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グリンスヴァールの森の中 〜成長する学園〜
発売日:2006.06.16 / ソフトハウスキャラ
 全CGと回想を埋めてコンプ。 所要時間は1stプレイ約4時間、以降も一周あたり3〜4時間ほどかかり、CGやイベント補完まで含めるとコンプまでは計20時間くらいでした。

 小さな学校の教師をしていた長寿族の主人公「クライス・ディエルトン」はグリンスヴァール王国に新たに開設される学園の学園長を命じられる。 そこは深い森の中にひっそりと建つ小さな学園…。 主人公は学生時代の同級生「ヴィヴィアン・ワールフェン」の協力を得て少しずつ学園を繁栄させていくことになる…というあらすじ。


 様々な施設を作って学園を成長させる「学園育成SLG」。 世界観は『巣作りドラゴン』や『ブラウン通り三番目』などと同じソフトハウスキャラ独自のファンタジー世界。
 ゲームの展開としては学園の発展 → 優秀な卒業生の輩出 → 学園評価上昇 → 新入生増加(入学金や支援金も増加)→ 更なる学園の発展…という流れ。 細かいパラメーターなどはマニュアルやオフィシャルサイトを参照してください(笑)。

 プレイヤーのすべき事は施設の建設、臨時予算投入、教育方針変更、教務の四つだけと少なく、更にこれらのコマンドを実行できるのは一年に一つだけ。 選んだコマンドや学園の発展具合によってイベントが発生していく仕組みで、ヒロインとのイベントも当然このときに発生します。
 初期状態での期間は50年ですが、一度クリアすると少し初期状態が充実したモードが選べるようになり期間も100年に増加。 そのモードで更にいくつかエンドを見るとまた違ったモードが選べるようになって、以前のモードでは攻略できなかったヒロインルートが開放される…って感じのメーカー過去作でもいくつかあった繰り返しプレイ前提の作りになってました。 ちなみにヒロインは5人、エンド総数は11(実質的には10)種類です。


 メインであるSLG部分は何と言っても学園の発展具合を実感できるのが楽しい。 森ばかりだったエリアに校舎や関連施設を設置していくことで段々と学園都市として発展していく様や、次第に人で賑わってくる王国や学園の様子を視覚的に確認できる事がやはり箱庭系育成SLGの醍醐味でしょうし、好きな人には堪らないものがあると思います。 限られたエリア内で「この辺は兵舎関連エリア、こっちは商工業関連エリア」って感じで、ある程度なら好みのレイアウトで発展させていけるのも嬉しいところ。

 施設の種類は初期状態では非常に少ないですが、関連施設を複数設置することで種類が増えていきます。 例えば兵学校舎を複数建てたら訓練場や闘技場が設置可能になる…という感じですね。 これはヒロインの登場やイベントの条件にもなってました。
 またいくつかの施設は生徒数やパラメータが増えてくるとレベルアップして最大で五段階まで改築されていきます。 最初は小屋のようだった校舎が貴族の館のようになっていく様を見ていくのはやはり何とも言えない充実感や達成感があって良いですねぇ…魔法校舎なんて最終的には宙に浮いてるしな(笑)。

 施設建設と教務以外のコマンドはあまり使いどころがありませんでしたけど、使えばそれなりに目に見えて効果が発揮されるのはマル。 まぁ色々とコマンドを試行錯誤してみるのもこの手のゲームの楽しみですから使用頻度はともかくコマンドとしてはあっても良いと思います。

 そして学園を発展させていくプレイテンポの良さも好印象。 発売前に体験版をプレイした時は「一年に一回しかコマンド実行できないなんて少なすぎじゃね?」とか思ってたし、何より女の子と話をするのも仲を進展させるのも年単位という“まったり”っぷりに、毎日時間に追われ忙しなく生活してる身としては嫉妬を感じてしまったのですよ(笑)。 ですが50年・100年という単位で繰り返しプレイが前提となってくると丁度良いテンポに感じられました。

 不満点としては個人的に「やり込み要素の低さ」が一番に挙げられます。 施設の種類などは追加条件のパターンさえ掴めれば全種類制覇は容易なのでCGや回想をコンプしてしまったら正直やることが無い…。 個人的な要望としては卒業生の職種にレア職業(巣ドラのレアモンスターのようなもの)を設定してゲーム中に輩出した卒業生の職種一覧を見れるようにしてくれれば全職種制覇まで頑張れたと思います。

 他には戦闘の発生頻度にムラがあるとか、王国からの依頼が無視しても問題ない程度でしかないとか、ほとんどの施設は出入口が南側に付いてるため景観に凝る身としては方向指定が欲しかったとか細かい不満は色々ありますけど、どれも許容はできる範囲。
 客観的には延々と同じ事を繰り返すために作業感を強く感じる…というのも当然あるでしょうが、個人的にはプレイのたびに偏った育成(学園全体を城塞化したりとか)をしていたので作業感はほとんど感じませんでした。 毎回同じような育成をしてたら…そりゃやっぱり飽きてたかも知れません。


 シナリオはヴィヴィルートで長寿族に関する秘密が明かされたりするものの、基本的には学園を発展させる過程で知り合った女の子と仲良くなるだけ。 もちろんヒロイン毎にそれなりに設定や展開が異なるものにはなってるし、Hしたあとの主人公への懐きっぷりも良くてシナリオはともかくヒロインの萌え要素は高かったです。 イベント的には全員とHしてる状態でのヒロイン同士の連携が楽しかった。
 今回は設定的なイベントをおまけモードにまわさず、本編中に発生してくれるのも良いですね。 いや本来そうするべきなんでしょうけど前作のDCでは重要イベントがおまけモードに回されてしまった事が不満だったので一応。


