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ぱすてるチャイムContinue
発売日:2005.06.17 / ALICE SOFT
 ヒロイン達のエンド、および同級生達のイベントは一通り見たのでとりあえず終了。 プレイ時間は主人公のクラスによって大きく変わるのですが、大体1巡するのに10数時間、ヒロインエンドコンプまでは35時間前後だと思います。

 冒険者を目指す主人公「薙原ユウキ」は名門ファルネーゼASで問題を起こした為に光綾学園へと転校してきた。 そこでは幼なじみの竜胆リナとの再会や何人もの気の合う仲間との出会いがあり、学園生活を共に過ごしていくことになる。 果たして主人公は一年後に一人前の冒険者へとなれるだろうか…というあらすじ。


 前作『ぱすてるチャイム』から10年後が舞台の恋愛育成RPG。 前作のキャラもそれなりに登場し、ルートによってはかなり核心部分まで前作繋がりがありますので、可能なら前作のミューゼルEndだけでもプレイしておいた方が良いかも知れません。
 ゲームは一週間単位で進行し、平日は“力”や“素早さ”や“HP”と言ったステータスアップの授業を行い土曜にダンジョン探索実習、日曜はイベントや課外授業に当てられます。 なお、今回のスキルはレベルに合わせたものを金(ザッカ)で購入する仕組みになっていました。

 ヒロインキャラは今回も4人。 基本的にお目当ての娘と一緒にダンジョン探索を行うことで高感度が蓄積されていき、一定値を超えるとイベントが発生…ということを繰り返していく感じになります。 4人のヒロイン以外にも9人のサブキャラ達がいて、ヒロインと同様に一緒に冒険することが可能(一度に同行できるのは主人公を含めて3人まで)。 このサブキャラ達にも一応エンディングは存在します。

 このゲームの大部分を占めるダンジョン探索実習パートは見た目は前作より格段に良くなっているし、操作性も悪くはないのに快適とは言い難く、正直期待外れ。 というのもダンジョン内には罠が配置されているのですけど、この罠を発見する為には一時停止する必要があり、数歩進んでは停止、また少し進んでは停止…という操作を繰り返すはめになるのが非常にかったるいのです。 慣れてくれば配置されてそうな場所の予測はできるのですけど、それでも逐一立ち止まらなければならないのが予想以上のストレスになりました。

 また、罠の解除や鍵付き扉の開錠などはスカウトのスキルを持つキャラがパーティに居ないと強行突破するか諦めるしか無いので最低1人はスカウトのスキルを保持してるキャラが必要になり、パーティ編成の幅が狭いのも個人的にはマイナス。

 戦闘は単調な上に作業感を強く感じます。 更にこのゲームのダンジョン探索には時間制限があり、戦闘が長引くとそれだけ探索時間も消費してしまうため「速攻で片付けて探索の続きをする」という事を常に意識してしまい戦闘を楽しむ云々の前に障害物としか感じられないのが難点。 まぁそれ故に魔法や神術や全体攻撃などを駆使して1ターンで掃討できたときは割と快感だったりするのですけど(笑)。
 余談ですが、このゲームって主人公のクラスによって戦闘時のストレスが全く異なります。 とにかく神術師が強すぎ。 詠唱とMPと“銀”要素をひたすら上げていけば練習ダンジョン最下層を除いて瞬殺可能だし回復もOKの無敵キャラ。 あとはセブンスターを装備したスカウトもなかなか快適。 反面、ほとんど単体攻撃しかできない戦士は自身の死亡率は低いものの敵を掃討するのに時間がかかるので凄くストレス溜まりました。

 シナリオは基本的に修学旅行や学園祭といった「共通イベント」と好感度蓄積による各キャラの「個別イベント」によって展開していきます。 共通イベントはおよそ月に1〜2回程度のペースで発生し、キャラ毎の好感度に左右されない学園生活の1イベントという感じになっていて皆でワイワイと楽しむ内容のものが多く、なかなかに好印象。 ヒロインキャラはもちろん、サブキャラ達も個性的で、中にはヒロイン達に匹敵するほど気に入ったキャラも居ました。

 キャラ毎の個別イベントの方は前作や『夜が来る!』に比べて飛躍的に数が増えており唯一大きく進歩した点じゃないでしょうか(苦笑)。 内容的にもヒロインとのデートイベントは当然として、他のキャラを巻き込んだドタバタ展開だったり、家庭の事情などの設定に深く踏み込んだシリアス展開だったりとバリエーションも豊富。 欲を言えば好感度が高いキャラ同士の組み合わせによるイベントなどがあれば良かったかな。 例えば女性のサブキャラとヒロインキャラによる主人公争奪戦とか(笑)。

 ただ、これらの個別イベントは先にも書いた通り一定値以上の好感度が必要なのですけど、その必要好感度をもう少し減らして発生頻度を増やして欲しかったです。 具体的に言うと初期イベントまでの必要好感度500を半分の250くらいにして、一度探索すればイベントが発生するくらいの頻度で丁度良いんじゃないかと感じます。

