Rascal・改 − Game Impression
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レベルジャスティス
発売日:2003.12.12 / ソフトハウスキャラ
 全CGと回想を埋めてコンプしました。プレイ時間は計40時間くらいだと思います。

 長引く不況の最中、職を失って路頭に迷っていた主人公「柳川千夜」は一枚のチラシを手にする。 それは悪の組織「ヴァルキル」の求人チラシだった…。 怪人を作る研究をしている“どちらかと言えば天才”な主人公にとってこれはまさに天佑。 主人公はヴァルキル所属のDr.ヘルナイトとして組織の野望に協力していくことになる…というあらすじの悪の組織SLG。


 ゲーム期間は(おそらく)無制限。大まかな流れとしては「怪人を製作」→「街の支配率を上げる(戦闘)」→「入手したコインを怪人製作や組織に割り振る」→「やがてイベント発生」というのを繰り返す感じ。 …ってちょっと端折りすぎですが詳しいゲーム概要はオフィシャルサイトを見た方が早いです(笑)。 特にデモムービーは非常に良い出来でゲームの概要もこれ以上ないくらい的確に表現していて必見かと。 ちなみにエンディングは10種類で街の支配率や発生させたイベントによって変化します。


 ゲームの雰囲気はバカゲー風味のコミカルな軽いノリ。
主人公は自分の信念最優先って感じで障害になる人間には容赦しない、良い意味での自己主張が強いキャラでこのゲームに合っていると感じました。 仲間に対しては面倒見が良かったり自らを「どちらかと言えば天才」と称して微妙に謙虚だったりするのもポイント高いです(笑)。

 ヴァルキルという組織自体が零細で構成員のほとんどがリストラされた会社員ということで、組織内イベントは貧しくも微笑ましい (商店街の福引に気合入れて出かけたり壊れた洗濯機を修理してもらったことを喜んだり…といった)イベントが多くて「お前らホントに悪の組織か?」と感じてしまいますが、このアットホームな雰囲気もこのゲームの持ち味の一つと言えます。

 次に怪人作成やSLGパートですが…ひとことで言うと「ヌルい」ですね。
基本的にターン制限イベントというものがなく、プレイヤーが何もしなければ敵も何もしないのでイベントのトリガーさえ判ってしまえば自分のペースでじっくりとプレイできる反面、緊迫感は薄いです。 戦闘に苦労するようなら休憩すれば警戒度が下がって敵キャラも弱くなりますので。

 戦闘シーンでは1回の戦闘で3回コマンドを実行します。 このコマンドには相性というものがあって、例えば「総攻撃>隊員攻撃」(総攻撃は隊員攻撃に対して絶大な効果を発揮する)というような力関係があるのですが、敵がどのコマンドを使ってくるのかを事前に知ることが可能な為やっぱり緊迫感は薄いんですよね…。 敵のコマンド内容を知らなくても「絶対防御」「絶対防御」「必殺攻撃」を繰り返してればまず負けることは無いですし(苦笑)。

 そんな訳で戦術的にはちょっと食い足りない感はありますが、イベントの発生テンポがそれなりに良くて途中でダレることはありませんでした。 まぁこれはプレイスタイルに寄るところも大きいと思うので一概には言えないと思いますけど、イベント条件の多くがコイン分配である為、コイン変換レートを低く保って常に大量のコインを入手するよう心がけていればイベントの補完は比較的容易です。

 そのイベントは主人公とヒロインとの関係の変化をはじめ、敵組織の内部イベントや一部で主人公の過去やヴァルキル設立の経緯などが語られたりして意外にもなかなか魅せてくれました。 ただヘルオー様がヴァルキルの頭になった経緯など個人的に知りたかったものがいくつか触れられていなかったのは残念ではありますけどね。 まぁバカゲー風味の作風を崩すことのないシナリオ展開という点では十分に及第点ではあります。

 ヒロイン達は設定に深く踏み込んだイベントなどは殆ど無かったのですけど、それでもキャラは良く立っていたんじゃないかと。 主人公に対して立場的や性格的に素直になれないタイプのキャラが多く、割と萌え度は高め。 個人的にはアーネウスの負けず嫌いなのを逆手に取られて主人公や組織のメンバーにいぢられる様が結構好きでした(笑)。

 エロシーンは処女率が異常に高い上にほぼ全てのシーンで主人公の信念というかこだわりで中出し&複数回発射を実装していてなかなか良い感じ。 敵キャラとして出てくるセーフスターの面々に対しては容赦のない強姦をかましてくれます。 その中でも葉月(ホワイトスター)は回数的に他キャラより多い上に最初は「絶対に殺してやる」と毒づいていたのが回を重ねるたびに強がりつつも感じてる様が良かったですわ。 反面、他キャラ…特に間崎(ピンクスター)は最初のシーンから堕ちるまでの描写がすっぽりと省かれていたのが口惜しいったらありゃしません(笑)。

 他にもヴァルキルの幹部達や怪人達などレギュラーメンバーには全員エロシーンが実装されていて人数的には不満はありません。 ただ、キリッサ以外は1〜2回程度なのでキリッサ以外にお気に入りキャラが居ると物足りなさは感じてしまいます。 個人的にはもっとアーネウスのエロシーンが見たかったんですけどね。

 最後に個人的な不満点を二つばかり挙げさせてもらうと、まず一つはメッセージスキップがCtrlキー押下による強制スキップしかないこと。 繰り返し遊ぶタイプのゲームなのだから既読スキップは実装しておいて欲しかった。
 もう一つは作成される怪人がイブシード別にランダムに選ばれるだけなので怪人製作に楽しみを見出せなかったこと。 ぶっちゃけ戦闘力の高い怪人を1体作って育てておけば後は(戦術的には)怪人を作成する意義がないのでちょっと勿体無いなぁと感じましたですよ。

 そんな訳で一応まとめると、SLG部分で物足りなさは感じるが全体的にノリの良い雰囲気でストレスなく遊べて個人的には満足度の高い作品と言ったところです。


私的満足度: ★★★★★ ★★★☆☆

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