Rascal・改 − Game Impression
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BLUE
発売日:2003.07.25 / キャラメルBOX
 全エンドとCGを見てコンプリート。 購入動機は同メーカーの『めぐり、ひとひら。』が気に入ったので前作もプレイしたくなったから…。 もっともプレイ開始したのは購入から1年以上経過してからなんですけど(苦笑)。

 足の故障で生活の全てを注ぎ込んでいたバスケットボールを諦めざるを得なかった主人公。 それから半年…気の合う仲間達とのバスケの無い日常生活にもそれなりに楽しんで日々を送るようになってきたところに転校生「霧島水帆」がやってきた…というあらすじ。


 攻略対象ヒロインは6人。1stプレイは約4時間程度でしたが、一部のキャラはなかなか難易度が高くて苦労しました。

 ゲーム構成的には序盤〜中盤までが共通パートとなっていて、場所移動や選択肢でお目当てのヒロインを追いかけていくことになります。 話の展開としては気の合う仲間とワイワイ騒ぎながら過ごす普通の学園物。 割とスローテンポなんですけどテキストは読みやすいし期間的にも短めで、何より友人キャラの祐一や春がなかなか良い味を出していて楽しい雰囲気の中で進行していくのでダレなかったのは好印象。 ただ一部のヒロインのキャラ立てが少々弱いかなぁという印象を受けます。 個別シナリオが展開するまで主人公との関係と記号的な性格くらいしか判らなかったキャラもいましたし。

 中盤以降になると主人公がバスケを断念した出来事が話しに絡んできて物語が動き出します。 ちょっとネタバレぎみになりますけど、つまりはバスケを諦めた事は主人公だけでなく、彼を取り巻くヒロイン達にも少なからず影響を及ぼしていて、そのことに気付いた主人公がヒロインと共に新しい道を進んでいく…といった感じの成長物なんですが、物語の転機になるヒロインの言動が一部でかなり唐突に感じてしまうのが残念。

 先にも書いたようにヒロインのキャラ立てが弱いというのも一因なんですけど、そんな理由であんな行動に及ぶのは不自然だろ?と感じるものが結構あるんですよね…。 その場で主人公に言えば全て解決しそうなものを不自然に引っ張ったり、更にはエゴの押し付けまがいの事までしてくるヒロインもいてちょっと萎えました。

 逆に言えばこの唐突…というか強引な展開を許容できてしまえば雰囲気の良い学園青春物の話として楽しめると思います。 やろうとしてることや言いたいことはわかり易いですし主人公も好感の持てる言動をしてくれますから。


 エロシーンは“基本的に”1キャラ1回ずつで一応全て初物。 濃さはそれほどないのですが、どのキャラも半脱ぎ状態での行為なのがなかなか良さげです。 加えてこのキャラと言ったらこの衣装だろう…というものできっちりと描いてくれるのもマル。
 それと意外だったのが教室とか体育倉庫とか、あまり初めて同士では見ない場所でのシーンが多く、普通にベッドでやるキャラの場合でもヒロインの状態が普通じゃなかったりして少し意表を突かれたかも。 まぁ製作者側が狙ってやってるんでしょうけど、思惑通りそれなりに印象に残りました(笑)。


 CGは枚数的に少々物足りなさは感じますが、物語の短さを考慮すればこんなもんかも知れません。 時期的に衣替えを挟んでるので立ち絵の衣装パターンがそれなりに用意されているのは良かった。 それと背景画が綺麗に描かれていたのも好印象。
 BGMはゲーム中はそれほど印象に残った曲はありませんけど、OPとEDのボーカル曲はどちらもお気に入り。 一応サントラも購入したんですけど、これがなかなか見つからなくて苦労しました(苦笑)。


 色々と突っ込みどころはあるし全体的にも小粒な印象ですが、雪乃やなずなルート、そして春のキャラクターなど一部で好印象を受けたものもあり、廉価版の2800円という値段なら個人的に十分満足のいく内容でした。


以下、ちょっとだけキャラ別の雑感。


霧島水帆
 主人公のクラスにやってきた転校生。 優等生の仮面を付けてる…という設定の割には素の性格もほとんど変化ないのは寂しいですね。 もっと砕けた性格にしてギャップを楽しめるような展開だと良かったのに…。 雨に濡れて恥ずかしがる仕草とか負けず嫌いなとことかもっと掘り下げて描いてくれたら萌えれたかも知れませんが、それでも個別ルートのあの展開で幻滅するかな…。 個別ルートはフラグがシビアで苦労しました。

河原崎春
 主人公の友人で女バスのエース。 全ヒロイン中で最もキャラが立ってたし、他のどのヒロインルートでも友人キャラとして活躍してくれるのは良い感じ。 ただ個別シナリオが水帆とほぼ共通なのがちょっと残念。

朝凪鈴子
 主人公の幼馴染で年上眼鏡キャラ。 天然ボケで妹みたいに世話の焼けるお姉さんというのはちょっと新鮮ですが人に向けて矢を射たり中盤の思い込みからくる言動が理解不能だったりと少々DQN度が高いのがマイナス。 個人的には眼鏡を外した状態がデフォだったらまだ良かったんですけど。

日向なずな
 主人公の義妹。 攻略対象から外れた場合はほとんど出番がなくてゲーム中で一番影が薄いのが不憫。 ただし個別ルートの展開は色々な意味で1・2を争うくらい印象的でした。 『シャマナシャマナ』のリースといい、このライターさんは大人くて主人公依存度の高い妹が好きなのかな?

柳雪乃
 行き着けのレストランの看板娘、兼後輩。 全ヒロイン中で唯一バスケと関係ないシナリオですがストーリー展開の描き方が良く、ヒロインの抱えている問題とそれを知った時の主人公の言動はかなり感情移入度が高くてプレイ中は一番楽しめました。 雪乃も、このシナリオ限定で出てくるもう一人のヒロインも共にお気に入りなので、できれば最後の展開はもう一押し欲しかったかも。

葉月みりあ
 外見が小学生な世界史教師で、あとは……首輪? 一応個別ルートのフラグ管理はあると思いますけど、みりあ先生エンドはほとんどオマケ的な扱いなのが不憫です。 エロシーンもかなり強引だしねぇ。 個人的にはみりあ劇場をもっと見てみたかった(笑)。


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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