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闘神都市U
発売日:1997.06.20 / ALICE SOFT

◇ あらすじ

 瑞原道場の一人娘「葉月」と主人公「シード」は相思相愛の関係。 しかし道場の跡継ぎとなるにはあまりに未熟なシードに対し、葉月の父親でもある師範は闘神大会で優勝し「闘神」となる事を条件に葉月との結婚を了承するのだった。 だが闘神大会で優勝するには葉月をパートナーとして出場している道場一の使い手ビルナスを倒さなくてはならない。 はたしてシードは無事に優勝し、葉月と一緒になる事ができるだろうか…。


◇ ゲーム概要

 ゲーム自体はオーソドックスなフィールドタイプRPG。 主人公は闘神大会の試合の日以外は闘神都市の外れにある迷宮でレベルアップや関連イベントをこなしていく事になります。
 試合の当日まではそれなりの日数がありますので、よほどの事がない限りレベルやイベント未消化で試合に負けるという事はないでしょう。 そして見事優勝した時に何が起こるかは実際にプレーして御確認下さい。


◇ システム

 操作はマウスとキーボードのどちらでも可能ですが、私的にはキーボードの方がやり易かったかな。 なお、Windows版とDOS版では若干操作感が異なります。

 セーブは宿屋などで合計10ヶ所まで登録可能で、ロードもその時しか行なえません。 メッセージスキップ(強制スキップのみ)やメッセージ速度の変更、それと移動速度も好みに合わせて設定可能でした。 ただ、一度ゲームを始めると終了するまでメインメニューに戻れないのは不満です。
 そのメインメニューはエンディング後にアリスの館が追加され、CGモードや音楽モード、そしてスタッフコメント等が見れるようになります。


◇ グラフィック

 アリスの大作らしく原画は複数の方が色々と担当されているようです。 主に「MIN-NARAKEN」さん、「YUKIMI」さん、「むつみまさと」さんと言った面々。

 CGはWindows版でもDOS版からの変更点は無く、全て同じ。 元はDOSゲームということを考慮すれば質は高いと思いますし枚数もそれなりにあります。
 あと、エンディング後に入れるCGモードは全てのCGを見れてしまうので、見たくない方は全イベントを体験してからの方が良いかもしれません。


◇ サウンド

 BGMはCD-DA再生で全36曲です。ちなみにDOSではFM音源。 「迷宮1」(キラトーキとかの戦闘でかかる)と「晴れの日の出来事」(主にダイアナさん)をはじめ、個人的お気に入り曲は他にも何曲か存在します。 というか、もう何度も繰り返しプレーした為、曲を聴いただけで代表的なシーンが浮かんでくるようになりました。

 ちなみにDOS版の音楽モードには何故か前作の『闘神都市』の曲(だと思う)も入っています。 ついでに言うと私のお気に入りに挙げた「迷宮1」も前作の地下2Fあたりでかかる曲だったりします(笑)。


◇ 感想まとめ

 エロゲーRPGとしては私がプレイしたゲームの中でも間違いなくトップクラス。 魅力的なヒロインに加え、味のあるサブキャラクター達、絶妙なゲームバランス、豊富なイベント、そしてぐいぐいと物語に惹きこむストーリー展開は素晴らしいの一言。 ボリューム的にも申し分ありません。

 特にストーリーは18禁ならでは…というか18禁じゃないと絶対に不可能だし、だからこそゲーム中の感情移入度も増したような感じがします。
 ただ、感情移入といっても主人公にシンクロしたというより、イベント等と通じてキャラに対する嫌悪感やせつなさのようなものを感じて、より物語に没頭できたといった感じでしょうか。 上手く書けませんけどカラーの少女「クライア」関連のイベントはかなり衝撃的だった…と言えばプレイした人には解るでしょうか(苦笑)。

 「葉月と一緒になりたい」その思いだけが主人公を突き動かす原動力で、後半の展開などは当初の目的とかけ離れた現実に苦悩する様とか悲壮感が非常に良く出ていてRPGでありながらシナリオへの吸引力はかなりのものがありました。

 ゲームとしてのやり込み要素が高かったのも個人的に高ポイント。 レベルは130くらいまで上げましたし(当然もっと上がる)、お金は土地を買って家建てて調度品を集めてるとほとんど溜まらないし、女の子モンスターの捕獲に注力したり…と、もうとにかく長く遊べるんですよ。 まぁこれらのやり込み要素は大した褒美もなく、ほとんど自己満足の世界ですけどプレイ中はホント楽しかった。

 エロ方面も闘神大会で1回勝つ度に相手のパートナーを1日好きに扱えるし、迷宮の中でも稀にHイベントがあって発生頻度は高め。 まぁ中にはHしちゃうと結構キツイ展開を見ることになる場合もありますけどね。

 不満点を挙げるなら操作性が今一つという事と、「悪事」によるペナルティが弱いこと。 あとは主人公に関わったサブキャラ達のその後が不明ってところも不満ですね。 エンディングを迎えるには沢山の犠牲や精神的苦痛を受けた人がいたはずなのに、その事にはほとんどふれていないのが個人的に残念。

 まあ…私がうだうだと書くよりもまだプレーしてない方は実際にやってもらった方が早いんですけどね。 実際、私なんかはこのゲームをプレイしなかったらここまでエロゲーをやり続ける事もなかった…というほど影響を与えてくれたゲームですし(全ての元凶とも言う)。
 Windows版は定価4800円とお手ごろなので、新作ラッシュの合間にでもちまちまプレイしてみるのも良いと思います。


私的満足度: ★★★★★ ★★★★★

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