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キャラメルBOX やるきばこ
発売日:2005.06.24 / キャラメルBOX
 キャラメルBOXのファンディスクです。 過去の同ブランドのタイトルは一通りプレイしてるし、なにより『シャマナシャマナ』のラビシナリオがあるとあっては買わない訳にはいくまい…というのが購入理由(笑)。

 収録コンテンツおよびその雑感は以下の通りです。


処女はお姉さまに恋してる

Appendix−V 「宿り樹の腕輪」
 『おとボク』紫苑シナリオのエピローグ直前にあたる時期のショートシナリオ。 元々『おとボク』ショップ特典CDに音声無しで収録されていたものですが、今回のファンディスクで音声付きで再収録されました。
 内容は紫苑の手術後、瑞穂と恋人同士になった紫苑が圭から貰った“宿り樹の腕輪”に願を掛け、残り少ない学園生活を楽しむ…というもの。 卒業式の答辞を瑞穂と二人でやることになる経緯が語られたり、放課後の教室でのエロシーンなど紫苑さま好きな人には割と満足いく内容だと思います(エロは相変わらず薄味ですけどね)。 でも個人的に一番印象に残ってるシーンは紫苑に腕輪をプレゼントした圭に対してヤキモチを焼く美智子だったり(笑)。


Appendix−VI 「宮小路家のお正月」
 『おとボク』奏シナリオの6話と7話の間の話。 本編では奏と紫苑とで正月を一緒に過ごしたとしか記述されてませんでしたが、実際にどのように過ごしたのかがこのショートシナリオで語られています。
 正直、私的には奏よりも瑞穂きゅんと紫苑さまの晴れ着姿を拝めたのが何よりの収穫かな(笑)。 今回初登場となる宮小路家(鏑木家)のメイドの楓はなかなかキャラが立っていて印象に残りますね。 あと…相変わらず薀蓄が多いのですが、お屠蘇の起源を知ることができたのは思いも寄らぬ収穫でした(笑)。


Appendix−VII 「おみやげに於ける諸問題」
 エロゲ情報誌「TECHGIAN 2005年3月号」の付録CDに収録されていたデモシナリオ。 元々は前編・後編と別れていて音声は一部のみ、そして寮に住む4人+緋紗子先生のキャラ紹介がありましたが、今回収録されているのはフルヴォイスではあるもののキャラ紹介部分は省かれていました。 雑誌収録版でのキャラ紹介文に突っ込みを入れる瑞穂とまりやは結構笑えたので今回省かれていたのはちょっと残念かな。
 内容は本編の誰のシナリオかは不明ですが、正月明けの寮での一時を描いたもの。 旅行から戻った まりや がお土産と称してランジェリーやエログッズを渡してまわり、下級生組の下着姿や由佳里の自慰あたりが見所となっています。 まぁまりやのキャラが良く出ていて悪くないと思いますよ。


Appendix−VIII 「翼を継ぐ者たち」
 『おとボク』貴子シナリオのエピローグ直前にあたる時期のショートシナリオ。 本編ではダンスパーティーで貴子と踊ることは出来ませんでしたが、ユーザーからの要望が多かったのか、生徒会の後輩たちの計らいで瑞穂と踊るイベントがあったり、CG一枚ながら呂律が回らないほど感じまくるエロシーンがあったりとファンサービスのシーンが割と多かったと感じました。


Special 「卒業旅行に行きましょう!」
 卒業が間近に迫った2月に皆で温泉に卒業旅行に行く話。 他のシナリオと異なり、このシナリオのみ選択肢が数回発生し、場合によってはミニゲームのリバーシで対戦する事もあります。 リバーシの勝敗によっても後の展開が異なるのでCGコンプはちょっと面倒かも。 ちなみに旅行先は『めぐり、ひとひら。』の舞台と同じ「ゆかり神社」のようです。
 瑞穂が絡むエロシーンはありませんが圭と美智子の出会いが語られたりレズシーンがあるので両キャラのファンの人は必見かと。 個人的には貴子絡みのイベント(卓球や膝枕)がお気に入りで、最後のオチも割と好み。 本編では無かった一子と紫苑or貴子の会話など、見所は結構ありますね。 特に一子と貴子の会話などは瑞穂と出会って考え方が変わった貴子の様子が描かれていて良いかと。 ただ紫苑は今回影が薄いのが不満と言えば不満かな。


シャマナシャマナ

オリジナルシナリオ ラビ特別編「Little Knights」
 『シャマナ』本編での太陽祭後が舞台。 本編では既にヒロインが確定している時期の話なのですが、今回はラビの特別シナリオということで状況的にはバッドルートの延長戦上の流れだと思われます。 ちなみにミリアとエーファは登場しません。

 システムまわりは本編のものと同様。新規CGは合計10枚(うち8枚がラビのCG)。 雰囲気やキャラとの会話のノリなども従来のままで、ラビとクムのノリ漫才などは相変わらず笑えて楽しいです。

 話的にはラビの幼なじみであり貴族の令嬢という設定を活かした恋愛面の流れと、街の脅威となっている肉食み(にくはみ)や街をうろつく不審な男の存在、そして未来を占う妖精…と言った物語的な流れが同時進行していく感じ。 少々淡々としている印象を受けますが話の展開は悪くないかと。 中盤から終盤にかけてはニスィエンのおっさん絡みで話が大きくなってしまった感がありますけど上手く纏めてると思います。 ただ…当たり前ですけど『シャマナシャマナ』本編を未プレイだと世界観や主人公の設定などで訳わからないだろうなと思えるシーンが結構ありますね。

