SeeIn青 〜シーンAO〜 |
発売日:2000.07.06 / ALICE SOFT |
◇ あらすじ
西暦2050年の夏。
主人公「深海 京夜(ふかみ きょうや)」は海洋都市「Andlude」にある海洋学園に通う学生である。
両親を海難事故で失って以来、一人暮しをしている主人公だったが、叔父叔母の仕事の都合から従兄妹の「帆波 結衣」を暫くの間預かることになった。
そんな中、いつものように学園のプールで潜っていた主人公が突然、水に恐怖を感じるようになってしまう。
それは主人公自身も忘れていた両親を失った時の事故の記憶…。
一体なぜ今になって昔の記憶が蘇ったのだろうか。
そしてそれから間もなく隠れた研究所で保護した「琴里」との出会いははたして偶然なのだろうか…。
◇ ゲーム概要
プレイヤーが2〜3択の選択肢と移動場所を指定することで進行していく恋愛ADV。
攻略対象ヒロインは6人でゲーム期間は20日前後。
平日の放課後に2回、海洋都市の何処へ移動するかを指定します。
移動先に誰がいるかは基本的に一目で判るようになっているので難易度は低めかと。
誰も居ない場所へは移動できませんが「休息」することで時間を進めることは可能。
放課後以外の時間帯は主に強制イベント、後半などでは特定ヒロインのフラグ(好感度?)が立っていると各ヒロイン毎のイベントが発生したりします。
また、このゲームには「陵辱イベント」のON/OFF設定が可能で、ONにしてる場合に限り選択内容によってヒロインの陵辱シーンに突入します。
ただし即バッドエンドですけど…。
ちなみに「陵辱イベント」はデフォルトではOFFになってます。
◇ システム
インストール容量は約133MB。インストール後はCD-ROMが無くてもゲームは起動可能です。
今回はSystem3.8ですが基本的には3.5の頃から特に変わってないと思います。
メッセージはマウスの左右ボタンを同時にクリックすることでスキップできますが、既読・未読のチェックは無し。
文字フォントは明朝とゴシックに変更可能。
セーブやロードは選択肢が出ていない時に計24ヶ所まで登録できます。
セーブリスト画面では各セーブ領域にヒロイン6人の顔アイコンを設定できるので、誰を攻略中のデータかは判り易くなる…かな?
おまけの「アリスCD」は今回Ver2.01になってました。
小説「妖精」や『アリスの館456』にあった『人間狩り』が入ってます。
ただCD-DAに『人間狩り』の曲は無かったのでBGMはMIDIだと思います。
◇ グラフィック
原画は「MIN-NARAKEN」さん。
個人的に好きな原画さんなので、キャラデザイン等はかなり気に入ってますけど、贔屓目無しでもCGのクオリティと共に高レベルなのではないでしょうか。
キャラの立ち絵も表情パターンが幾つかあり、コロコロと表情が変化するのもマル。
唯一残念なのがCGの枚数が少なめに感じることでしょうかね。
CG総数は82枚と決して少なくないし陵辱シーンなどはズームアップ・ダウンを駆使して見せ方を工夫してるんですけど、イベント数が多めな為に表示されるCGが若干少なく感じてしまいました。
CGモード及びHシーン回想モードはトップメニューより入れます。
◇ サウンド
CD-DAとMIDIから音源を選択でき、曲数は20曲。
私はCD-DA再生でプレイしてましたが、ほのぼのとした感じの曲が結構気に入りました。
お気に入り曲もズバリ「ほのぼのとした日々」(笑)。
それとアリスとしては珍しくOPとEDではボーカル曲がかかります。
個人的にはどちらの曲も気に入ってますし、ユーザークラブ通販特典のマキシシングルのアレンジもよさげで満足。
音声は無し。
この手のゲームではやはり声があった方がいいなぁ。
登場キャラもそれほど多いわけでもないですしね。
あと音楽モードは最初からトップメニューより入れるようになってました。
◇ 感想まとめ
シナリオのイマームさんと言えば『ぷろG』『OnlyYou』『王道勇者』など、「濃くて熱苦しい展開」が個人的には連想されるし、それが良くも悪くも「持ち味」となってて好感持ってたのですけど…今回は主人公に若干の熱さを感じるものの一連の濃さは影を潜めてしまってました。
ヒロイン達も『OnlyYou』ほどの個性は出ていなかったですし、何となく「恋愛ADV」というのを意識しすぎて無理に押さえてしまったのでは?という気がします。
シナリオは各ヒロインとも前半部で互いに恋愛感情を意識しはじめ、中盤から後半にかけて山場(この場合ヒロインを取り巻く環境絡みの苦悩)を経て結ばれる…という王道パターンですが、日常会話イベントや各ヒロインの個別シナリオの展開やオチそのものは結構良かったと思います。
ただヒロインの設定や立場が今一つ不透明(特に琴里)で、シナリオの展開をプレイヤーに納得させるだけの説明が不足してる感じがしたのが残念。
更に後半は殆どデジコミのように進むのでプレイヤーは完全に傍観者的立場というのも辛いです。
エロシーンは主人公との絡みはエンディング直前の一回のみ。
使用されてるCGも2枚と少なく、中身も薄いです。
陵辱シーンは主人公が犯るわけではなく、主人公の気がつかない処で第三者によって陵辱される物だけ。
なかなかエグいシーンもありますが、使用されてるCGは1枚だけですし、期待しない方が吉かもしれません。
ゲーム全体としては丁寧に作ってあると思うし、楽しめたか?と聞かれればYesと答えられます。
が、不満だった?と聞かれてもYesと答えられる非常に評価に困るゲームでした。
二年前くらいに出ていればかなりの高評価になったゲームだとは思いますけどね。
◇ お気に入りキャラ
主人公を兄のように慕ってる「如月 美夕」でしょうか。
疲労したり興奮すると猫化するのが思わずツボ突かれましたし…。
また彼女のシナリオでは少女漫画のような「恋する乙女」っぷりがなかなかよさげでした(少女漫画読んだ事ないけどね)。
私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆
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