 全体的な流れはどのルートもほぼ同じですが、10月に恋人が確定した後は微妙にイベントが異なってきてラストに至ってはヒロイン毎にラスボスまで全く異なる展開になるのは良いですね。 一応リナのルートをベースにして、他ヒロインのときは何故リナと異なった展開になったのかが明確に描かれてる点もマル。
 とは言えやっぱりゲーム期間が1年というのは長くてダレるので、合間に目標となるイベントが欲しかったところです。 例えばインターアド(高校で言う総体のようなもの)で古巣であるファルネーゼASの連中に勝利する…と言ったモチベーション維持に繋がる目標があれば良かったかも。

 エロシーンはヒロイン4人に関しては10月に恋人同士となった後に毎週のように発生します。 1ヒロインあたり大体7〜8回くらい。ちなみに全員処女です。
 シーン内容的には愛撫→(フェラ)→クンニ→挿入(体位差分)という割とオーソドックスな流れ。 回数を重ねる毎にカッコ内のシチュが追加されますが、流れ的には同じ内容が繰り返され、使いまわしCG多数なのが難点と言ったところ。 ただ尺はかなり長めですし声優さんの演技も良好なので実用性はあると思います。 行為前や事後の萌えトークもなかなか良く、個人的には特にフィルがエロ可愛いく感じてお気に入りでした。
 一応ファンタジー世界ならではの特殊シチュ(主人公が分裂したりナニが分裂したり等)もそれなりにあります。 鉄仮面さん大活躍ですな(笑)。

 システム的には必要な機能は一通り揃っていたと思います。 個人的にはダンジョン探索や探索後のヒロイン選択をスキップできないのが若干不満でしたが、これも最新の修正ファイルを当てることで可能になり、ほぼ不満は無くなりました。 ちなみにCTRLキー押下による戦闘の高速化にも対応しています。

 CGはフェイスウインドウでの服装がイベント内容と合ってないのが気になりました。 イベントCGの方はヒロインキャラに関してはエロシーンCGの使い回しが多いのが不満ではありますが、枚数的には及第点。 ただしサブキャラのCGは各1枚前後と少ないのが残念。女性キャラはせめてあと1〜2枚は欲しかったところ。
 BGMは前作からのアレンジなどもあってかなり良好。 個人的にShadeさんはボーカル曲よりもBGMのほうが印象に残る曲が多かったのですが、今回は先行発売されたOP・EDのボーカル曲もお気に入りです。

 まぁそんな訳でヒロインやサブキャラ達のキャラ立てはなかなか良く、イベントも豊富で楽しめるが、メインであるはずのRPG部分に関しては…今作と前作との間にも『夜が来る!』という同系統のゲームを出してるにも関わらず、あまり進歩が見られずに足枷となっているのが残念…と言ったところでした。 せめて2周目以降の引き継ぎ要素がもう少し充実していれば良かったんですけどね。


以下、キャラ毎の雑感も少し(ネタバレあり)。


竜胆リナ
 主人公の幼なじみで前作ヒロイン「竜胆沙耶」の妹。 個別シナリオは前作との繋がりが強く、おそらくこのゲームのTrueルートなんでしょうね。 前作プレイ済の身としては前作の懐かしいキャラ達とのやり取りが多くて楽しめましたがヒロインキャラとしては今ひとつかな…。 実際リナルートより他ヒロインルートでのサポートや保護者っぽい言動が印象的でヒロインというより女友達とか姉貴という感覚の方が強いです。

斎香・S・ファルネーゼ
 大手武器メーカーの娘。 主人公より前にファルネーゼASから転校してきたが主人公との面識は無し。 リカルドからの復学要請を断るために主人公とニセ恋人を演じる…という流れで、展開的にもなんというか…お約束ですね(笑)。 でも主人公と恋人になってからの言動は破壊力あるし、主人公も憧れの先輩と付き合っている幸せっぷりが心地よく、割とお気に入りキャラです。 それだけに海でクラーケンとの触手プレイや後半のシーンなどで陵辱される機会が多いのがカワイソス。

ルーシー・ミンシアード
 炉担当キャラ。猫のニィさんと共に幸福アイテムを集めている。 共通ルートでも出番があまり無く、ヒロインキャラの中では一番影が薄いけど実は前作との繋がりがかなり深いキャラだったりする。 つか流石にコレは気づかないよなぁ(笑)。 個別イベントは怪獣決戦のようなコメディ描写が多いですね。 後半はシリアスだけど他ヒロインに比べラストバトルがあっけなさすぎて拍子抜けしました。

フィル・イハート
 主人公の自称婚約者。 他ヒロインルートをプレイしてもフィルの設定は大体予想が付いてしまいますね。 シナリオ的にはラストで戻ってきてからの展開がどうにも都合良すぎというか、無理があるだろうと感じて少々白けましたが、エロシーンを始めとした個別イベントでの言動が心地よくキャラ的には今回一番のお気に入りキャラとなりました。 ブラックとホワイトの3Pシーンが後半でも補完されなかったことが物凄く心残りです。


お気に入り順はサブキャラ(女性)を含めると
 フィル > ぼたん > 斎香 > ナツミ > ルーシー > 幸子 > リナ > エリーゼ > シルビア
と言った感じでしょうか。ぼたんのCGはもっと欲しかった…。


私的満足度: ★★★★★ ★☆☆☆☆

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