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天空のシンフォニア
発売日:2004.11.26 / カクテルソフト
 発売日から二ヶ月が経過してようやく全員のエンドを見ました。 プレイ時間は1stプレイでは約7時間、2nd以降は5時間前後といったところでしょうか。 尚、オフィシャルサイトで戦闘のイージー化パッチが公開されていたため、二週目以降のプレイではそのパッチを当ててプレイしました。

 魔法使いの主人公は2年間の修行の旅を終え、師と妹が住む空中庭園の家に帰ってきたが師は温泉旅行に出かけて不在。 かわりに怪しげなアフロのおっさんと珍獣から師の言づてとして5人の魔女を育てることを言い渡されるのだった…というあらすじ。

 ヒロインは5人でゲーム期間は6ヶ月。 一週間単位で各ヒロイン毎にスケジュールを組んで体力、魔力、精神力といったパラメータを上げていき、月末になると戦闘が発生…という流れが6回繰り返される魔女っコ育成SLG。 ADVパート中の選択肢では好感度の増減があって3ヶ月目あたりから一番好感度の高いヒロインのルートへと分岐していきます。

 で、プレイ開始してまず感じたことは序盤の掴みが弱いこと。 目的も意図も不明なまま徒漠然と「魔女を育成しろ」と言われるだけだし、ヒロインたちも淡々と紹介されるだけでインパクトが薄い上に主人公も気乗りのしない態度をしているのでプレイヤーをゲームに引き込ませる要素が不足してるんですよね…。 実際、私が発売日からしばらく積んでいたのもこの掴みの部分が弱かったからに他なりません。 序盤で印象に残るようなことと言ったらそれこそカーライルのアフロ頭くらいしかないんじゃないでしょうか(笑)。

 育成でパラメータが一定値になるとイベントが発生したり、週末の個別指導で条件を満たせば回想イベントが発生したり…と押さえるべきところは押さえてある作りになっていて、このあたりは流石と言ったところ。

 ただ、肝心のイベント内容そのものが二言三言会話するだけのようなものが多くて淡泊で薄い印象を受けます。 せっかく女の子5人と一つ屋根の下に暮らしてる設定なんだから共同生活ならではのお約束なハプニングイベントをもっと盛り込んで欲しかった。

 ヒロイン達は義妹のミルフィを除いて全て主人公との面識がないにも関わらずあまり掘り下げた描写がなく、更にほとんどのキャラは精神年齢が低すぎな自分勝手な振る舞いが目についてしまい、キャラの魅力という点については厳しいものがありました。

 終盤で主人公とラブラブになっても全体的に描写が薄くてお互いに惹かれた経緯などもよくわからないため「もう勝手にやってくれ」って感じでしたしね。
 主人公も普段は女の子達と暮らしてることを特に意識するような素振りを見せていないのに、温泉イベントでは覗きにいこうとしたりと性格がイマイチ掴み難いのもマイナス。

 物語構成的にはどのヒロインの場合も中盤に生い立ちや性格からくる挫折や試練と言った鬱期間があるのですけど、その展開への入り方や解決の仕方が唐突で強引に感じられます。 これは先にも書いた「イベントが淡泊で薄い」というのも要因の一つなのですけど、プレイヤーである私が納得できるような説得力がないのですよ…。
 しかも誰のシナリオでも起承転結のタイミングが同じなので2ndプレイ以降だと「そろそろ来るぞ…」というのが予測できてしまうにも関わらず唐突感を感じますからねぇ。 タイミングが予測できるというのもそれはそれで芸がないと言えますし。

 戦闘シーンはかなりシンプル…ですがイージーパッチ未適用だと敵キャラの強さがかなりシビアです。 特にラスボス戦などは適当に育成してたらまず勝てないほどの強さなのでパッチ未適用だと結局は育成面での自由度が低くなりますね。 逆にパッチを当てると簡単になりすぎなので、これはこれで問題なような気もしますけど…いずれにしても作業感が強くて戦術的な楽しみは皆無でした。

 エロシーンは1人あたり1〜3回。 シーン自体はあっさりした描写で個人的にヒロインに対する萌え度も低かったこともあって特筆すべきことはなかったりします。 何より今どきボイス無しってのは………って、そういえば書き忘れてましたがこのゲームは声が入ってるのは戦闘シーンのみでADV部は音声無しなのです。 このあたりからもエロに力を入れていない事を窺い知ることが出来ますね。
 他にサービスシーンとして魔法訓練中のハプニングイベントなどがありますが、そちらもエロ方面での期待はしない方が吉でしょう。

 なんかプレイ後に思い付くまま書いてたら不満点ばっかりになってしまいました。 やはり序盤の掴みが弱くていつまでもゲームの世界に入り込めずにいたのを引きずりながらプレイしてたのが原因じゃないかと思います。 掴みさえOKなら多少シナリオがアレでも勢いでプレイできてしまうものですし。

 不満点ばかりなのも難なので一応セールスポイントを挙げると……(考え中)……えっとキャラデザインとOPムービーでしょうか…。 特にOP曲の「光を求めて」は個人的にはかなりお気に入りです。


 まぁそんな訳でカクテルソフト復活を印象付けるタイトルとしては些か弱いのは確かですけど、よく考えたら以前のカクテルもそんな感じのゲームが多かったし、音声なしというのを除けば「いつものF&Cゲー」と言えるかも知れませんね(苦笑)。

私的満足度: ★★★★★ ☆☆☆☆☆

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