 エロシーンはヴィヴィとシャルロットが20回前後、その他の3人が10回前後発生。 数だけ見ると多いですが、半分くらいのシーンはCG使い回しの上に主人公が速射する非常に短いものになっています。 初Hや新規CGが表示されるシーンはテキスト的なエロさは皆無ですけど声優さんの嬌声でかなり引っ張ってくれてそれなりの尺がありました(笑)。 先にも書いたようにキャラ的な魅力は結構あるので音声リピートを駆使すれば実用可能かも…。 できれば無限リピート機能があれば良かったですね。

 シチュエーション的には初Hシーンがやや強引…というかメルエあたりはほとんど強姦ですが基本的には和姦系。 このメーカーの主人公としては珍しくアナルも多めでした。
 ただシャルロットだけは特殊で、これから起こり得る不幸を主人公とのHで体現してその不幸を取り除く…という設定なのでほとんどがレイプ系。 しかも外見や場所もヴァーチャルに体現されるのでCGも見知らぬ男と女のものになってます。 輪姦あり母娘丼あり触手あり…と結構シチュは豊富。 ただ未来に起こる不幸を取り除いてるという建て前があるので精神的なダメージは少ないですね。 鬼畜が苦手な人には良いかも知れませんが。
 多人数プレイは先の母娘丼の他はハーレムエンドで4Pと3Pの組み合わせのみ。 内容的には過去作のハーレムエンドよりはマシな程度ですけどね。 恒例の作中作も7つほど存在します。


 ゲームの目的は示されるけど、その手順はプレイヤーが各自で模索する…というこのメーカーの色を踏まえた上でのまとめですが…箱庭系育成SLGとしてプレイしていて非常に楽しかったし、テンポやゲームバランスも良く、ヒロイン達も良い感じで高い満足感を得られました。 繰り返しプレイによる作業感は育成スタイルを変えることでそれほど感じずに済んだけど、やり込み要素の低さが個人的には残念だった…と言ったところです。


以下、キャラ別の雑感(ネタバレあり)。


ヴィヴィアン・ワールフェン
 主人公の学生時代の同級生で成績は常に主人公の二番手に甘んじていたためライバル視されている。 長寿族で年齢は主人公(七百歳)の倍以上らしい(笑)。
 シナリオ展開は学生時代から主人公を好きだったが、神の封印のせいで長寿族同士だと生殖能力が無い事を知っていて主人公の告白を断る流れ。 その封印を解く手段というのが精霊・人間・光神族・魔族とのHという設定に笑った。 でも、ここで封印解除儀式の5Pか?とか思ったのに「もう封印は解けてます」とか言われて椅子からコケそうになりました。
 枷が無くなった後のデレっぷりは強烈。中の人が青山ゆかりさんという事もあるでしょうが、主人公への甘えっぷりヤキモチが可愛すぎ。 エンドはヒロイン最多の3種類。

シャルロット
 学園の精霊。見た目はピンクのストレートロングという正統派ヒロインだがゲーム中で一番エロに貢献してましたね。 まぁほとんどはシャルロットの容姿じゃないけど(苦笑)。
 シナリオ展開はシャルロットが主人公に本気で惚れたため、学園が精霊喰いに襲われるが、学園生達で精霊喰いの襲撃を追い払う流れ。 この襲撃…軍事レベル99でも学園の損害が結構でかいです。 まぁその頃は資金が有り余ってるから問題ないけど。
 キャラ的にはかなり好きなのですが、主人公に対する態度は終始変わらないので印象には残りにくいですね。 エンドはヴィヴィ同様3種類。 一周目はほとんどシャルのとりあえずエンドになるんじゃないでしょうかね。

ニキ・ニッカ・ニーエン
 兵学校舎2つで出現する獣族の娘。武闘派ではあるけど学業も優秀らしい。 おまけシナリオでは巣ドラのユメと同郷である事が語られるけど、これって正式な設定なのかな。
 シナリオ展開は発情期を抑えられなくなったニキが主人公を押し倒す流れ。 エロシーンは主人公の肩に噛み跡付ける展開が印象に残ってます。

メルエ・ユーナギワール・フェレインダーシュ
 産業系発展で出現する天界の住人。 周囲からお嬢様扱いされ実際そのように振舞っているが実は割と腹黒かった。
 シナリオ展開は学園生活が詰まらないからクーデターを起こそうとして主人公に止められる流れ。 そのときの選択肢は4つ出るのですが正解以外は殺されるというのが凄い(笑)。 正解の選択肢とその後の初Hの流れは思わず笑ってしまいました。 主人公への懐きっぷりは可愛いけどヒロイン中で最大のオッパイを活かしたエロシーンは無かったですね。

歌焔
 学問系発展で登場する魔界の住人。 私服が和服なので大和撫子系かと思いきや料理は苦手だったり気性がやや激しかったりと予想外の設定ではありました。 怒ると口が裂ける(笑)。
 シナリオ展開は魔力が暴走して主人公とのHによって鎮める流れ。 声がちょっと舌足らずな感じがして気になりました。 あと、どーでも良いけど戦闘時の名乗りが長いよ(笑)。


キャラのお気に入り順は
 ヴィヴィ > シャル > メルエ > ニキ > 歌焔


私的満足度: ★★★★★ ★★★☆☆

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