Rascal・改 − Game Impression
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ブラウン通り三番目 -Love is the third as Brown.-
発売日:2003.03.28 / ソフトハウスキャラ
 全CGとイベントを補完しました。 所用時間はコンプまでに約50時間…1周するのに平均6時間くらいだったと思います。

 元冒険者の主人公「ジャック・ゴールドアイ」は許婚を迎えにカナードの街を訪れたが、そこで見たものは今にも潰れそうな店「エネッサ」を一人で経営している少女「リズィ」の姿だった。 お互いに結婚に関しては合意したものの、主人公はリズィの強い要望によりエネッサのマスターとして店を盛り立てていくことになる…という話のお店経営SLG。


 ゲーム期間は3年。主人公の両親がお店経営に反対していて、それを認めてもらう条件として半年毎に両親から出される依頼を達成させる必要があります。 依頼を達成できなかったり資金がマイナスになると即ゲームオーバーとなりますが、このあたりの難易度はかなり低くて敢えて狙わない限りゲームオーバーになることはないです。

 ちなみにエンディングは全部で8種類。 ヒロインキャラは4人いますけどエンディングの存在するキャラは2人だけです。

 ゲームの進行は「販売」「仕入」「整理」などのコマンドを実行することでポイントや資金が溜まっていき、そのポイントや資金を使用して店内を改造していくことで更に多くの商品を置けたり来客数が増えて売り上げが増していく…というのを繰り返していきます。 費用の割に効果は今ひとつな物もいくつかあるのでこのあたりはプレイヤーがそれぞれ試行錯誤して効率の良い手順を見つけていくゲーム性がありますし、最初は瓦礫や破損箇所まみれだった店内が段々と豪華になっていく様子は見ていて気分が良く、視覚的に達成感を感じられるのも良かったです。

 扱う商品は冒険者の店ということもあって「飲食」「雑貨」「装備」「薬品」「魔法」「エロ」と多種多様なのは良いのですけど、これら商品の仕入れはランダムに選ばれる仕様になってるのが大いに不満。 同じ条件の元で仕入コマンドを実行した時に、売値5Bのサンマを入荷することもあれば売値45万Bの村雨を入荷することもある…というのはいくらなんでも差がありすぎでしょう(笑)。

 やはり商品はリストから選べるようにして欲しかったし、レア度の高い商品は商人との評価値に関係したイベントで入手したりお抱えの冒険者に見つけてきて貰ったり…という感じにして、レア度の高い商品を所持することで店の知名度が上がるようなシステムだったら良かったかも。 ほら、中古エロゲ屋なんかでもプレミアの付いたタイトルを売る気ねぇだろってくらいこれ見よがしにショーケースに入れて展示してたりする店があるじゃないですか(笑)。 せっかくおまけモードにアイテム一覧があるのだからプレイヤーの収集欲を煽るような要素を入れて欲しかったです。

 それと序盤の重要な資金源として「冒険者への依頼」というのがあるんですが、個人的にこれをもう少し凝ったシステムにして欲しかったですね。 具体的には先に書いたようにレアアイテムの取り引きとか、淡々と依頼をこなすだけでなくラネットやグランディのようにもっと人間味を持たせたイベントを用意しても良かったのではないかと。
 依頼発注の仕方も[何処で][何を][どうする]というのを機械的に選ぶだけなので面白みが無いです。 まぁこれはこれで日本語として変な依頼が出来上がったりして笑えるのですけどね。例えば…
砂しかない砂漠で、
           周りを脅かす疫病を、
                     嫌というほど持ち上げて欲しい

………………………どうしろと…。

 シナリオやキャラクターに関しては印象薄め。 主人公もヒロインも共に設定や性格は良い感じなのにイベントが淡泊すぎてあまり印象に残らないんですよね…。 特にリズィは両親関連のイベントをもっと初期に出して、後半は主人公とのラブラブ展開か他ヒロインとの修羅場を色々と描いて欲しかった。
 で、リズィ以上に勿体無かったのが準ヒロインのマーチェリッカやサブヒロイン達。 このメーカーさんってツンデレ系に限らず不器用で可愛い系のヒロインを描かせたら結構良い感じだと思うんですよ…。 特に抑えていた気持ちの枷が決壊したときの言動なんかは淡々としつつも結構萌えるものがあるので、これでもう少し錬り込んでくれたら嬉しいんですけどね。

 主人公もかつて知名度の高い冒険者パーティーのメンバーだったという設定をもっと活かした展開を作れた気がして惜しいです。 他のメンバーも全員出てきて欲しかった。

 エロシーンはヒロインごとの初Hシーンはそれなりに良いとは思います(とは言えセラやラネットは1回しかありませんが…)。 ただ後にランダムで発生する汎用エロシーンは経営パートの終わりにいきなり途中から始まるものが多い上に数クリックで終わってしまうものばかりなので鬱陶しさすら感じるほどです。 ファンタジー世界ならではの特殊シチュというのも無いのでエロ方面での期待はしない方が良いでしょう。 個人的にはリズィとマーチェリッカの二股エンドを用意しておきながら、3PシーンはED時のCG1枚と数行のテキストだけというのが非常に悲しかった…。

 2ndプレイ以降で飛ばせるイベントと飛ばせないイベントがあるのは何故かとか、色々と不満点はありますが、プレイ中は時間を忘れてプレイに集中してしまうほど遊べて満足度は割と高いです。


私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

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