残ってるBGMは残念ながらありませんでしたけど、主題歌のインパクトは強烈。 このゲームに合っていて主題歌としては良いかも知れませんが…なんて言いますか、聴いて久々にヘナヘナと腰が砕けました(笑)。 けど妙に耳に残るんですよね。

 音声は主人公以外フルボイス。 演技の方は悪くはないと思うんですけど…一部でこのゲームのハイテンションなキャラにはなりきれてないような気がします。 ドタバタ系のシーンなんかでは演技臭さを感じてしまい苦笑もの。

 音楽モードは最初からトップメニューにあります。 それとおまけで主題歌&ミニドラマCDが付いてました。


◇ 感想まとめ

 全体的なゲームの雰囲気としてかなり笑えるシーン…って言うか笑わそうとしてるシーンがあるのは判るんですけど、私的には出来の悪いコントを見ているような感じで全然笑えなかったです。 それどころか前半部分などは特に非常に寒く感じました。
 原因の一つはズバリ主人公。 人間いくつか「生理的に受け付けないもの」というのがあると思いますが、私にとってこの主人公がまさにそんな感じでした(いわばゴキブリ同様)。 気が弱くてオドオドしていて自分の意見をはっきり言えなくてドジでマヌケで他人の気持ちを考えないガキで、おまけに間が悪くてコミカルなシーンを白けさせます。 イベントなどもそういった主人公のマヌケさや、携帯電話を海に落としたり財布を無くしたりと言った自身の不幸っぷりから端を発してるものが多く、私の中で「主人公=嫌い」となってしまったのが楽しめなかった一番の原因でしょうね。 やっぱりこの手のノリのゲームでは『晴れとき』や『Lien』の主人公のようにハイテンションなノリの奴じゃないとイマイチってことを改めて感じました。

 シナリオ自体はヒロインによって若干の差があるように見受けましたが、主人公とヒロインが良い雰囲気になってきた辺りからのラブラブっぷりは悪くなかった。 各シナリオを進めていくうちに登場ヒロインの全員が皆、昔の主人公と面識があることが判明して、ヒロインにとって主人公が初恋の人・慰めてくれた人・励ましてくれた人という「想い出の人」となってるのが笑えたけど、これのおかげで比較的すんなりとラブラブな展開に突入するのも妙に納得できたので良いんじゃないでしょうかね。 このゲームのメインが笑いじゃなくてタイトル通りラブラブな展開だと割り切れば、私的には(主人公以外)満足いくものでした。

 ただしメインヒロインである「七瀬 菜月」と彼女をクリアした後に出る追加シナリオだけはどうしても受け入れられなかったです。 主人公が嫌いなのは先に書きましたけど、このシナリオでは更に良い雰囲気になってきた頃から浮かれまくって人の会話も上の空でアレコレと妄想で一人突っ走り、いざ行動に移すと妄想とは違った展開になって「しょんなぁ〜」と落ち込むという…はっきり言って大っ嫌いな展開っす。 他のヒロイン達もこのシナリオに限っては単なるお邪魔虫に成り下がってるし。
 追加シナリオは、舞台となってる島の伝説に出てくる「桔梗姫」。 その姫の想い人が転生したのが主人公という設定で、桔梗姫は菜月の身体に憑依したりして物語が進行するんですけど…コイツは単なるワガママ娘でシナリオ展開と全然合ってない気がしました。

 エロシーンは…某ヒロインのシナリオでは良い意味でカクテルらしくなく、かなり頑張ってる印象がありました。 でもその他のヒロイン達は予想通り薄く、テキストの方でも“とりあえず”的な喘ぎ声ばかり。 何人かのヒロインはエロ無しでもエンディングを見れたし、あっても無くても良いようなシーンばかりって感じでした。

 F&C作品のノリとか雰囲気とか好きな方ならそれなりに楽しめる物にはなってると思いますけど、私には全く合わなかったゲームってとこですね。 特に主人公とメインヒロインのダブルで駄目だったという珍しいタイプのゲームになりました。


◇ お気に入りキャラ

 「芹沢 透子」。 一番普通っぽくて特別印象に残るようなイベントは少ないんですが、このゲームの場合はそこが安らげて良かったです。


◇ 備考

 所要時間: 1Play 3時間強。総Play 16時間。


私的満足度: ★★★★★ ☆☆☆☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO