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南国ドミニオン -King of solitary island-
発売日:2005.02.18 / ソフトハウスキャラ
 全CGとイベントを埋めてコンプ。 所用時間は40〜50時間くらいですが、これは一部のイベントでランダム要素(救助船を待つ)があったりイベント条件を満たすのに時間がかかったためで、主要なエンドを一通り見るだけならマイナス10時間くらいで行けると思います。 攻略情報などを見れば更に時間は短縮できるかと。

 遭難して無人島に流れ着いてしまった主人公を含む10人の男女達。 遭難した場所も経緯も全員異なる人間達による無人島での共同生活が始まった。 彼らは無事に島から脱出できるだろうか…というあらすじ。

 ゲーム期間は(おそらく)無制限。 昼と夜でそれぞれ天候やスキルに沿った行動力があり、コマンドの実行はその行動力を消費していくことで進行します。 ちなみにエンド数は18、H可能なヒロインは6人です。

 このメーカーのゲーム全般に言えることですが最初から色々と行動可能である反面、慣れるまでは「まず何をすればいいのか」で割と戸惑うことになりがちです。 マニュアル見ても「食料でも集めたらぁ〜?」くらいのヒントしか書いてませんし、食料を集めるにしても「探索」「収穫」「狩り」「釣り」とコマンドの幅がありますから…。 要するにプレイヤーが各自でメリットの大きいものを色々と模索することを楽しめるようでないと厳しいかと。

 まぁこの自由度の高さは個人的に歓迎なのですけど、色々なことが出来るとは言っても大別すると主にやることは「食料・アイテム集め」「島・施設情報収集」「各キャラとの交流(会話)」くらいで、ゲーム中はこれらの数量やパラメータを上げるための“作業”が大部分を占めてしまい二周目の序盤や目的を定めたりすると特に単調に感じられるのが残念。

 単調作業と化す原因はやっぱりゲーム中の緊迫感や達成感が希薄であることでしょうか。
 例えば食料集めはぶっちゃけ一度も実行しなくてもクリアは可能で、あまりにも食材を入手する機会や手段が多すぎてサバイバル感は皆無。 結果として資源を多く所持している事によるメリットが少なく、これによる特定イベントや上下関係というのも存在しないので達成感も低い。 これはアイテムに関しても同様で極一部を除いては本当に開発したり所持しているメリットが少ないんですよ。 例えばトランシーバーA・Bをそれぞれ所持してたら離れていても会話できるようにして欲しかった。

 施設建設に関しても同様で効果がはっきりと判るものが少ない上に視覚的に特に変化がある訳でもないので達成感は薄いです。 それでも最終的に島から脱出するにしても永住するにしても必要なパラメータなので一定値以上にする必要があって、ホントに作業感を強く感じてしまいます。 せめて施設を建設したことによる関連イベントや箱庭的なグラフィックの変化があれば良かったんですけどね。

 唯一達成感を感じることが出来るのが他キャラ達との会話な訳ですが…これも特定イベント以外は好感度に沿った会話パターンをランダムで繰り返すだけで味気ない…と言うかシュールなんですよね…。 お嬢を例にすると「わたしお兄ちゃんを裏切らないよ」とか言った次の瞬間に殴りかかってきたりとかな(笑)。
 それでも好感度やキャラ情報が一定値を超えるとそれぞれの思惑や遭難した経緯や過去の話などを語るようになって各キャラに対する感情移入度が高くなるのは良かった。 まぁこれもイベントが出尽くすと元の単調な会話に戻ってしまう訳ですが(苦笑)。

 また、他の遭難者達はそれぞれ自分勝手に行動しているのですが、対主人公に関してはともかく他キャラ同士の横の繋がりは希薄に感じますね。 他人とはいえ数百日を共にした人間がある日を境に姿が見えなくなっても「おまえら放置かよ」ってくらい何事もないように過ごしてますからねぇ…。 もうちょっと動揺なり危機感を感じるなりして欲しいところ。

 エロシーンはヒロイン1人あたり10回前後。 初回Hはどのキャラも導入部分からそれなりのCG枚数を使って良い感じで描かれていて満足度は高いですが、2回目以降は挿入後からのシーンだったり数クリックで終わってしまったりと相変わらず短いのが残念ですな。
 基本的に最初は強姦ぎみで入るヒロインが多いのですが、無理矢理しても嫌悪されるどころか恥ずかしがられたりするので鬼畜度は低いです。 ちなみに処女率は非常に高い(笑)。
 それとヒロインで排他関係にあるキャラは居ないので1度のプレイで全員とH可能なのは入れ食い系好きの私としては嬉しいところです。 敢えて難を言わせてもらえばエロシーン最中での「アロハさん」連呼は止めて欲しかったですね、萎えるから。

 尚、ヒロイン達とHできるのは主人公だけで、これがちょっと不自然に感じます。 男が主人公だけというならまだしも、健康な野郎が数百日もあれだけの女達と過ごして水着姿も頻繁に目にしてるのに何もしないのは変ですよ。  私自身には寝取られの属性はありませんが唯でさえ緊迫感が薄いゲームなのだから男キャラの好感度や経過日数次第では寝取られの展開になるくらいのスパイスがあった方が良かった気がします(まぁアンチ寝取られの方には許し難い意見かも知れませんが)。

 あとプレイ前は「無人島に10人もの遭難者が一度に辿り着いた不自然さ」と主人公の「記憶喪失の秘密」をどういう展開で明かしてくれるのか興味があったのですけど…う〜ん微妙ですね(苦笑)。 私はてっきり「国家レベルの陰謀(主人公達はモルモット)があって、それにお嬢も一枚咬んでる」という展開を予想してたんですが…ああいう超展開でくるとは。

 ま、不満ばかりたらたら書きましたけど、前作『巣作りドラゴン』の出来が良すぎたから変に期待度が高くなっていたというのもあるんですよね。 つまらなかったらコンプするまで何十時間もプレイしませんし、個人的な満足度は決して低くないです。 まったりとした雰囲気の中でのんびりプレイしたい人向き…かな。

 余談ですが、私が一番ウケたのはゲーム内イベントではなくOmkMovieフォルダにあるムービーでした。 あのMADムービーっぽさが非常によろしかったです。

私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

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