 エロシーンは終盤に1回発生。 愛撫→パイズリ→騎乗位という流れですが、エロ描写が弱めで喘ぎ声に頼ってる感じがして、個人的には今ひとつと言ったところ。 まぁそれでも本編に比べれば良くなってる…かな。

 戦闘シーンをはじめ、ラビや主人公の告白シーンなどでも淡々としていて盛り上がりに欠けるのが残念ではありますが、本編でラビが非攻略キャラだったことが心残りだった私としては結構満足できた内容でした。


月踊亭にて -at Moondance Dinner-

 『BLUE』と同じ街を舞台にしたオリジナルADV。 たった一人の肉親だった妹の「いのり」を失い、失意のどん底に陥って雨の街を彷徨っていたところを「文月涼子」に拾われる…というあらすじ。

 登場するヒロインキャラは5人…かな。 ゲーム中に出る選択肢によって3つのエンディングに分岐します。 システムまわりは他の同メーカーとほぼ同じで若干もたつく箇所があった以外は一通り必要な機能は押さえていると思います。 CGは27枚ほどで、プレイ中はちょっと物足りなさを感じました。 難易度は一部のイベントを見るのに苦労したくらいなので、このメーカーとしてはそれほど高くないと思われます。

 話の展開は妹を失って目標を見失っている主人公が涼子が経営する「月踊亭」のアットホームな雰囲気や従業員たちと接していくうちに次第に立ち直っていく…という成長物かな。 出だしでかなり凹んでる主人公なのでヘタレ言動を覚悟していましたが、予想に反して社交的だし年齢の割に苦労人ということもあり何事もそつなくこなす好青年。 加えて月踊亭のちょっと小洒落たジャズ喫茶という舞台と相まって雰囲気はなかなか良好でした。
 話の内容的には人の幸/不幸感とか兄妹愛…とりわけ兄の妹に対する“無償の愛”などを割とマジメに描いてますね…深みはそんなにないけど。 ヒロイン達の設定も一部を除いて突飛なものはあまり無く、それでいて話の展開に上手く活かされていて好印象。 萌えとは異なるヒロイン達の人間的な魅力は過去の同ブランドのゲームをプレイしてると異色に思えますが、個人的には新鮮に感じて楽しめました。

 エロシーンはエンディングのあるヒロインに関しては複数回発生(と言っても涼子以外は2回だけですけど)。 テキスト描写はやや淡々としているもののエロシーンへの導入描写は悪くないし、一部では卑語で盛り上げようと頑張ってるのが感じられるし、声優さんの演技も良好で思ったよりは良かった。 まぁ実用度は高くありませんしCG枚数不足な上に複数回Hのあるキャラも使い回しが多いので過度の期待は抱かない方が吉と思いますけど。
 また、妹の「いのり」も天使として登場していて、普段は主人公には見えないもののルートによっては主人公とのエロシーンが発生するので、やや変則ぎみではありますが実妹とのエロシーンに一言ある人は見てみる価値はあるんじゃないかと。 実妹とHすることに対する背徳感や葛藤はまったく描かれていけどね(笑)。

 単体のADVゲームとしてはボリューム的に寂しいものがありますが、キャラメルBOXとしては珍しく年上ヒロインが多く、それでいてブランドの特徴である妹キャラの存在も決して希薄にはなってないので、ちょっと別路線を取り入れた意欲作として楽しむことができました。


きゃらばと! CARAMELIC BOUT

 キャラメルBOX歴代キャラのカードを使ったカードバトルゲーム。 私はこの手のカードゲームをプレイしたことが無いのですが、ここ最近一部のエロゲを買ったときに付いてくるカードはこういう遊び方をするんでしょうかね(無知ですまん)。

 ゲームモードではキャラメルBOXの過去タイトルから一人ずつヒロインが登場し、計5戦します。 プレイヤーが勝てば壁紙を取得していき、最後の5人目に勝てばスタッフロール。 壁紙は合計17枚…かな。ゲームモードの他にフリーバトルモードもあり。

 バトルに勝つこと自体はそう難しくはありませんが、カードの種類はかなりあってなかなかコレクター魂を刺激してくれます。 この手のカードゲームでは定石かもしれませんけど、支援カード次第でかなり難易度が変わってくる感じですね。 デッキの作成やら使用するカードの選別など、なかなか奥が深くて楽しめました。 できれば会社のPCにインストして休み時間などにちまちまやりたいゲームですが…無理だろうな(笑)。


華麗なるReversi

 リバーシです。それ以外の何者でもありません(笑)。 対戦相手は『おとボク』のヒロイン達なのですが…由佳里以外は強すぎです。 由佳里に勝ったときには特にご褒美などは無かったので単純に暇潰し用かな。 全員に勝つと何かあるのかも知れませんけど、私には無理。



 上記コンテンツ以外では音声フォルダにシステム音声とおまけムービー(おボクさま、ツャマナOP)があり、ムービーは地味に笑えます。 他にはマニュアルに『おとボク』のショートシナリオが2つほどありました。
 購入当初はファンディスクとしてはちょっと高めの7140円という価格に引いたものですが、実際プレイしてみて割高感は全く感じませんでした。 ファンディスクということで一見さんには手を出しにくいでしょうが、キャラメルBOXのゲームを一通りプレイしていて思い入れもそれなりにある自分的には十分満足感の得られたタイトルでした。

私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

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