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WORDS WORTH
発売日:1999.03.25 / elf

◇ あらすじ

 地上に住む「光の一族」と地下に住む「影の一族」の境界にはワーズワースの石版があった。 互いの部族が共に守り神と崇めてきたその石版が、ある日何物かによって破壊されてしまう。 どちらの部族も相手側の一族が破壊した犯人だと決め付け、もう百年以上も互いを滅ぼすべく戦いを繰り広げていた。
 その戦いの中、父ウォトシーカーに溺愛され過保護に育てられた影の一族の王子「アストラル」は徐々に押されていく味方の為と好奇心から光の一族と戦う事を決意するのだった。


◇ ゲーム概要

 3Dダンジョン探索型のアクションRPG。 主人公は影の一族という事でダンジョン最深部からスタートします。なんか『Wizadry4』みたいですね(笑)。 ただ戦闘はWizのようにコマンド入力では無く、ダンジョン探索中に出会う敵をリアルタイムにバッサバッサと薙ぎ倒す『DOOM』や『Quake』のような感じです。
 ダンジョン内部のトラップは回転床やワープポイント等の定番物ばかりですし、オートマッピングもしてくれるので難易度はそれほど高くないと思います。 ゲーム中にいくつか選択肢が出る事がありますが、物語は一本道。 ただしエンディング直前の選択肢だけは5種類のエンディングに分岐します。


◇ システム

 インストールに必要な容量は最低でも370MB、最大で900MB。 更に3Dアクセラレーターが無い場合、CPUはPentium200MHz以上を推奨しているようです。 私はPC98V13(CPUがK6-266MHz、Mem64MB)の最小インストールでプレイしましたがGA-VDB16(Banshee)のおかげで結構快適に動きました。

 画面サイズはフルスクリーンのみ。 セーブは自室や宿屋で計7ヶ所まで登録可能でロードはいつでもできます。 メッセージスキップもCTRLキーで可能だし、音声やBGMの切り替えもできるので特に不満は無かったです。 ちなみに操作はマウスよりジョイパット等の方が快適だと思います。


◇ グラフィック

 原画は「りんしん」さん。 女の子キャラは勿論みんな可愛くって良いですが、男キャラや影の一族のいわゆるモンスター達も個性的で気に入ってます。
 CGはハイカラーで如何にもエルフっぽい配色で奇麗ですし、枚数的にもかなり多くて満足しました。 また、オープニングや一部のイベントでムービーが流れますが、こちらも良い感じです。 ダンジョン内部は少し暗めで見難いのがマイナスですが、ポリゴンの敵キャラは結構リアルですし動きもスムーズで必見かと。
 CGモードはオープニングの後に回想モードとしてイベント&CGが閲覧可能です。


◇ サウンド

 音源はPCM(DirectSound)で全54曲。 ロック調の曲が多くてゲーム中は比較的ノリノリ(死後)でプレイできました。 あと『同級生2』の芳樹の曲がかかる場面なんかもあり、ちょっと驚きましたがこういうお遊びは大好きなので問題無し。

 音声の方も毎度レベルが高くて満足しました。
音楽モードは一度エンディングを迎えた後にメニューに追加されます。


◇ 感想まとめ

 このゲームは1993年に出たDOS版のリニューアル物なんですが、原画やシナリオをかなり作り変えたようです。 私はDOS版をプレイしてませんけど、当時出版された「エルフオフィシャルゲームガイド」という本で比較してみるとダンジョンの構成やイベントが結構変更されていました。

 エロシーンに関しては、当初コンシューマで発売予定だった物をWindowsで出したような感じで、非常に薄味になってます。 はっきり言うと主人公がHするような事は極一部いてほとんどありません。 純愛系のゲームならそれでも許容できたかも知れませんけど、このゲームに関してはかなり欲求不満ぎみ。 DOS版は回数も中身もなかなか良かったようなので無念です。
 余談ですが、グリーンバニーから発売されてるOVAではゲーム版ではHできないキャラとのエロシーンがあってなかなか良かったです。 キャラデザインはゲームと同じ「りんしん」氏だし、作画もエロアニメの中ではかなり良い方なので興味がある方は観てみるのも良いかと。

 ストーリー的にはギャグありシリアスありで結構楽しめました。 ちとネタバレぎみですが、特に後半の展開では光の一族(人間)の状況が一変するのに驚かされましたよ。 逆に影の一族(魔族)の状況は変わり映えしないのですが、これはこれで上手い設定と展開だなと感じられて満足。

 ARPGのゲーム部分も操作性が良好で全くストレスを感じません。 バッサバッサと敵を斬り倒していくのがホント楽しく、しかもストーリー展開の妨げにならずに良いテンポで進めるため、気が付けば完徹でプレイしていたくらいです。 逆に言うと止め時がなかなか見つけられないのが欠点と言えるかも(笑)。

 エロゲでありながらエロ方面が激薄…というのがやはり最大の不満点ではありますが、それ以外では作り手側のスタッフ達がそれぞれの担当分野で皆良い仕事しているようで、全体的に作りが丁寧な名作と言った印象を受けました。


私的満足度: ★★★★★ ★★★☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO