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AmbivalenZ 〜二律背反〜
発売日:1996.05.10 / ALICE SOFT

◇ あらすじ

 ある日、サエルーナ王国のシィア姫が邪教集団に拉致されてしまった。 邪教集団の目的が姫を生贄にして闇の娘「ディアドラ」を降臨させる事にあると知った国王は姫の身辺警護役でもある主人公「シュラ」に姫の奪還を命じた。
 シュラは仲間と共に姫奪還に赴くが既に時遅く、ディアドラは復活してしまい、シュラは呪いによって白子(アルビノ)となり不老の体にされてしまう。 そしてこの日からシュラは復讐の為に、全世界を巡ってディアドラを追い詰めることに全てを賭けることになる。

 それから数百年…、時は現代。シュラは何度目かの日本の地に再びやってきた。


◇ ゲーム概要

 コマンド選択型のADV。 ゲームは全7章で構成されており、シナリオは完全に一本道。 各章の最後にはディアドラの分身である女型の怪物(ドゥエンティと呼ばれている)がいて、それらを倒すと次の章へ進めるようになっています。
 倒す…と言ってもRPGのようにHPやMPがある訳ではなく、全て選択肢によって進行するタイプ。 章のラストに配置されてる女型怪物の他に男型の怪物もいて、男型の方は魔剣「草薙」で倒せますけど、女型の方にトドメを刺す為には精液を胎内に送り込む必要がある…というエロゲらしい設定になっています(笑)。


◇ システム

 System3上で動いています。 このゲームの唯一にして最大の欠点がこのシステム回りのお粗末さかと思われます。
 まず操作性にかなり難あり。 特にダンジョン内部を移動する際、方位を選択して移動するのですが、これがかなり使い難い。 一本道で何度も同じ地点を行ったり来たりということが多々ありました。 それにゲーム中にデータロードが出来ないのもちょっと不親切な気がします。


◇ グラフィック

 原画は「むつみまさと」さん。個人的にこの方の絵は結構好みです。
ただ…枚数はかなり少な目なのが残念。CGサイズも微妙に小さいのが多い…。


◇ サウンド

 Windows版ではCD-DA再生、98DOS版ではFM音源になっています。
BGMとして文句無しの出来ですね。
特に「オープニング」「廃屋」「シィアのテーマ」がお気に入りです。


◇ 感想まとめ

 アリスソフト初のシリアスADV(らしい)ですが、なかなかテンポよく進み、シナリオも7つの章毎に上手く纏まっていたし展開にも惹きつけられました。

 加えてこのゲームは登場キャラクターが皆凄く魅力的に描かれてたのが印象的。
特に有馬神父やアスタなどは良い味だしてます。私は花梨萌えですけど…(笑)。
魔剣の精霊「草薙丸」などもお馬鹿な会話がなかなか楽しく、シリアス展開の合間の息抜きとして和みました。

 残念なのはやっぱり先にも書いたように操作性の悪さでしょうかね。
話のテンポ自体は良かったので途中で挫折する事はありませんでしたが、あのダンジョン移動でかなり損してるような気がします。 逆に言うとシステム面を除けば申し分ない出来だったとも言えるんですけどね。

 ラストはちょっと泣けてしまう所謂感動系の展開なので、シナリオ重視でエロゲをプレイする方や感動系を求めてる方にはお薦めできると思います。


私的満足度: ★★★★★ ★★★☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO