Rascal・改 − Game Impression
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Canvas 〜セピア色のモチーフ〜
発売日:2000.11.24 / COCKTAIL SOFT

◇ あらすじ

 私立撫子学園に絵の特待生として入学した主人公「麻生 大輔」。 数々のコンクールで入選してきた彼だが、いつのまにか絵を描くことが入選を目的とした作業になり、学園の売名行為の道具となっていることに気付いてからは筆を取ることもなくなっていた。
 特待生の資格を剥奪されることを告げられても主人公は絵を描く気にはなれなかったが、そんな折に出会った女の子達が次第に主人公の心を癒されていくことに…。


◇ ゲーム概要

 1日に2回、昼休みと放課後に何処に行くか(誰と会うか)を指定し、お目当ての娘に会っていくことで物語が進行・分岐していくタイプの恋愛ADV。 会話中に出る選択肢もエンド条件になってると思いますけど、特に捻ったものは無いので難易度は低めです。

 ゲーム期間は10月10日からの3週間弱。 誰のエンド条件も満たしてない場合はそこで終了ですが、誰かのエンド条件を満たしていればその後は特定ヒロインのルートへ突入します。


◇ システム

 インストール時に音声データをインストールするか聞いてきます。 音声を入れた場合の容量は574MBほど。

 画面サイズは640×480とフルスクリーンの二通りで、デフォルトでは窓になってました。 これはシステムコンフィグで起動時にどちらにするか設定できます。 メッセージは表示速度の調整は不可。 スキップは既読のみを飛ばしてくれるし、設定によっては選択肢の後もスキップが続行してくれるのが有り難いですね。
 セーブやロードはゲーム中にいつでもでき、計10ヶ所まで登録できます。 この他にもクイックセーブ・ロードの機能があり、メッセージ枠の右側にある「Q SAVE」「Q LOAD」のスイッチによって5つのバッファをリング状に使用していくものもありました。 私なんかは通常のセーブ・ロードよりもこちらのクイックモードの方が重宝しました(笑)。


◇ グラフィック

 原画は「☆画野朗」さん「魚」さん「ぽん酢」さんの3人。 全体的に萌え系のゲームによく合う可愛い感じのキャラですね。 少々ぽん酢さんの描いたキャラ(柚子)が浮いてる気がしましたけど(だってマニュアル表紙に描かれている柚子とゲーム中の柚子が全然違う…)。 キャラの立ち絵は表情パターンがいくつかありますけどポーズが固定なのがなんとなく違和感あり。

 CGは全体的にソフトフォーカスが掛かっています。 ほんわかした雰囲気が出ていて良いのですけど、なんとなく疲れ目になったような錯覚を感じないでもない。 あとキャラの立ち絵やイベントの一枚絵は台詞に合わせて口が動きます。 CG枚数は多すぎず少なすぎず。個人的には各キャラ毎にもう数枚欲しかったかな。
 おまけとしてCGモードとエロシーンの回想モードあり。 また、全エンド・全CGを補完するとお祝いCGが見れるようになります。


◇ サウンド

 BGMはGM・XG・GS(SC-55・SC-88)のMIDIかFM音源から選択でき、曲数は13曲。 加えてOPとEDではそれぞれボーカル曲がCD-DAで再生されます。 お気に入りはOPの「Autumn Destiny」と天音のテーマ曲「いつも隣にある笑顔」ですね。
 余談ですがこのゲームのオープニング、私的にはなかなか気に入ってます。 アニメーションがバリバリ入ってる訳ではないし、ゲーム中のCGを使い回してるだけなんですが、見ていて飽きませんでした。

 音声は女性キャラのみフルボイス。演技の方も…まぁ概ね満足です。
 BGMモードはCGと同様に一度誰かのエンディングを見た後にトップメニューより入れるようになります。


◇ 感想まとめ

 王道的な恋愛ゲームと言った感じですね。「さあ、遠慮なく萌えてくれ」という製作スタッフの声が聞えてきそうなくらいベタなシチュエーションのオンパレードだし、登場ヒロインの殆どが最初から主人公に好意を持っていて、主人公の台詞や行動等の一挙一動に頬を朱に染めたり涙目になったりとコロコロと喜怒哀楽が変化するので、非常にわかり易い萌えゲーになってると思います。

 ヒロインが何年も前に交わした約束でずっと主人公の事を想っていたり、親の再婚で義妹になった娘が学年のアイドル的存在だったり…と主人公にとってひたすら都合の良い展開で進み、各キャラの物語の内容も割とお約束的なものになっている為、終始ぬるま湯につかってるかのようで意表を突くような展開はありませんでした。
 まぁ意表を突く展開はともかく、天音が他ヒロインのシナリオで主人公と他ヒロインとの関係をとり持つ展開があるんですが、こういう他キャラとの絡みはもう少し欲しかったかな。 もっとも、天音がお気に入りな私としては結構つらいものもありましたけど(笑)。

 エロシーンは終盤に1回。 某キャラはCGの使い回し&選択肢なしで2回目(なのか?)がありますけど、この手のゲームらしく薄くてあっさりしていました。

 主人公が絵を描けない(描きたくない)理由はわからなくもないんですが、シナリオによってはこの設定と絵を描けるようになる経緯が取って付けたように感じるものもありましたし、ちょっと強引にお約束な展開に持っていってる感じがするのでシナリオ重視の人にはあまりおすすめできません。 ただひたすらキャラに萌えたいという人はプレイしておいても損のないゲームなんじゃないかと感じました。


◇ お気に入りキャラ

 どのキャラも押さえるところは押さえてあってお気に入りなんですが…最終的にはやっぱり幼なじみの「橘 天音」になりました。 ちなみ天音が転んだときに「パンツ見えてるぞ」という主人公の台詞に対して…「ダメだもん!」と返す処が1番のお気に入り。 「何がダメなんだ…」と思う間もなく転びましたわ(笑)。


◇ 備考

 所要時間: 1プレイ2〜3時間 × 6回。


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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