Rascal・改 − Game Impression
[メニュー枠OFF]

恋姫 −K・O・I・H・I・M・E−
発売日:1999.12.24 / elf

◇ あらすじ

 夏休みを利用して10年ぶりに少年時代を過ごした田舎に帰ってきた主人公。 懐かしい故郷でのんびりと過ごす予定でいた主人公だったが、そこでは4人の女の子との出会が待っていた。
 その女の子達はいずれも主人公に好意を寄せていて、しかも少年時代を共に過ごした幼なじみだという…。 しかし何故か主人公からは当時の詳細な記憶が失われていたのだった。 一体なぜ、どこで過去を失ってしまったのだろうか?そして彼女達が言う「約束」とは?


◇ ゲーム概要

 95年にシルキーズからDOS版で出た「恋姫 -Mystic Princess-」の移植版。 日本の昔話に出てくるような辺境の村(というか隠れ里)を舞台にした和風ファンタジー系のラブコメADVで、「見る」「話す」といったコマンドによって進行していきます。

 計14のエンディングが存在しますが「お目当ての娘を狙う」といった物では無く、1本道の物語の途中で幾つかのエンディングへ至る分岐点が存在するので、全ての女の子と親密になれるような行動をしてイベントを全て見ておくのが吉ですね。 ちなみに14のエンド以外にも幾つかのバッドエンドが存在します。


◇ システム

 インストール容量は標準で200MB、フルで300MB程となってました。他にDirectX6.1以降とNetShowプレーヤーも必要になります。

 画面サイズはフルスクリーンのみ。 それと環境設定としてBGM、効果音、音声のボリューム設定と音声を再生/非再生するキャラの設定が行なえます。 メッセージはCTRLキーでスキップ可能で「履歴モード」も装備。 それとDOS版ではメッセージ縦書きが特徴の一つになってましたがWin版では横書きになってます。

 セーブとロードはゲーム中の決められた時点で計8ヶ所まで登録可能になっていてセーブした日付の他にメモが登録できるようになってました。 いずれもゲーム中に特に不満に感じた事は無かったです。


◇ グラフィック

 原画は「渡辺 真由美」さん。『OVA版下級生』なんかも担当された方です。 DOS版の絵は結構クセが強かったですが、こちらは今風のいわゆる一般受けする絵柄になっていますね。 私もどちらかと言えばWin版のキャラデザの方が合ってるようです。

 CGは枚数的には若干少な目ですけどゲームのボリュームを考慮すれば十分な数があると思いますし、何より1枚1枚が背景も含めて凄く綺麗に描かれていて満足しました。 一応立ち絵、一枚絵共に目パチアニメが入っています。

 CGモードは終了番号の付いたエンディングのどれかを見ればトップメニューにおまけが追加されて入る事が可能になります。 回想モードは無し。


◇ サウンド

 PCM再生の計24曲(ちなみにDOS版は21曲)。 音質は低いですが個人的にいくつか気に入った曲がありましたし、雰囲気に合っている曲が使われているので結構満足してます。 中でもお気に入りは「愛しき女性」「静氷」あたりでしょうか。

 CVは主人公以外はフルボイスで演技の方も皆かなりレベルが高いです。 ただ主人公名が変更可能なため、名前を呼ばれるシーンが全て音声カットされてるのが残念。 せめてデフォルトの時くらいは音声付けて欲しかったです。

 音楽モードはCGと同様に終了番号の付いたエンディングのどれかを見れば入れるようになってました。 ただしゲーム中に聴いてない曲は再生不可ですけどね。


◇ 感想まとめ

 「PC-98持ってるならプレイしておけ」…と、ネット上でお薦めゲームを訊ねた時によく返ってきたお言葉で、以前から期待していた作品なのですが…DOS版をプレイしたのがWin版発売の二週間前というタイミングでした(DOS/V版も出てるんですけどね)。

 このWin版『恋姫』、DOS版とシナリオは全く同じなのですが、DOS版プレイ直後にも関らずかなり楽しめました。 もちろんCGが描き直されたりCVが追加された事もあるでしょうけど、パッケージに「大人の童話」とある通りラブコメだけでなく、中盤以降はシリアスなシーンが上手く味付けされ、とても後味の良い物語になっていて繰り返しプレイでも退屈さを感じません。
 このゲームはほとんどが共通パートとなっていて、一度のプレイでほとんどのイベントを見てしまえるので2ndプレイをする機会はあまりないのですが、一通りの流れやヒロインの想いを知った上で再プレイをすると序盤のヒロイン達の行動や言動に萌え転がれます。 特に「朱雀」などはエロシーンも含めて好感度大幅アップでした(笑)。

 4人のヒロイン達は主に主人公との接し方などに個性と魅力を強く感じますね。 いじらしさを感じたり、素直になれなかったりと様々ですが、1度のプレイでそれら魅力的なヒロイン達全員とHできる入れ食い系展開なのも個人的に高ポイントだったりします。 各ヒロインとも当然“両方のバージョン”でのシーンが用意されています。
 エンドもヒロイン個別の他に所謂ハーレムエンドも存在するのですが、あのノリは結構お気に入り。主人公は早死にしそうですけど(苦笑)。

 不満点としては昔のゲームという事もあってかコマンド選択によるフラグ立てが少々面倒に感じてゲームのテンポが削がれる場面がある事かな。 とは言ってもそれほど長い話ではないのでコマンド総当りに不慣れでもそれほど苦痛には感じないとは思いますけど。

 物語は全体的にほのぼの系で難易度も低いので、重いシナリオのゲームや高難度のゲームの合間に息抜きでプレイするのに向いてそうです。 値段も6800円と安めだし、私的には結構お薦め。


◇ お気に入りキャラ

 先にも書いたように皆それぞれ個性があって魅力的に描かれているので迷いますが、敢えて一人を挙げるとしたら「まゆき」でしょうかね。


私的満足度: ★★★★★ ★★☆☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO