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王賊
発売日:2007.06.29 / ソフトハウスキャラ
 二順目の途中ですがCGがほぼ埋まったので感想執筆。 所要時間は1stプレイで36時間くらい。この段階でCGの95%は埋まっていたので2ndプレイ以降は取り残したイベントの補完作業になりました。

 強大な軍事力で他国を侵略し続けるヴィスト王国によって国土の半分を奪われたエルト王国。 深刻な人材不足に陥ったエルト王国は傭兵として名を馳せていた主人公「ジン・アーバレスト」を軍師として迎え入れ再起を図ることになる…というあらすじ。


 ユニット編成した部隊同士がぶつかり合う「ファンタジー戦争SLG」。 物語の進行に添って戦闘が発生していくタイプですが、物語展開とは無縁のフリーステージも用意されていて、物語を先に進めるかそれとも事前にレベルアップを測るか等をある程度選べるようになっています。
 物語の展開はほぼ一本道。ただし本筋の他にいくつかのサブミッションが存在し、これらをこなさないと仲間にできないユニットが居たり敵の援軍が増えたりすることもある模様。 エンディングでは各ヒロインキャラのイベント回数によってエピローグが変化するので全てのCGやイベントを補完するのは結構(時間的に)大変です。


 ゲームの雰囲気はソフトハウスキャラらしくやや軽めのノリ。 主人公は自他共に認める女好きで、女性キャラ達が望む/望まずに関わらず一度主人公とHしちゃえば後はもう従順な赤面キャラの出来上がりです。 何が凄いって主人公がHすることで不幸な目にあうキャラがほとんど居ないことですよ。 気の毒なのはセルバイアン将軍くらいじゃなかろうか(主人公にNTRるので)。 他は主人公がHすればするほどプレイヤーも含め幸せになれる者が増えていくという神展開。 いやーこのノリ好きだわ。

 物語的には弱小勢力が大国相手に奮戦し、やがて大国を切り崩していく…というこの手のゲームの王道ですが、個人的には王道故に安心してプレイできたかなと感じています。 やっぱり戦略SLGの自勢力は弱小国やレジスタンスじゃないと燃えませんしね。
 主人公達以外にも周辺国のほとんどが敵勢力であるヴィスト王国の脅威に曝されていて、そういった勢力との協力関係もある程度描かれていたのはマル。 また攻勢ばかりで無く稀に反撃食らって守勢に回ったりと展開がワンパターンにならなかった事もダレずにプレイできた要因になっていたと思います。
 ただシナリオが進行したことによって変化したはずの勢力相関図が分かり難いのが難点ですね。 最初は勢力図を使って侵攻地点を説明してくれたのに以後はどのあたりで戦っているのかが今ひとつ分からない上に、エルト王国・ビルド王国・ノイル王国と片仮名3文字で似たような名前が多くて軽く混乱してきました。 なのでシナリオが進む度に勢力図を表示した方が物語への没入度も増したんじゃないかなぁと感じた次第。


 次いでこのゲームの肝である戦闘ですが、戦闘ステージは砦・町・森などの施設が点在する地域MAP上を軍団単位で移動させ、移動先に敵軍団が居た場合はHEX戦闘へ移行する流れになっています。
 攻撃側と守備側、更に戦場となる施設がどちらの勢力の支配下にあるかによって多少の補正があるようですが基本的には「戦闘速」の順番で行動してくので、速いユニットを揃えたり、部隊の速度を上昇させるスキルを保持したユニットに軍団長を務めさせる事でかなり有利に戦えます。

 とりあえず戦闘シーンで個人的に気になった点をいくつか挙げさせて貰うと、まず何と言ってもHEX戦開始時のユニットランダム配置が理不尽な件。 防御力が皆無な低レベル魔法使いがいきなり敵と隣接していて盗賊の最初の一撃(+追加攻撃)であっさり昇天されたときは目が点になりましたよ。 主人公が軍師なんだから初期陣形くらい指定できるようにして欲しかった。
 それとユニット毎の相性が無いのが物足りなかったです。 このゲームは結構な種類の部隊ユニットが登場するのですけど、どのユニットも物理防御と魔法防御に添ったダメージしか与えられず、結局は強い攻撃力や範囲攻撃などの便利なスキルを持つユニット以外は戦略的に「要らない子」になってしまうのです。 このあたり例えばFEのように飛行ユニットは弓の攻撃に弱い等の特化属性があれば弓兵だって万年補欠に甘んじることも無かったと思うし、色々と戦略的にも楽しめたんじゃないかと思います。
 物足りない点ではもう一つ、一度の戦闘に参加可能な軍団数が少なすぎ。 登用できるユニットが沢山あっても戦闘へは3軍団(12ユニット)しか参加できない事が多く、活躍の場が無いんです。 非操作部隊でも良いので占領した砦などに配置可能とかして欲しかったなぁ。

 あと、これだけは言っておきたいZOC(Zone Of Control)機能。 HEX戦では敵ユニットの横を素通りできないZOC仕様を設定できるのですが、これを地域MAP上でも活かして欲しかった。 だって敵の大部隊が必死に砦を護ってるのに行動力が余ってればその砦を素通りして先に進めてしまうなんて砦の意味無いじゃんとか思いますよ。 森に伏兵を置いていても素通りされてしまうなんて敵さんが気の毒過ぎます。 なんか「相手の防衛網をいかにして攻略するか」という戦略的な楽しみが無かったので、このあたりもちょっと残念なところです。


 エロシーンはヒロイン一人あたり大体3パターン前後と言ったところでした。 過去の同メーカー作品と比較すると少ないですが、それぞれ異なったシチュエーションとCGを使用していてシーン自体の濃度も上がってる印象を受けました。 中途半端な水増しエロが増えるよりはこっちの方が個人的には歓迎です。
 全体的に処女率高め、主人公は中出し多連射機能保有、ヒロインは即効デレ状態になり和姦エロが多め、そして何より1プレイでH可能なキャラが20人以上という凄まじい入れ食い展開に満足できました。
 どうでも良いけど回想モードのシーン説明が主人公の回顧録みたいになっていて結構笑えた。


 ソフトハウスキャラの作品としては1プレイが長めで、肝心要の戦闘シーンも慣れてくると戦闘開始直後に「どの程度の損害で勝てるか」が予想できてしまい今ひとつ盛り上がり欠けるのが予想外(従来のキャラ作品と異なる)でしたが、序盤のシビアなゲームバランスとか登場するヒロインは全て主人公のモノ的な展開や全体的な雰囲気は悪くなく、満足度は割と高めです。


以下、ヒロイン毎の設定覚え書き(ネタバレあり)。


アルイエット
 エルト軍の総指揮官…だった父アルバーエル将軍の後を継いだお飾り将軍。 ジンを軍師として迎え入れたことで次第に成長していく。 後に前エルト国王の娘であることが判明する。
 ユニットとしては序盤では無能だが騎兵にクラスチェンジしたあたりから次第に使える子になり終盤はスキル次第で名指揮官になる。 キャラ的にも努力の子という印象が強くメインヒロインとして優遇されてる点を差し引いても割とお気に入りなキャラですね。 最初のエロシーンとか結構破壊力ありました。

八重
 主人公のメイド。 忍者を従え諜報でも活躍するが料理が苦手。 旧神楽家領国の姫だがお家騒動で暗殺されかける。 神楽家に恨みを持つ八重はヴィスト侵攻に乗じ自らの計略によって国を滅ぼし、以後は主人公に従うようになる。
 ユニットとしては二周目以降に忍者部隊として参戦可能。 キャラ的には過去のロング髪のほうがお気に入り。

ネイ
 ヴィスト王国の突撃軍団長。 リディア姫の忠臣で主人公陣営に付いた後も何かとリディア姫のことを気にかける。
 ユニットとしては仲間になった直後から疾風の陣が付いてるので主戦力…というか必須指揮官でした。 ネイの部隊に高速詠唱+大氷流を付けた大魔法使いと飛燕を持ってる漆黒騎士を入れておけば同時に3部隊を相手にすることも可能。

ケーニスクフェア
 ヴィスト王国の遊撃軍団長。 森の住人(エルフ)で過去に主人公に犯された経緯があり、主人公を目の敵にして襲い掛かってくる。 初遭遇の時点で飛竜×4部隊を相手にするのは結構きつかったです。 大事に育ててた騎兵と弓騎兵を失いましたし。
 ユニットとしては仲間になった直後はイマイチ使えませんが、成長すれば撃ち漏らして後方に引っ込んだ敵部隊の掃討役として活躍できますね。 キャラとしては何だかんだで素直に主人公に従って割と可愛く感じました。

一葉
 奈宮皇国の第三皇女。 国主が病でお家騒動が勃発した際に有能な主人公を確保しようと誘いをかけてくる。 主人公が敢えて誘いに乗り協力したことで以降は同盟国の重鎮同士以上の関係になりエルト軍に加わる。
 皇女としては有能らしいがユニットとしては今ひとつ。 普通の侍部隊よりは多少ましかなと言ったところでしょうか。 ただ初H後に主人公にメロメロになる一連のやり取りはなかなかに強烈。 ルティモネとの3Pもお気に入り。

ルティモネ
 ノイル王国の姫。 戦闘中に部下を置いて逃走したことで主人公にお仕置き(当然H)されるが、それがきっかけとなって主人公に懐いてしまう。 一葉とほぼ同時期に同盟国としてエルト軍に加わることになる。
 ルティモネ隊は大魔法使いなのでCランクあたりから一気に使える子に化けてくれます。 キャラとしてはエロシーンの縛りプレイが多いという印象しかないです。

リディア
 ヴィスト王国の王女。 侵攻部隊の総大将として何度かやり合うことになるが、やがて主人公がリディアの義兄で許婚でもあるラフィルトであると気付き、主人公に敗れた際に軍門に下る。
 終盤で仲間になる割にユニットは特徴の無い騎兵で、しかも戦闘参加必須ユニットだったりもするので部隊編成に悩まされました。 キャラ的には仲間に加わった後のデレっぷりが凄まじく、なんか色々ヤバかった。


お気に入り順は
 アルイエット > リディア > 一葉 > ケーニス > ネイ > 八重 > ルティモネ > ムスト > ルカ > リンデルロッド > エルネア


私的満足度: ★★★★★ ★★+☆☆☆

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