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よくばりサボテン
発売日:2006.04.21 / ALICE SOFT
 全CGを埋めてコンプ。 所要時間は1stプレイで約4時間、コンプまでは8〜9時間ほどだったと思います。

 合気道道場の息子である主人公「藤宮友弥」。 両親は不在がちで道場の門下生も無く、ほとんど一人暮らし状態であったが義妹の凛が五年ぶりに戻ってきた。 ほぼ時を同じくして主人公の周囲の女の子達がふとしたきっかけで次々と好意を抱くようになり、俄かに主人公争奪戦の様相を呈してきたのだった…というあらすじ。


 選択肢分岐型の「言い寄られ系ドタバタ学園ラブコメADV」。 『しまいま』と舞台設定が同じでヒロインの一人である鞠音が引き続き登場してますが『しまいま』プレイ必須という程ではありません。
 ヒロイン総数は5人+隠しキャラ1人。 ただし義妹の「藤宮凛」と主人公のクラスの委員長である「霧島勇美」以外は先の二人に比べてかなり個別ルートが短くて実質サブキャラ扱いになっていますので注意が必要。 ちなみに隠しキャラは凛エンド到達後に攻略可能になるのだと思います。

 主人公は見た目的には頼り無さそうだが合気道の腕はかなりのもので真面目で人当たりの良い性格。 物語はそんな主人公の下心無しの無意識な行動にヒロイン達が次々に惹かれていき、気が付けばモテモテ状態に…という展開。 主人公はセオリー通り恋愛方面に鈍感なのでヒロイン達の想いに気付いていないが、ヒロイン達は皆主人公に好意を寄せている事を理解しているので誰かが抜け駆けしようとすると「ちょーっと待ったぁ」と牽制し合う争奪バトルを外から眺めてニヤニヤするのがこのゲームの楽しみ方かと(笑)。

 ヒロイン達の半ば記号化された性格設定や超王道パターンを地でいくイベントのオンパレードは正直言って新鮮味が皆無ではありますがキャラ立ては割りと良好ですし、偶にヒロイン視点で描かれる悩める乙女っぷりも良い味を出していたと思います。

 個別ルートで恋人同士になってからの描写もイチャ付き期間の後、ちょっとした障害を乗り越えてハッピーエンド…という定番パターン。 発生する障害自体は笑ってしまうくらいコテコテなのですが、主人公もヒロインも積極的に行動する展開が多くて退屈さを感じなかった事は高評価ポイントかと。 まぁ単純にテキストがあっさり目だったという事もあるのでしょうけどね(笑)。
 ただ先にも書いたようにサブキャラ扱いなヒロイン達の個別ルートはかなり短く、特にイチャ付き期間がメインの二人に比べて大きく水を空けられているのが難点。 個人的には割りとどうでも良い眼鏡委員長のボリュームを秋奈先輩に回せと言いたい。 とりあえず総合的なテキスト量やCG枚数を増やせないのならメイン二人のボリュームを削って全ヒロインを均等なボリュームにしてくれた方が個人的には有難かったですね。


 エロはメインの二人は5〜6回ほどと豊富ですがサブの方はエロイッカイズツ。 尺はそれなりにありましたがエロさよりも萌え描写としての印象が強く、またメインの二人についてはCGの使い回しが少々気になって個人的にはあまり実用性はありませんでした。
 そして、これがこのゲームで一番の不満点でもあるのですが、ハーレムエロが存在しないという事態に愕然。 一応シナリオとしてのハーレムルートは存在するのにハーレムエロが無いとはどういう事かと。 前作の『しまいま』でも全ヒロインとのハーレムエロは無かったけど、1on1で全員食える入れ食い展開だったし姉妹丼もあってハーレム好き的には無問題でした。 でも今回のハーレムルートはあろう事かエロシーンが一回も発生しないという…エロゲとして有り得ない展開にがっかりさせられましたよ。


 そんな訳で一応まとめるとストーリー的には王道ながらキャラ立ては良くてヒロイン達による主人公争奪バトルを眺める雰囲気ゲーとしては悪く無い。 ただしメイン二人以外のイチャ付き描写が不足ぎみなことと、何よりハーレムルートの展開に激しく落胆させられた惜作と言ったところ。 まぁロープライスという事を考慮すればかなり頑張っていて流石アリスとは感じますが、サブキャラ達をメイン級のボリュームにしてフルボイス化すればフルプライスでも満足するかと言うと…あまりにも展開が王道すぎて正直微妙ではあるのですけどね(苦笑)。
 余談ですが前作『しまいま』を今回の主人公で描いてくれたら個人的にはかなりのお気に入りゲーになりそうな気がします(^^;


キャラ毎の雑感は少しだけ(ネタバレあり)


霧島 勇美
 主人公のクラスの委員長。 眼鏡キャラということで見た目は個人的には属性外ですが、主人公に対して素直になれない一連の言動は素直に微笑ましい。 終盤は親の都合で渡英する勇美を空港まで追いかけるという王道展開でした。

藤宮 凛
 主人公の義妹。ネコミミ装備。 主人公より強くなったら結婚するという幼い頃の約束を糧に6年の修行過程を5年で済ませて戻ってきた。 他ヒロインを牽制する時の威圧の表情がなんか好きかも。 主人公とのイチャ付き描写もかなり良く、このゲームに対する満足度はほとんど凛の功績に寄るところが多きいです。 終盤は凛の許婚と名乗る人物が登場して主人公と合気道の勝負をするという展開でした。

瀬名川 早月
 主人公のクラスメイト。 クラスで浮いていて委員長とよく衝突してる。共通ルートでの見せ場が少なく個人的には一番印象の薄いキャラでした。 終盤は建築デザイナーの夢を目指してコンクールに出展する展開。

棗 秋奈
 主人公と凛の幼なじみなお嬢様。 家の格を気にして主人公と疎遠になるが密かに好意を寄せている。 キャラの設定や健気な言動や十郎の存在など良質の素材を有しながらもサブキャラ故にそれらの素材を活かしきれなかった不遇なキャラという印象。 個人的に結構気に入ったキャラだけに残念。

奈々月 絢音
 主人公がバイトする喫茶「ななつき」の女主人。 『しまいま』の姉妹エンド後の世界らしいので現在もフリー。 のほほんとした性格と魔乳の持ち主で凛すらまるめ込む最強キャラですね。 終盤は鞠音のお見合い話を聞いた主人公が行動を起こす…という展開でした。

凰火 朱鷺
 主人公達の合気道流派の本家のお嬢様。 凛ルートでは凛の許婚として、個別ルートでは主人公の許婚として登場する。 キャラ的には嫌いじゃないし、朱鷺が洋装した時も素直に萌えたのですが、展開は今ひとつ。 浮気には肝要と言ってるんだからやっぱりハーレムエロは欲しかったですね。


お気に入り順は
 凛 > 秋奈 > 以下は差無し(ぉ


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

Copyright(c) 2007 SHEO