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Duel Savior 〜デュエル・セイヴァー〜
発売日:2004.10.01 / 戯画
 名作『BALDR FORCE』を製作したTEAM BALDRHEADの作品ということで発売前から期待していたタイトルです。

 普通の学生だった兄妹の二人が突然ファンタジーRPGの舞台のような異世界に飛ばされてしまい、主人公は義妹を護るために戦うことになる…という流れで、 序盤の展開は『永遠のアセリア』に似てるなと感じましたが、主人公は典型的なお調子者ということもあってか悲壮感とかはあまり感じません。

 このゲームは初回プレイ時には攻略できるヒロインがベリオとカエデの2人に限られていて、該当するヒロインを両方クリアするとリコとナナシの2人が攻略可能になり、その後リリィ→美亜と続き後半になるほど物語の深みに入っていく構成になってます。
以下、私のプレイ順に沿って各ルート毎の雑感。

1周目、ベリオルート:
 戦闘はサイドビューのアクション物ですが、1周目はまだウオーミングアップ程度の難易度で、物語もテンポよく先が気になるような展開が続いてプレイ開始から小気味良くプレイできました。 正直キャラ的には好みではありませんでしたが、敵幹部の一人との因縁がらみの展開はなかなか楽しませてもらえましたよ。 全体的にはまだ謎が多数残ってる感じですけどプレイ回数を重ねる度に解決していくんでしょうからとりあえず気にしないことにしました。

2周目、カエデルート:
 1周目のベリオのときとほとんど同じ展開なのね…(汗)。どちらも終盤は敵幹部キャラとの因縁とヒロインの弱い部分の設定を使って盛り上げてくれるのは悪くないけどあまりにも展開似すぎなのはちょっと難ですね…最後の展開も予想通りだったし。 戦闘のレベルはまだまだトレーニングモードで物語の核心部分も1周目と変化なくベリオルートの復習って感じかな。つか共通パート長いよ…。

3週目、リコルート:
 個別ルートに入ってからの展開が前2つのシナリオと異なってきました。ようやく全体的な輪郭が見え始めてきた感じですが、後の伏線になるような投げっぱなしの話もまだ結構あって気になります。 戦闘でカエデを使ってみましたが…ザコ相手だとイマイチ使い難い印象です。ボスには良いけどね。

4周目、ナナシルート:
 このあたりから段々と戦闘がきつくなってきました。 前回ルートでクリアしたリコをいくつかの戦闘で使ってみましたがなかなか良い感じ。 特に特攻型のインフェイムは最初見たとき「おまえはメトロイドか」と突っ込んでしまいましたけど、コンポが繋がって良い感じです。 終盤の1対4の戦闘はかなり苦労したけど勝っても負けてもの後の展開は変わらないんですね…。前作の『BALDR FORCE』だったらこのあたりで分岐しそうなもんですけど、今回はあまり力入れてないのかなぁ。 物語の方は終盤かなり盛り上がったしエンディングもよさげで満足。

5周目、リリィルート:
 もうツンデレキャラとしてかなり萌えまくりでした。気分的にはフォント拡大して「キタ━!」と回転しながら叫びたいくらい。なんとか自粛しましたが…(笑)。
 先にクリアした4人と比べて個別ルートが長く、展開も異なっていて結構魅せてくれます。キャラ設定的には特に重要な秘密を握ってるという訳ではないのにヒロインとしての立場は他のキャラに比べてかなり優遇されてます。 …というか、なんで“あの娘”はリリィだけあんなに目の敵にするのか謎なんですけどね。エロシーンも他キャラより盛り上がってよかった。 でもボスキャラを倒した後も戦闘が数回続いた時はちょっと勘弁してって感じだった(笑)。

6周目、未亜ルート:
 個人的にはリリィEndがTRUEと思ってるので未亜ルートは消化試合みたいな感覚でした。案の定予想通りの展開だったしね…あー怖い怖い(笑)。 最後の敵の本拠地に殴りこみを行ってラスボスに辿り着くまでの間の戦闘は、嫌がらせかよ…と感じるくらいきつかった。本気であの連戦にはめげそうでしたわ。 このルートに限っては一度ノーマル(Bad)エンドを見ないとHappyEndが見れない構成なのですが、最後に対峙するラスボスなんかはめちゃくちゃタフだったし、一度EX技食らうともう泥沼に嵌まるしで今でも勝てたのが不思議なくらいきつかったです。

 戦闘に関しては難易度を下げればよほどアクション系が苦手でない限り4周目までは順調にいけると思います。 そのくらいまで進めばコツも掴むでしょうから後は努力次第かな(笑)。

 私がゲームオーバーになったのは殆ど操作ミスが原因なのですが…方向転換の操作性がイマイチ良くない印象を受けました。
例えば突進型の技をかけた後、方向転換のつもりで逆方向押しながら再度突進技を繰り出しても向きが変わらずに誰も居ない方へ突進してしまうことが多々ありました。 どうやら技をかけながら向きは変えられないようで、「方向を変える」というアクションをしっかり取らないといけないのがちょっと煩わしいかも。

 一度エンディングを見たキャラは次のプレイから戦闘で操作できるようになるのですが、各キャラの操作に馴染めなかったら無理に使うメリットはないと思います。

 物語のほうは最初の3周くらいは謎が謎のまま無理矢理ハッピーエンドに持って行ってる感じで何とも釈然としないものがありますが、この辺りは全体的な話よりも各キャラ毎の設定とか背負ってるものを解決させてやる事が中心になってるので割り切るしかないかな。 それでも『BALDR FORCE』に比べて展開の幅が狭いのが残念だし物足りなくもありますけどね。

 ま、個人的には謎がほぼ解決してキャラにも萌えられるリリィルートが全てって感じですね。 美亜ルートに関しては美亜の主人公に対する感情のぶつけ方を楽しむ方向でプレイするのが吉かと。 (「あの女の匂いがするー!」とか言ってブチキレた時はどうしようと思いましたけど)

 エロシーンもキャラによってかなり差があるように感じました。 主人公はお調子者でエロ方面に無節操なキャラなので、ある程度は仕方ないと思うけど…エロ行為に対する興奮具合の描写があっさりしてたり不足ぎみなシーンが結構あるのが残念。 リリィとのエロシーンではその興奮具合の描写がなかなか良く描かれていたし、リリィの反応もいじらしくて萌えるわエロいわでかなり満足できました。

キャラのお気に入り順は リリィ>ナナシ>リコ>未亜>カエデ>ベリオ。

 個人的に、戦闘システムも全体的な物語も同スタッフの前作『BALDR FORCE』を超えることは残念ながらできませんでしたけど、萌えも燃えもそれなりに感じられてプレイに熱中できた良作だったと思います。

私的満足度: ★★★★★ ★★★☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO